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俺が聖女で勇者が幼馴染で  作者: 鳩胸 ぽっぽ
オルフェリート王国召喚編
12/103

公の服

 へきるの鍛錬も終わり、俺たちは部屋に戻ることにした。

 部屋に戻ると、侍女の人たちがなにやら服を広げていた。


「なんですかそれ?」

「これはお二方の公の場で着るための服となります。勇者であるへきる様はこちらで」

「聖女であるヒヨリ様はこちらを」


 と、渡されたのは今の俺の身丈にあったような白を基調としたシスターの服。前には十字架のようなデザインが施されていて、なんつーか気品に溢れているデザイン。


「公の場……?」

「これから出ることもあるかと思いますので、用意して差し上げろと国王様の指示です。王城で開かれるパーティや貴族が開かれる夜会ではこのような衣装が必要ですので、製作いたしました」

「なるほどぉ……。着てみてもいいですか?」

「かしこまりました。試着のお手伝いをいたします」

「へきるの勇者服か。似合うかな?

「ヒヨリ様もこちらへ」

「えっ、俺も着るの?」

「ええ。一度ご試着くださいませ」


 えぇ……。

 まぁ逆らってもあれなので俺はしぶしぶ試着することにした。今着ている女性用の服もやっと慣れたってのにこういうシスターの服はあまり慣れない。

 ただ……現実の修道服って髪をまとめて頭巾をかぶり、その上からベールをかぶるんだが、聖女の服はカチューシャにちょっとだけ白い十字架があしらわれてるデザインで、それをつければいいらしい。

 服を着せられ、ロザリオを付けられる。これで聖女の服の着用が終わりらしい。意外と早い。


「終わりました。お似合いですよ聖女様」

「お似合いって言われてもあんまうれし……何この美少女、可愛いっ!」


 鏡を見せられたらちょっとかわいかった。こんな可愛い服装に自分のロリ体形が合わさって本当にそういう可愛さがあった。

 くそう。本当にかわいいなオイ。自分じゃなきゃちょっと女の好み変わってたかもしれないぐらい美少女だ……。もともとはそこまでかっこよくもなかった男の子だったんですけどね。


 俺が俺に見惚れているとへきるのほうも試着が終わったようだった。

 へきるはところどころ勇者の鎧をモチーフにしたように、少し動きづらい鎧みたいな服だった。けどそれも女の子用に可愛くアレンジされていて、めっちゃ可愛くデザインされている。

 可愛いデザインとへきるは相性がよく、衣装のかわいさも相まってへきるの可愛さがもっと可愛くなっていた。


「どーよひよくん! 似合うかな!?」

「似合ってる。可愛いよ」

「キャーッ! でっしょー!? これかわいーよね! こういうの着て公の場に行けるんならめちゃくちゃいいよ!」

「それはそれは何よりでございます。お二方の好みを反映し作成いたしました」

「俺らの好み?」

「はい。少しばかり観察させていただき、お二方の性格を鑑みて、こういうのが似合い、こういうのが好きそうというのを反映いたしました。好みに合ったようで何よりでございます」


 そういうことできるんだ……。それはそれですごくないか。


「公の場は息が詰まりますから、少しでも自分の好みのものがあったほうが気がまぎれるかと思います」

「まぎれるまぎれる! ありがとうロッテンさん!」

「侍女として当然のことをしたまでであります。また、聖女様は以前の崩落事故のような事故現場に向かう可能性もありますので、そちらに向かう場合はその衣装をぜひ着用し向かってください」

「これをわざわざ?」

「はい。聖女の証となり、見ただけで少しは安心させられるかと思います」

「あー」


 なるほど。

 こういう服装だから自分が聖女だってわかりやすい。だからこそ見ただけで安心感を得られるってことか。

 服装って意外と大事だからこれは従っておくか。このシスター服はめちゃくちゃ動きやすいし現場でもものすごく動けそう。


「わかりました」


 聖女か。この服が聖女の証、か。

 なんつーか、気が引き締まる感じがする。










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