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俺が聖女で勇者が幼馴染で  作者: 鳩胸 ぽっぽ
オルファラン同盟学校編
43/103

終わり際

 実戦演習が始まって結構経っただろうか。

 この世界に腕時計なんて便利なものがないから現在の詳しい時刻はわからん。が、太陽が落ちてきている。

 そろそろ終わりを迎えるころだろうか。戻る準備をしておいたほうがいいな。


「それにしても……。だいぶ集まったな」

「持ち切れなくなってきたねぇ」


 星は最初はばれないようにポケットなどにしまっていたが、入りきらなくなるころにはすでに服とかそういうところにつけ始めた。

 星がアクセサリーみたいな感じになってるのは服につけるためだったか。こういう大量に手に入れるというのは想定済み。


 で、これが思ったより目立つ。

 星を奪い取ろうとやってくる輩もいるほどだった。


「でもこんだけあったらもう勝ちじゃない!?」

「いや……本来、この星を集めることは戦う必要とかねえんだ。むしろ戦って気絶したら奪われるし、気絶してる時間があったら探して持っていけるだろって言うことになるから……。それを理解してたらたくさん集めてこそこそ隠れてるやつとかいると思う」

「あ、そっか……。あくまで宝探しみたいなものだもんね」


 だからこそ、数を集めても少々の不安は残ってしまう。


「でももう終わりの時間でしょ? 奪ってくる人はいないって!」

「だといいけどな。油断はできねえんだよ。終わり際に盗んで取り返される前にタイムアップってのが一番博打としては確率が高い」

「あー……。でも終わった後でも盗めるんじゃない? 誰も見てないし……タイムアップになってから帰っても得点になるんでしょ?」

「それはできねえ。変な魔力を感じる。つかず離れずの距離に。見てんだよ先生か誰か」

「え、そうなの!?」


 魔道具かなんかで見てんのかな。俺らとつかず離れずの距離にずっと変な魔力がある。へきるのも感じるし、全員にそういう監視するための魔道具を作動しているんだろう。

 俺はその変な魔力を感じるところを指さし、あそことかお前の後ろの頭上とかにあることを教えておいた。


「なんも魔力感じない……」

「魔力感じないぎりぎりのところまで攻めてんだろ。集中させるために」

「あー……」


 監視してないと誰か気に入らないやつを殺して事故に偽装したりとかそういうことがあったのかもしれないな。


「見られてる以上、タイムアップが終わって盗まれても無効になんだろ。だからタイムアップ以降は気にしなくてもいいはずだ」

「んー、そうだね! じゃ、あとはこれを死守することだけを考えよーっ!」


 へきるは守りに転じた。

 俺も魔力探知の障壁を展開しておいて周囲を警戒する。今日だけでものすごく魔力を使っている。そろそろ底が見えてきそうだった。

 回復魔法を常時発動しているのも数回ぐらいあったし、やっと底が見えてきたってのが恐ろしいな。


「……ひよくんすごいダルそう。どしたの?」

「……そろそろ魔力が尽きる」

「え!? やばくない!?」

「警戒はしておく。戦闘は任せる」

「わかった! でもやっとひよくんの魔力が尽きるんだ」

「俺も初めての感覚だよ」


 あと数回、回復魔法を使う余裕はある。けれど、底が見えてきた。

 警戒はしながらも魔力の消費を抑えておく必要があるな。


 俺は少し魔力を抑える。

 その時だった。俺の背中に激痛が走った。


「やっと! 隙見せたなぁ!」


 と、男が俺の背中にナイフを突き刺していた。












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