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俺が聖女で勇者が幼馴染で  作者: 鳩胸 ぽっぽ
オルファラン同盟学校編
51/103

天竜へヴへヴォス ①

 月末がやってくる。

 俺は学園長と一緒に魔物討伐にやってきていた。


「へきるのトーナメント見てたかったんすけど……。学園長がわざわざ出るような魔物なんですか?」

「少々厄介な相手でね……。君の魔力が必要なんだよ」

「俺の魔力?」


 世界有数の実力者であり賢者の称号を持つ学園長が武装してやってきていた。

 他にも馬車の中にはめちゃくちゃ強そうな人たちばかり乗ってる。何が行われるんだよ今から……。


「今日の相手はドラゴンだよ」

「ほえードラゴン……。ドラゴン!?」


 嘘でしょ!?

 

「ドラゴンって滅多に出会えないって話だったじゃないですか!」

「ああ、習ったんだ? そう。でもね、つい先日、アルスラン皇国のエドモンド辺境伯領でドラゴンの目撃情報があった。そのドラゴンは街をいくつか破壊してる。尋常じゃない被害が出てるんだ。だから討伐とまでは行かずとも沈静化させる。そのためには莫大な魔力が必要なんだ」

「……つまり」

「君の魔力量は私よりはるかに多い。君一人の魔力でドラゴンの沈静化を狙えると思う」


 マジすか?

 ドラゴンに俺の魔力を食べさせて落ち着いてもらうらしい。本来ならばドラゴンの襲撃のために魔力を貯めておくものがあるそうなのだが、それのチャージには2ヶ月かかり、俺たちがこの世界に来る前に使ってしまったらしい。


 ドラゴンの襲撃が1ヶ月単位で重なることはなかったから用意してないんだという。


「魔力が尽きかけたことは?」

「ありますけど」

「あるんだ? いつ?」

「えっと、実戦演習のときフルで回復魔法使いっぱなしにしてたときは流石に尽きかけました」

「回復魔法も消費魔力はバカにならないくらいあるのにそれを7時間程度回し続けたってとんでもないことしてるのわかってる?」

「はい……」


 でも知見を得た。

 流石の俺でも回復魔法7時間かけっぱなしは魔力が尽きると。あれはある意味実験のつもりだったのもあった。

 まぁ、雷魔法とか使ってたし、それ使わなかったらもっと使えたと思うが。


「それが出来るんなら問題ないね。君の道は私たちが全力で作る」

「は、はぁ」

「君はドラゴンに触れるだけでいい。ドラゴンに触れたら魔力が吸収される」

「……」


 マジでやるんですか?

 と話していると馬車が急に止まった。


「馬が動かなくなりました! これ以上はドラゴンに怯えていけそうにありません!」

「飛び去ってないようで何より。じゃあ、くれぐれもみんな死なないように。道中、ヒヨリちゃんは魔法使っちゃダメだよ。もちろん回復魔法もね。私たちを信頼して護られてくれ」

「……はい」


 馬車から降りて俺たちはドラゴンがいる場所へと向かっていく。

 ドラゴンの恐怖から逃げ出す魔物たち。錯乱してる魔物は見境なく襲いかかってくる。学園長は魔法で撃墜し続け、騎士の人たちも剣で切り裂いていく。


「壮絶……」

「ドラゴンに怯えるのは私たちだけじゃないってことだよ」

「魔物も例外じゃねェ。ドラゴンはそばに居るだけでも圧倒的な威圧感を放つからな……。だが今回は様子がおかしいぞ」

「ですね」

「おかしいとは?」

「ドラゴンがまるで君を待ってるかのように感じる。いつもより魔物の数が少ない」

「……えっ」


 これで少ない方なんですか!?

 じゃあいつもはこれより多いの!? 信じられねえ……。


「このまま押し切って強引に向かうぞ! アーテナーいけるか!?」

「まっかせて! 防御障壁魔法展開! 強引に押し進め〜!」


 俺らの前に光の壁のようなものが現れた。

 それは魔物の攻撃から俺たちを守ってくれている。こういう魔法もあるんだな……!

 古代魔法、か?


「いつまでも張れるわけじゃないからなる早で!」

「わかってる! 走るぞ!」


 俺は騎士の人に抱き抱えられ、ドラゴンのところに走って向かうことになった。

 そして、ドラゴンが見えてくる。純白の白い鱗がビッシリと生えていて、スラリと細長い首。キリッとした目つきのそれはそれは大変ファンタジーなドラゴンが目の前に鎮座していたのだった……。











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[一言] 最後のセリフだけでエピソードを待つ興奮が戻ってきた
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