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俺が聖女で勇者が幼馴染で  作者: 鳩胸 ぽっぽ
オルファラン同盟学校編
66/103

気怠い朝の目覚め ②

 俺はみのりの部屋にやってきた。

 みのりは死んだように安らかな顔をして寝ていて、悪いけど胸に耳を当ててみた。心臓は動いているが呼吸が浅い。

 なぜかこの寮内に霧が蔓延していて、それをすでに吸い込んだ後なんだろうか。


「まぁなんにせよたたき起こすっきゃねえ!」


 俺は回復魔法をかけて、みのりの頬を叩く。

 みのりはむくっと起き上がった。


「あれ……ひよさん……?」

「お前普段俺のことひよさんって呼んでんの?」

「どうかしたのぉ……?」

「緊急事態。お前の力がいる」

「わかりましたぁ……」


 俺はみのりと手をつなぎ、今度は宇和島の部屋に向かう。

 部屋に向かう最中、やっと意識が覚醒してきたのか、すごい霧だと驚いていた。


「何が起きてるの!?」

「ちょっとやばい事態。最悪全員死ぬ」

「し、死ぬ……?」

「だからちょっとお前らの力が必要なんだよ」


 討伐するまでは少なくとも必要になる。

 へきるのような圧倒的なフィジカルで毒が効かないならまだしも、壬午、東は毒が回っているはずだ。どこから霧が入り込んできたのかはわからないが、この霧が包み込んでるこの町の全員、少なくとも意識があるか危うい。

 意識がないまま放置しておくとこの町の住人全員死ぬだろう。それは避けたい。


 だからといって回復魔法を途切れさせると瞬時に……とまではいかないだろうが、症状がすぐに再発する。

 俺は全員に回復魔法をかけれない。だからこいつらのチート能力が必要になってくる。


「宇和島!」

「ん、なに?」

「あれ、起きてる?」

「起きてるよ? どうかした?」

「いや、この霧吸って起きてるの意外だなって……」

「霧? そういやすごい深いね……」

「意識とかに問題はない?」

「ないけどどうしたの? そんな慌てて……」


 俺は宇和島に説明をした。


「この霧毒なの? めっちゃ吸い込んでるけど私は何ともないよ?」

「……免疫あるんじゃないの?」

「そーかもしれない、ね……。で、で、私は何をすれば……」

「お前は俺らのヒーラー。宇和島はたしか範囲内の人間に回復魔法をかけれるんだったな?」

「うん。でも、範囲を広げるには魔力が必須だしそこまで広くはできないよ?」

「だから俺がいるんだろ。俺の魔力で最大まで広げてよ、回復するんだ。で、みのりは俺の魔力をお前のスキルで回復させてくれ」

「なるほど。わかったわ」


 学園長が言っていた俺らが手を合わせればお互いのチートスキルを使用できるというもの。

 これの仕組のおかげで半永久的に俺らが手をつないでいる限り回復魔法を広範囲にかけることができる。

 あの時学園長がそう言ってくれなければ俺はこの方法を見つけることはできなかった。少なくともすぐに思いつくことはなく、もっとことが重大になっていたと思う。


 俺は宇和島の手を握りしめる。そして、宇和島は目を閉じ、最大まで範囲を広げ始めた。


「わ、すごい! 結構広がってく……! 少なくともこの同盟学校の領地は収まるよ! ってか同盟学校の領地全部治まるくらい広まった!」

「ごっそり減ったな……。本当に限界ギリギリって感じだ。だがいいな。この莫大な魔力がもう回復してる」

「宇和島さん、かけちゃって!」


 回復魔法が同盟学校の領地に降り注ぐ。

 これで少しは抗えているだろうか。大まかなことはカタリナ様に任せるとして、俺らは回復だけに専念していよう。










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