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俺が聖女で勇者が幼馴染で  作者: 鳩胸 ぽっぽ
オルファラン同盟学校編
35/103

女子寮案内 ①

 王都を出て二週間が経過し、やっと! やっと同盟学校についた。

 同盟学校はもう学校っていうより一つの学園都市として形成されているようで、中央にそびえたち大きな校舎の周りに、街が栄えている。

 商人の馬車が出入りしていたり、鍛冶屋をやっているおっちゃんもいる。


「ひろー……」

「同盟学校は全寮制なんだ。寮は2つあってな。男子寮と女子寮で分かれている。俺は男子寮だから案内はここまでだ。あとはカタリナに案内してもらってくれ」

「はーい」


 ハルト王子はそのまま男子寮へと向かっていった。

 女子寮にカタリナ様と一緒に向かっていく。女子寮も一つの学校ぐらいはあるんじゃないかというぐらい大きなものだった。

 女子寮の門をくぐり、玄関の扉を開ける。すると、ロビーで正座している4人の女性と、ガミガミ説教をしている中年の女性がいた。


「あら、おかえりなさいませ、カタリナ様……とそちらはつい先日連絡があったオルフェリート王国の勇者様と聖女様ですね」

「はい。彼女たちに寮の案内をハルト様から任されておりますの。申し訳ないのですが寮母様、自己紹介をしていただきたく……」

「構わないよ。よく来たね、二人とも。私はこの女子寮の寮母を務めてるアンリエッタ。アンさんって呼ばれてるからそっちでも構わないよ。寮の仕事は三つの国の寮長がやっているから、困ったことがあったらまず寮長に相談すること。オルフェリート王国はそこのカタリナがやってるよ」

「ええ。困ったことがあったらまず私に相談してくださいな」

「わかりましたー!」

「ただし、寮の備品や、部屋で何か壊れてしまったことは私に言うんだ。取り替えてあげるからね」


 寮の説明を受けて、アンリエッタさんから何か投げ渡された。


「勇者様と聖女様だ。伯爵と同じ扱いってわけにもいかないから、いいところを用意しておいたよ。そのカギにかかれている番号の部屋がお前さんたちの部屋さ」

「ありがとうございます!」


 鍵には404と書かれていた。不吉ー……。404号室っていう怪談話もあるぐらい割と嫌な部屋番号……。

 存在してるよな? 中に入ったら出られないとかそういうオチはないよな?


「カタリナ。案内しておやり」

「かしこまりました。さ、こちらへどうぞ」


 階段を上っていき、番号が書かれた部屋に入る。

 鍵を開けて、中に入るとめちゃくちゃ広い部屋だった。天蓋付きのベッドとか、ドレッサーとかいろいろ……。

 侍女用の小部屋もついているようで、俺たちは連れてないけど侍女の人もここに待機できるようだ。すげー……。

 俺が感嘆に浸っているとへきるがテンション高めでやってきた。


「ひよくん! 王城とあんま変わんない!」

「至れり尽くせりすぎるだろこの世界。マジでこんな部屋いいの? 俺別に使ってない埃被った部屋とかでも十分いいんだけど」

「お二方は本来、元の世界で普段と同じような営みをなさっていたはずのところを、こちらの世界の都合で呼んでしまったのです。王国としては罪滅ぼしのつもりなのですわ」

「もう十分に滅んでるような気もするけど……」

「ま、いいじゃん! ありがたく享受させてもらおーよ!」

「そう、だな……」

「お風呂などはそれぞれ各自の部屋についておりますが、好きな方は街の浴場であったり下にある大浴場にも向かったりしますの。お好みでどうぞ」

「オッケー!」


 風呂も個室についてるとは……。

 いろいろと申し訳なくなってくるな。VIP待遇にもほどがあると思う。ちょっと至れり尽くせりすぎて逆に怖いよ。


「さて、次は食堂に案内させてもらいますわ。食堂は1階にありますの。ただ、遠いので、部屋にもってきてもらうことも可能です。持ってきてもらいたい場合はそこの壁にかかっている魔道ベルを鳴らしてくださいませ」

「あ、これか」

「鳴らすなよ?」

「……一回だけ」

「何の用事もないのに鳴らしたらあっち困るだろ」

「いえ、食事の時間は決められておりまして、その時間帯以外鳴らしても来ませんわ」

「あ、そーなの……」

「ただいまは食事の時間ですのでどちらにせよダメですわ」

「だそうだ。やめろよ」


 こいつ鳴らしたくてうずうずしてやがる。案内してくれるっつってんだからまだ食事は我慢だ。どうせこの後食堂行くんだぞ。












 

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