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俺が聖女で勇者が幼馴染で  作者: 鳩胸 ぽっぽ
オルファラン同盟学校編
41/103

対聖ラファエロ王国勇者戦 ③

 へきると東は日和とみのりの戦いに巻き込まれないように距離をとって戦っていた。

 筋肉質の腕でがっしりと剣を握り締め振るう東。


 二人は相手のことを模索しながら戦っていた。


(異世界……地球から来た人ってことはチートスキルは持ってるはずだよね? 迂闊に攻めたらちょっと危険かな……)

(こいつ……チートは使わねえのか? 持ってるはずだ。アルスラン皇国のやつらも持っていた。例外はない……。なんだ? こいつのチートスキルは)


 お互いがお互いのチートスキルを思案している。

 相性というものもあり、相手のチートスキルがわからない以上、どちらも攻めあぐねていた。

 先に動いたのはへきるだった。


 へきるは瞬時に距離を詰める。


(ま、スキル発動する前に叩きのめしたら変わんないか)


 考えるのを一時やめ、戦いを終わらせるために武器を振るう。

 だがしかし、攻撃しようとした瞬間、へきるの身体はピクリとも動かなくなった。

 

「なに?」


 へきるは考える。十中八九、相手のスキルだということ。

 なぜ動かなくなった?と考えていると剣の峰が飛んでくる。

 横腹に当たったがあまりダメージはなかった。


(なんだ? こいつ、すげえ硬い……!?)


「まるで岩でも斬ったかってぐれえ手応えがねぇ。お前のチートは防御力向上か?」

「どうだろうね」

「その反応は違うな」


 東は少し考える。

 防御力の向上……は間違いない。死にはせずとも、怪我はさせるような力で攻撃はした。だが手応えがまるでない。

 ダメージもあまり入ってないように思える。


 防御力向上は本来のスキルに付随するものと断定まではできたが、それ以上がわからない。

 へきるもへきるで頭を悩ませていた。


(動きを止められた……。強制的に動きを止めるスキルかな。でも、最初からずっと使ってたらいいのに使ってないってことは制限時間があって、連発はきっとできない。クールタイムがあるはず。さっきの会話でクールタイムの時間は稼がれたのかな……。となるともっかい来る。発動条件がわかんない……)


 へきるは相手のスキルの発動条件を考えていた。

 相手の動きにおかしな動作はなかった。手を叩く、指を鳴らす行為はしていない。

 

(変な行動はしなくても日常的に行ってる行為だから変な動きはしないってことかな……)


 へきるの頭の回転は早かった。

 へきる自身は頭は良くない。けれども、へきるは戦闘に関しては天才的であった……!

 へきるは思念を巡らせ、結論に辿り着く。


「見られたら動き止められるのかな」


 正解であった。

 スキルの内容を当てられ、思わずフリーズした東。へきるはその隙を見逃すことはない。


「正解なんだ」

「しまっ……」


 へきるの剣が東の横腹をぶっ叩く。

 へきるの重い一撃に、東は口から血を吐き吹っ飛んでいった。


(重い……! 女の力とは思えねえほど一撃が重い……! 食らっただけで気絶しちまいそうだ……)


 東は踏ん張り、息を切らす。

 じんじんと痛む脇腹。咄嗟に魔力で壁を作ったが、それでも完全に力を緩衝することは出来ず、ダメージを負った。


(俺のスキルのタネに自力で辿り着きやがった……。動きを止めるまでわかっても見られたらってのは辿り着けねえだろ……!)

「お前……頭いいんだな……」

「よくないよ? いつもテスト赤点ギリギリだったし。でも、こういう時はよく頭回るんだ〜」

「…………」


 日和が魔法の天才というのなら、へきるは戦闘の天才だった。

 へきるは剣を構える。東は先ほどの一撃で心が折れかかっていた。


(俺はこいつのチートの種がわかってねぇ……! こんなに一撃が重いんだ……! それなりのもんだ……。なんだ? なんのスキルなんだ!?)


 へきるは瞬時に距離を詰めてきた。


(地面を力強く蹴って瞬間移動したかのように詰めてくる速さ……。人間離れした……)


「圧倒的なフィジカルの強化……?」

「正解。じゃ、歯ァ食いしばってね?」


 瞬間、東の頬に強烈なパンチが飛んでいく。

 東は吹き飛んで行き、日和の方まで吹っ飛んでいったのだった。


「へきる!? 勝ったのか?」

「もち! 勝ちました! ひよくんは?」

「俺も勝ったけど……。これ生きてるか?」

「回復魔法かけてあげて」

「はいはい……」











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