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俺が聖女で勇者が幼馴染で  作者: 鳩胸 ぽっぽ
オルファラン同盟学校編
54/103

浮遊魔法

 この世界にも四季と呼ばれるものが存在し、春夏秋冬どれもある。

 だがしかし、一か月と俺らは軽く言うけれどこちらの世界にそういう概念はなく、春が92日で夏秋冬がそれぞれ91日の365日で計算されてるらしい。


 夏の季節が終わりを迎え、季節は秋の季節となっていく。

 夏の残暑がまだ残る今日この頃、俺は賢者の書庫に入り浸っていた。


「浮遊魔法、縮小魔法、巨大化魔法……。すげえ、いろんな魔法があるんだな」


 ただ、縮小魔法、巨大化魔法などは学園長ですらいまだにできないというか解明できてないらしい。解明不可!と書かれた紙が貼ってあった。

 この書庫には様々な魔法書が置いてあって、学園長曰く、この書庫の大半がまだ解明できてないらしい。古代魔法は日本語でもなく、英語とかでもこの世界で使ってる文字でもない文字で書かれていて、解明が難しいらしい。俺が読んだ転移魔法とかは解明していたので翻訳して本にしておいてあるんだとか。翻訳が済んだものだけ入れ替えてるらしい。


 ゆくゆくは全部解明して翻訳を済ませ、ここを一般開放するのが目的だとか。どうせ魔力大量に必要だからできない人が多いからというのもある。

 が、こういうのが知れ渡ったらまずいとかそういうのもあり、誰かに盗まれて勝手に翻訳し悪用されるとかそういうのを極力避けるために、ここの存在は極秘。

 まぁ、ないとは思うが警戒のし過ぎは悪いことじゃないとは思う。


「浮遊魔法はちゃんと呪文があるんだな」


 呪文を唱えないと使用困難らしい。

 学園長は無詠唱で使ってなかったか?という疑問がわくが置いておいて。俺はさっそく呪文を唱えてみる。

 すると、俺の体がぶわっと浮いたのだった。

 俺は今度は移動のやり方を見てみる。行きたいと念じた方向に向かうらしい。ただ、一直線でしか進めないので、曲がる場合は右、左と念じる必要があって、さらに高度を上げる場合は上、降りる場合は下と念じる。止まる場合は止まれと念じるらしい。


 意外と簡単だな。


「これは物にも適用することができ……他者や物体に付加することも可能……。地面に足がついた瞬間に魔法の効果が切れるのでその場合は再度かけなおす必要があり……」


 俺はやってみた。

 とりあえずあそこのペンを見て、呪文を唱えてみる。するとぶわっとペンが浮いた。前と念じると引き離され、後ろと念じると引き寄せられ、右と念じると右に。

 うわ、物とるときに便利……。


「ん、コーヒーのこぼれたような跡がある」


 これもしかして学園長がやったのか?

 あれか。コーヒーの入ったコップを引き寄せたら中身までは無理だったからこぼれちゃったっていうオチだろ。

 なるほど。あくまで中身には作用しないと。


「たしかに古代魔法って戦闘で役立つけど基本、日常生活で使いたいもんばっかだな」


 遠くにいても物がとれるとか現代じゃ喉から手が出るほど欲しかった。特に冬。

 コタツに入ってぬくぬくしてるときに外出たくなかったしな。わざわざ出て物を取ってまた入るというのがもどかしかった。これがあれば視認できるところであれば一発だ。

 で、この移動速度は俺の思ったようにも変えれるらしく、速くしたい場合は速くと念じるとスピードが速くなる。限界はあるみたいだ。


 逆にゆっくりにもできる。が、これも限度がある。

 俺はとりあえず呪文を完璧に暗記し、本を閉じて書庫から出て部屋に戻っていった。


「あ、カタリナ様」

「おや、奇遇ですね。そういえばへきる様が探していらっしゃいましたよ。どこにいたのですか?」

「それは言えないけど……」


 俺はちょっと悪だくみをしてみた。

 俺は呪文を唱える。すると、カタリナ様の体が浮きあがった。


「きゃっ!? な、なんですの!?」

「ほんとに出来たよ」

「え、なんですの!? なんで私の体が宙に浮いておりますの!?」

「カタリナ! どう……なぜ宙に浮いている!?」

「あ、ハルト様」

「聖女様……。まさか貴殿が!? 今すぐ降ろしてやってくれ!」

「わかりました」


 カタリナ様を廊下に降ろした。


「……で、なんでこんなことしたんですの?」

「出来心で……」

「なんなんですの今の。あなたのスキルとやらですか?」

「いや……」

「……古代魔法か?」

「知ってるんですか?」

「古代魔法って……あの失われた?」

「ああ。使用できるのか」

「うっす……」


 驚きもしてない。

 古代魔法の存在は割と知られてるようだ。ってか古代魔法って失われた魔法って言う認識なんだな。


「ほかにはどんなのが?」

「……これだけです」

「本当か?」

「はい」


 言っていいのかな。変身魔法とか……。あれは言わないとばれないからいいとしてでも。


「秘密にしなくていい。学園長はバリバリ使っているからそういうものがあって使い方が極秘なのは誰もが知ってる」

「……あとは転移魔法とか」

「ああ、転移……。できるのか」

「一応……」

「なるほどな。なら今度王都に戻る際、貴殿に頼んでもよいだろうか」

「わかりました」


 転移魔法を覚えたら足として使われますよねそりゃ。










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