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俺が聖女で勇者が幼馴染で  作者: 鳩胸 ぽっぽ
勇者へきる編
99/103

へきるを探して三千里

 玉座に座り、ハルト王子……ハルト国王は二人の騎士に命令を下していた。


「ジョマー、アイナ。お前たち二人に元勇者へきるの捜索を命ずる」

「はっ」

「御意に」

「この剣をもって探してきてほしい。詳しいことはこの猫が教えてくれる」


 と、俺もひょこっと顔を出した。

 

「あら、可愛い猫ちゃんだこと」

「とても愛おしい姿をしておりますね……。ですが不思議と感じたことのある魔力を持っているような?」

「聖女ヒヨリ殿だからな」

「なんと……」

「本当なんですか国王様」

「ああ。精霊として再び生を受けたそうだ。聖女は精霊としてその剣に宿っているのでその剣からあまり離れることはできん。お前たちが持ち歩き、捜索をするように。捜索するために必要なものなどはこちらに言えばすべて手配しよう」


 ということでジョマーさん、アイナさんの二人とへきるの捜索が決まった。

 俺はアイナさんの頭の上に乗っかる。猫だからこういうこともできる。歩かなくていいというのはちょっとらくちんだ。


「それで二人はへきるの行方は知らないんですか?」

「そうよぉ。あの戦争以降見てないわねぇ」

「まぁ……戻っては来れないでしょうし、帝国に行ったという話以降なにも音沙汰がありませんね。聖女様は心当たりはありますか?」

「うーん……。あいつは極度の方向音痴だから迷ったら俺でもどこにいるか……。ただ、誰かと一緒だっていうんなら話は別で、あいつは俺との記憶は忘れたくないだろうから俺が行ったことのある場所な気がする」

「ヒヨリ殿が行ったことのある場所……」

「っていうと魔王領かしら?」

「と、同盟学校ぐらいかな。まずはそこの二つを調べてみましょう」


 俺らはまず同盟学校に向かうことになった。

 精霊となっても魔法は使える。転移魔法を使ってすぐに行くことにした。俺は二人に触れて同盟学校に転移する。

 魔法を覚えていてよかった。


「同盟学校もあんなにボロボロだったのにもうこんな……」

「三国が頑張ったのよぉ。幸い魔王様が慈善事業と称して魔物を近くに配備し魔物が来ないよう守ってくれたらしいわ。魔族や魔物との仲も今は良好。野良の魔物は相変わらず危険だけどね」

「魔王様も変わったんだなぁ」

「学校を眺めている暇はありませんよ。生徒の方に聞いてみましょうか」

「その必要はないよね」


 と、俺らの目の前に学園長が空から降りてくる。


「久しぶりな魔力を感じてきちゃった。どういう仕組みかはわからないけどおかえり、ヒヨリちゃん」

「学園長!」

「これは……初めまして。私はオルフェリート王国騎士団第一部隊所属アイナと申します」

「同じく第一部隊所属ジョマーよ。よろしくね」

「丁寧にどうもどうも。私は同盟学校学園長の……」

「存じております。学園長リリィホワイト殿」

「やっぱし? 照れるね」


 学園長の本名ってそんなんだったんだ。学園長としか呼んでなかったから知らなかった。


「で、なんでヒヨリちゃんが生き返ってるの? 私は確かに死亡を確認したのだけれど……」

「精霊になりました」

「なるほど。精霊になれるのね……。私もなりたいなー」

「いいものじゃないっすよ多分。で、学園長。へきるがどこにいるか知りませんか?」

「それらしい情報はないねー。一応リヒターくんやリエリーくん、アギトくんとかは任務に行くついでに探したりもしてるらしいけど音沙汰ナシ。ただ……」

「ただ?」

「それらしき魔力は魔王領で感じたんだよね」

「魔王領で……っし、いくか」

「いってらー」


 学園長は魔力を魔王領で感じたという。

 俺はさっそく魔王領の魔王城に飛ぶことにした。









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