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#Ⅱ:神様って、いると信じてる?(下)

 何も聞こえない、何もわからない……けれど、けれど、何かが私の手を握っているを感じる。

 静かに目を開けると、白い空間に、白い天井に、白い壁に……


「おねえちゃん!!」


 ふと、手に降れる感触を見ると、妹がそこにいた。


「えっ?って、隠れてなきゃ……って、ここは?」

「わかんない……」


 妹から詳しく聞くと、魔力禍といえる物を感じたから、わたしに何かあったんだろうと思って隠れるのをやめて探しに来た時、わたしを連れて行こうとする相手から、助けようとしたら一緒につかまって、ここに連れてこられたと。


「ワタシたち、どうなるの?」

「わからない……わからないけど……悪いようにはならないって、思う……なんとなくだけど」

「なんで……?」


 擦り傷や切り傷など、逃げる時に負っていた物が全てなくなっている。

 それに、この部屋の魔力の感じは、居心地が良いし、温かいし、まるで慈愛に満ち溢れている様な感じさえする。



「#GA0#B*Z~=_」


 大きな部屋の扉から、誰かが現れる。

 何を言っているか、わからないが、その魔力の質は、私たちを敵対する気配を感じられない。

 むしろ、温かく包みくるむかのような、優しく、まるで上位の存在のソレであったから。 


「お姉ちゃん……」

「大丈夫よ……"併せ"を」

「う、うん……」


 私たちの種族にある、言葉を知る為の相手との併せを行う。

 何を伝えようとしてくるのか、それを理解するためにだ。

 狂獣にも行ったけれど、"食う"や"喰らう"としか返ってこなかった……再び、そんな恐怖が蘇る。


 "安心していい。T-レックスはもういないよ"


 T-レックスというのが何なのかはよくわからないけれど、優しくそう語りかけてくる存在に、包み込まれる優しい"モノ"に……涙を零していた。

 そして、ふと思い出した。



────試練を乗り切った時、その目の前には神は現れる

────慈愛と感じる優しき"モノ"と共に現れ、われらを導いてくれるだろう



 伝え聞いていた伝承を思い出した。

 まるで、この時、この状況を表すかのように……



「お姉ちゃん?」

「降臨されたのですね……導きの女神様……」

「えっ?あの方が、女神様……?やっと、やっと助かるの?」

「ええ、そうよ?私たちは、この女神様に出会うために、その命があったのよ……」

「な、なら、おとーさんと、おかーさんも……助かるの?」

「えぇ、えぇ、きっとそう、そうなるでしょう」

「よかった・・・よかったよぉぉぉ」




 妹と二人、この女神様に会えた奇跡に感謝で泣きだしてしまった。





───────────────


 あかん、こういう涙ボロボロ流されてる、お涙頂戴モノってのはあかんねん。

 中身おいちゃんだと、こういうの弱いねん。



 優しく妖精さんたちを抱きしめては、あやしてしまうねん。



「もう、大丈夫、大丈夫だからね」



 なんかね、姪っ子の面倒みてるぐらいカワイイすぎてね、犯罪者にすらなりそ……いや、なったらダメだな。


 ただ、あやしてる時に、こちらの服をつかんで何かを訴えてきていたのは解った。

 訴えてきているのはわかったのだが、いかんせん、何を言っているのかが、わからないというか、何語なん?それ。という始末です。


 しばらく、問答を繰り返して、こちらが理解していないのがわかったのか、今度はボディーランゲージで訴えてきたのだが、えーっと、何だこの、お遊戯みたいなの、すっごく微笑ましく見てしまう。


 まぁ、なんとなーく妖精さんたちが困っているってことは、わかった。

 そう、妖精さん《《たち》》である。



 つまり、もっと存在しているであろうと推測する。



 するってーことはだ、あの"T-レックス"もどきの奴、こんなカワイイ妖精さんたちを"いぢめている"とかあるのかね?あるのだろう。



 なるほど。



 なるほど……



 ……




 《ゆ゛る゛さ゛ん゛!!》(某太陽の子声)


 こうしてはおれない。

 善は急げとも言うだろうから、速攻で外に出てはTーレックスもどきのトカゲたちを〆てくることにした。


 そして、一匹、一匹に"てめぇら、よそのシマはしらねーが、うちのシマで妖精さんたちに手出しすんじゃねーぞ?!アァン?"と、睨み(ガン飛ばし)と魔力(?)みたいなのを強く飛ばしておいた。


 なにせ、あいつら魔力(?)でサーチしたとたん、大小さまざまに、このアジト周辺にも蠅や蚊の様にわんさかわいていたので、もうね、ぶっとばし(おはなし)しまくりですわ。


 というか、以前、そんなに出会うことなかったというか、いなかったというか?いつのまに増えた?



 まぁ、そういう何やかやあっては、元・妖精さん《たち》を保護する事になりもうした。



 ただ、(マド)(ハンド)レベルで「なかまをよんだ」という奴を経験することになったが……





 前世自分、「しかし、だれもこなかった」経験を思い出させないでくれ……


───────────────


 私たち、妖魔族は「我が"主"」に出会えることになった。



 当初、一部の者たちは、我が"主"を信じられないという事で、疑心を抱いていた。



 そこで、老の一人が"伝承の通りならば、契約の儀を執り行う事で、私たちの種族は、上位の存在へと至るはず……"と口にした。

 だが、"それが違えば、その身は"モノ"へと還元され、消えさっていく"とも。


 誰もが、自分という存在が消えるのが怖い。


 立候補する者は当初、だれもいなかった。

 けれど、ワタシは、ようやく訪れた主の降臨を否定することが、もっと怖かった。


 だから……


「私が行います」

「お姉ちゃん!?」


 私は、確信を得ている。

 なにしろ、我が主は、わたしのキズを無かったものにする程のお力をお持ちなのだから。

 そうして、ワタシは契約の儀に赴く。


「大丈夫。大丈夫だからね」


 我が主の温かい"モノ"が、内包している私の"モノ"と混ざり合う。

 その"モノ"……いえ、正確に言えば、主との神力と私の"モノ"が絡み合い、ワタシという存在が、違う存在へと、階位を超えていくのを感じる……



 あぁ……とても慈悲深く、慈愛に満ちているというのに……



 目を開けると、妹が小さく……違う、私が大きくなったとわかった。

 それよりも、我が主よりも高い視線になっていた事に恐れを抱き、すぐに地へと首を垂れる。


 身体が大きくなってしまったものの、背中の羽根が消えて……いえ、羽根じゃなく、翼になっている?


「おぉ、おおぉぉ……伝承は、本当だった……」

「「「おぉぉ……」」」


 それからは、みんな、我が主と契約の儀を執り行った。

 みんながみんな、大きくなった姿となっていった。

 翼は出したりできるようになったため、この神域にいる時は仕舞う事にしている。


 一通り、契約の儀が終わった後、私たち一族は"我が主(神)"に仕える身とし、御使いとしての役目を果たそうと決めた日でもあった。


 そして我が主は、自身にも"神力"を使い、逞しい程に変わられた。


 ただ、御身の胸元を触れながら「バスト……バルク……バスト……」や「悲しみのサイド・チェストゥ」と涙声で呟いておられましたが、何を意味していたのかは、誰もが解りかねていた。





 もしかして、私たちへの挨拶だったのかもしれない……のでしょうか?


 とりあえず、ここまで。


 なお、目的として「バスト……バルク……バスト……」というシーンを書きたかっただけである。



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