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俺が聖女で勇者が幼馴染で  作者: 鳩胸 ぽっぽ
オルフェリート王国召喚編
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へきるのチートスキル

 へきるがチートスキルを知りたいと言って数日後。


「魔力量も並み、身体能力も人よりはいい程度……あれ、私の取り柄ってなんなのカナ……?」


 自我を失い始めた。

 人間は欲望の塊とはよく言うが、へきるはもう執着が過ぎる。チートスキルがそんなに大事なのかと聞いてみたら「異世界=チートはメジャー! チートない異世界なんて大根のないおでんと同じ!」っていう回答がきた。

 チートを大根と同じにするなよ。


「もうなくてもいいんじゃないの? 十分強いし」

「いーやーだー! 無敵チートスキルで悠々自適と異世界スローライフを送りたいのー!」

「すげえ我儘」


 そもそも今ですら王城に住まわせてもらってるから割と快適だし、この世界は平和だからチートスキルがあっても持て余すだけだと思うんだけど。

 みつと文吾は宿を取り、冒険者登録をして冒険者をしてる。チートスキルを活かすんなら戦う職業とかにつくくらいだろうけど、こいつそういうのしなさそうだしな。


「ひよくん! 思いつくチートスキルは!?」

「え? チートスキル? ……アイテムボックスとか?」

「メジャーすぎる! ダメ! なってない!」

「えぇ……」


 アイテムボックスとかあれば買い物とかしても手がふさがらないからいいと思うんだが。


「じゃあ、ステータスオープン?」

「前試して出来なかったじゃん!」

「あ、たしかに」


 そういやそうだったな。

 あとは思いつくチートか。


「へきるってどこにいたんだ? 俺は森の中に飛ばされてたが」

「え、最初から王城に飛ばされたけど」

「マジ?」

「それがなんか関係あるの?」

「いや、チートってスキルだけじゃないよなって思ってさ。チートっていや武器の線も……」

「ああ、近くに何か剣みたいなの落ちてなかったかってこと! なかった……」

「なら話終わりじゃね?」

「ひよくん諦めないでーーーー!」


 それにしてもこいつは最初から王城スタートかよ。

 俺なんか森の中からスタートして蜘蛛の化け物に襲われて命の危機を感じたってのに何だこの格差は。


「もう私はダメな人間として生きていくんだぁ~……。チートスキルほしいのにぃ……」

「俺と文吾、みつがあってへきるだけないってのもおかしい話ではあるよな」


 となると、まだ試していないものなのだろうか。

 大方試してみたけどな。携帯小説投稿サイトに投稿されてるチートスキルで無双物の題材になるスキルは。

 再生、破壊、∞の魔力、全属性魔法……。支援魔法にアイテムボックス等々。

 全部的はずれ。こいつのチートスキルはなんなんだ。


 俺が考えていると、部屋がノックされたのだった。


「ヒヨリ様!」

「ん、どうかしましたか?」

「王都近くの村で大規模な火災がありまして……。負傷者が多数出ており……その、回復魔法をかけていただきたいと……」

「わかりました。着替えます!」


 とりあえず考えるのはあとだ!

 俺は俺の仕事を全うしなくちゃ。村で大規模な火災……。俺は聖女の服に着替え、急いで現場へと向かう。

 へきるも勇者の服に着替えていたが戦いじゃないからへきるは……。拒否している時間ももったいない。


 俺はすぐに馬車に乗り込み、現場へと向かう。

 その村に近づいていくと、ものすごい炎が立ち込めていた。激しく燃え盛っている家屋。村の家が全部燃えている……?

 逃げ惑う人々。報告があってすぐに来たが、まだ消火には至っていない。


「聖女様! 聖女様が来てくださった!」

「来ましたから! とりあえずケガの具合が軽いものはあとで治します! 重傷者をこちらへ!」

 

 崩落事故に火災……。災害が続くなぁ。











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― 新着の感想 ―
[一言] 非常に強力な力を持って生まれ変わることが本当に良いことなのかと常々思っていますが、フィクションや夢の事実を無視して現実的に考えてしまうと、私たちもその力を恐れる人々の標的になってしまいます。…
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