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俺が聖女で勇者が幼馴染で  作者: 鳩胸 ぽっぽ
オルファラン同盟学校編
63/103

書庫の精霊

 俺も伝説の魔物というのを調べることにした。

 カタリナ様から賢者の書庫にそういう書物はないか聞かれ、入る許可をもらいに行ったそうで、俺が監視してるならいいとのこと。他言無用と釘を刺された。


「さてと」

「学園長どっかいくんですか?」

「そう。面倒だけど仕事が入っちゃって。しばらく帰ってこれないから……。しばらく副学園長に任せてるし何かあったら連絡よこしてねぇ」

「連絡手段あるんですか?」

「書簡?」

「……行く場所によっては時間すごいかからないですか?」

「そうだねぇ。声だけでもいいから瞬時に届くような魔法があればいいか。開発してみるかな……」


 声だけでもいいから、か。

 スマホがあればな……。いや、スマホはあったんだが俺は逃げてる最中に落としたし、この世界では電波というものはないから使えないだろう。

 電話を開発した方がいいとは思うが、俺は電話の仕組みとか知らんし魔道具開発なんて無理だ。


「私が行くのはゴッカンというすげー北の地ね。私も行ったことないから転移魔法使えないんだ」

「……そこは僻地ですわよね? なぜそこに?」

「調査してほしい魔物がいるんだってさ……。まったく、面倒だよねオルフェリートの魔物研究家は」

「も、申し訳ございません……」

「いいのいいの。強い魔物でこっちに来るようなことがあったらみんな困るし、調べるのは大事だからね。じゃ、行ってきます」


 そう言って学園長はコートを何個も持って向かって行った。

 俺は書庫の鍵を手にして、カタリナ様を連れて書庫に向かう。


「少々埃っぽいですわね……」

「まぁ、出入りできるの限られてるし学園長、掃除するようなタイプじゃないから……」

「わたくしより学園長の付き合い長くなってませんこと?」

「まぁ、いろいろ教えてもらってるからな」


 俺はとりあえず本を手に取ってみる。

 表紙は基本的にない。全部魔導書だから。魔導書に表紙などはなく、開いてみるまでわからない。

 学園長は魔法に関してはマメな人なのか、解読済みとかは分けられている。


「魔物関連の書物は……」


 カタリナ様が本を手に取ろうとした時だった。

 カタリナ様の頭に本が落ちてくる。頭に直撃したカタリナ様は頭を抑えて痛みに悶えていた。

 俺は回復魔法をかける。


「ありがとうございます……。本が突然落ちてきましたわ……」

「……それ魔物の本じゃね?」

「あら、本当ですわ。運がいいのか悪いのか……。とりあえず読みましょう」


 カタリナ様は椅子を引き座る。ライトの魔道具をつけて本に目を通していた。

 俺はちょっと気になった。さっき本が落ちてくる寸前なんか変な魔力を感じた。微弱なだったから気づかないで終わりそうだったが……。


「さっきのは本当に偶然か……? 俺たちが望むものを落としたのか?」

「珍しい魔物ばかりが纏められた図鑑ですわね。千年に一度目覚める魔物とか……封印された魔物とかの情報が載っておりますわ」

「それのどれかが伝説の魔物なんじゃないですか?」

「そうでしょう。封印された場所、眠りについた時間……詳しく書かれておりますわね。可能性がありそうなのは……」


 カタリナ様がペラペラとページをめくっていた。

 その時だった。


「ばぁ!」

「うおっ!」

「きゃっ!」


 俺たちの目の前に小さい女の子が現れた。


「え、なんですの!?」

「ふふ、びっくりした? びっくりした?」

「……誰?」

「うふふ。びっくりしたなら嬉しーな!」

「お、おぉ。素直にビビったわ……」

「よかったー!」


 小人の背中には蝶のような羽が生えていて、ピュンピュンと飛び回る。


「……もしかして、精霊ですの?」

「そーだよ! ふふん、わたちは偉大なる精霊様なのだー!」


 胸を張って誇る精霊。

 精霊って存在するのか?


「精霊って存在したんですのね……」

「まぁ、人間の前には滅多に姿現さないからねえ」

「なぜ私たちの前に?」

「すごいたっぷりの魔力を持ってる精霊になれる素質がある子がいたから!」

「……俺ぇ?」

「そー! 魔力たっぷりだとね! 死んだ後精霊になるんだ! その精霊となる器を見にきたの!」

「……死んだら精霊になるんですの?」

「その女の子はね! きっと強い精霊になるよ! 人間が精霊になったらものすごい力を得るんだぁ」


 そうなんだな……。

 魔力量が多いとめっちゃ得やんけ……。


「でもぉ、そこの女の子も頑張ったら精霊になれそーだね? 僕たちが好きな魔力だもんね」

「そ、そうなんですの? ど、どうしたら……?」

「そーだねぇ。わたちの世話をしてください!」

「よ、喜んで!」


 即答。

 そういうのには興味あるんだなカタリナ様。


「契約成立だねー! あ、そこの女の子はもうダメだよ! 契約できないからね!」

「するつもりないけど」

「そーお?」

「……精霊って私以外にも見えるのかしら」

「見えないよ?」

「俺らだけ?」

「見えてるようにしてるのは二人だけだよ! 他の人にはわたちが許可しないとみえませーん!」


 許可しないとダメなんだ。そういうもんなのな。

 だがしかし……。精霊になる、か。多すぎる魔力が故に、か。

 へきるが聞いたら嫉妬しそう。











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