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俺が聖女で勇者が幼馴染で  作者: 鳩胸 ぽっぽ
オルフェリート王国召喚編
24/103

初代勇者って…

 壬午たちを引き連れて、王都の町へと繰り出していく。

 王都の人口は割と多いほうではあるけれど、日本の東京と比べるとやはり東京のほうが人が多いと実感できるくらいにはまだ歩きやすい町だった。

 

「なんかすごいファンタジーって感じ!」

「俺ら異世界に来ちまったんだなァ……」

「そういや俺らが飛ばされた後どうなったんだよ。お前俺らより後に来たんだろ?」

「あー……騒ぎになってたぜ。俺が壁に吸い込まれたとか言っても信じてもらえなかったしよ……。まぁ、信じてもらえるわけない話なんだが。でも行方不明扱いになって捜索願出されてた。俺は必死に伝えようとしてたけど頭のおかしいやつ扱いされたよ」


 大変な目に会ったようだ。

 まぁ……俺が当事者じゃなかったら壁に吸い込まれたなんて話信じないと思う。俺らってそういう非現実的なことが起きるとは思ってないしな……。

 むしろ、異世界召喚ってあんなふうにされんのかって驚いた。普通、足元に魔法陣浮かび上がるもんだと。それに、俺らがあれに気づかなかったら召喚は果たしてされてたのかと。


「ひよくん、なんか王都の町変じゃない?」

「変? あー、まぁ、なんかいつもと光景違うな」

「そうなの?」

「こんなキラキラしてないよー! それになんか町の人鎧着てない?」

「道行く人みんな白い鎧着てるな」

「なんかあるのかな」


 なんかあるのかな。本当に。

 俺はとりあえずそこにいた果物屋の店主に聞いてみることにした。


「すんません、みんな白い鎧着てるんですけどなにかあるんですか?」

「ああ、そろそろ勇者祭の季節だからよ!」

「勇者生誕祭?」

「この世界に勇者が召喚され、魔王が討ち取られた記念日さ! 世界が平和になった記念日。みーんな初代勇者の格好をして楽しむのが通例なんだ」

「へぇ……!」

「お嬢ちゃんたちも格好をしたいなら防具屋にいけばたくさん置いてあるぞ。勇者の白い鎧は縁起物として飾られるんだ」


 ということだった。

 へきるが買いたいという顔をしていたので、防具屋の場所を聞いてそこに向かうことにした。宇和島も壬午も祭りという単語に反応し、楽しむ気満々でいる。

 勇者祭か。それが近いんならへきるにはその祭りでなにか役割があるんじゃないか? 仮にもこの国に召喚された勇者だしな。


 防具屋について、中に入ると白い鎧がずらーっと並べられてあった。大人用から子供用まで幅広い年齢に対応したサイズがある。

 鉄でできているから少し重いけれど、軽量化も考えられているのか見た目よりはあまり重くない。


「Sサイズで入るんだもんなぁ……。ロリ体形……」

「Lサイズだったもんねぇいっつもひよくんは。すいませーん! 鎧くださーい!」

「あいよー! その四つ購入するかい?」

「はい!」


 白い鎧を購入し、着用しながら街を歩くことにした。

 

「そんな暑くないねぇ。快適快適」

「通気性が考えられてるからそこまで蒸れないな」

「ま、ちょっと重いけどな」

「でも思ったより重くなくていいね!」


 ちょっと丈夫そうだしな。

 

「あーっ!」


 へきるが声を上げる。

 へきるが走って向かった先は武器屋だった。


「勇者の剣だって!」

「これが?」


 武器屋に置いてあったたくさんの勇者の剣。

 柄の部分にはなにか文字が書かれており、日本語で”名刀パイ〇ン丸”と口には出せないようなエロの名前が彫ってあった。

 意味が分かってしまった俺と壬午は思い切り目を逸らすが、無知なへきるはどういう意味だろーってほざいてるし、宇和島は顔を赤くしていた。


「初代勇者ってろくでもねえな……」

「だな……」

「ねぇ、ひよくん! 買ってこー! この名刀パイ」

「帰るぞへきる! それ以上言うな!」

「えー!? すいませーん、これ」

「買うなそんなもん!」


 異世界じゃそういう名前知られてないのか。悪質だろ! これ異世界人に対する罠丸出しじゃねえか!











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― 新着の感想 ―
[一言] その名刀の名は口にしてはいけない。 もし、口にしたのならば状況によっては、社会的に死ぬと言われている。その名は――
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