#二:ファンタジー!ふぁんたじー!(ヤケクソ
ファンタジー力(仮称)
魔力的なナニかを超濃縮凝縮すると、ポンッって感じで変化した奴。
自分で確かめて、解っている事といえば……
魔力的な行使が行える。
回復や再生もできる。
物質変化や再構成も行える。
という、万能とも言い過ぎるナニかこう、ファンタジーなソレ。
自分としては、コレの本質は「物質変化ではなかろうか」という仮説を立ててもいた。
回復や再生などだって、そういう物質変化の一環だと思えば説明はつくと思ってはいたけれど、目の前のサグアが出している「炎」という事で、ちょっとその仮説がおかしいとも思い始めた。
色々と検証していくと、白色の炎が出せれるサグアの能力は、白い炎を基軸に色の変化を伴うことができると判明。
例えば、うっすらと青とか赤とかだせちゃっえます。
これは、炎色反応でそういう風にと思っていたのですが、試しに青っぽい色い炎に指を突っ込んでみると、
「なっ、何をなされるのですか?!」
「うーん、熱くない、むしろ冷たい?」
という、炎の様な物であり、炎でないという訳が分からない結果になった。
青い炎っていったら温度的には高いわけで、さらに言えば、火って燃焼反応だろ?それは、急激な酸化反応のことで……あぁ、もう、自分の思っていた前提が、おもいっくそ覆ってる。
そうして、訳がわからない現象に頭を悩ませた時……ふと、脳裏によぎった物があった。
それは「これは、ファンタジーだから何でもOK」という、茹でた卵理論のごとく、ファンタジーは何でも解決する理論というもの……つまりは、
ラーマは考えるのを辞めた。
もういいや、それでいいんだと。
16年、この世界で生き抜いてきたのは伊達てではないのだよ!
物理法則無視して殴ってくるファンタジー世界だったからな!!(もう、ヤケクソ
という事で、他にも自分と同じような物質変化的な事ができないかと検証してもらいました。
ですが、炎みたいな物を出す事だけで、魔法的な事と回復・治癒みたいなものだけです。
というか、白い炎が万能すぎて、他は色的な特徴?が強い傾向があるという事がわかったぐらいです。
例えば、青色だったら水滴通すと凍ったりとかで瞬間冷凍してる時点で、熱エネルギーと熱移動はどうなったんだよという事に、これはこれで別の意味で首を傾げたけれども、「ファンタジー!ふぁんたじー!」(思考放棄)としました。
まぁ、当のサグア本人といえば「"我が主"の力を使わせて頂けて、よろしかったのでしょうか?」と、嬉しいやら、困惑やら、感激やら、畏れ多いやらの感情の起伏が激しすぎていたりで百面相してましたが。
* * *
と、そんなこんなで、サグアが今まで使えなかったファンタジー力を使いこなす修行を兼ねも含めてゆっくりと旅をする形で進んでもおりました。
そして、大小の宿場町を過ぎては、ようやくとなりの領地の大きな街に到着する前の大渋滞だったわけで……
ようやく流れができ始めて順番がきたので、さっそく入街手続きをしにいこうではありませんか。
「先ほどの騎士様ですね。お手数をおかけして申し訳ありません。ですが、大変ありがうございました。入街手続きですね?確認ですが、犯罪等は……してはおられないですよね?」
「貴殿は白騎士様が罪を犯すとでも言うのか?」
「いえ、そういう訳では……ん、そちらは亜人?」
サグアが亜人とわかったとたん、いぶかし気な視線を投げかけてきたが…片腕でサグアを制し、
「"私の従者が失礼した。後で言っておく"」
「そうしてください。亜人の犯罪は、持ち主にも罰が下る時がありますので」
「私が、白騎士様の名を穢すと仰るのですか?」
「"サグア"」
「は、はい……」
「"彼は職務を全うしているだけだ。すまない、いつもはこういう事をいう者では無いのだが……"」
いや、ほんとに、素直すぎるのに、自分が絡むとどうも感情豊かになるの何とかなりませんかね……
困った顔をしている衛士に、再び圧をかけようとしていたが、それを戒めると、シュンとしては大人しくなった姿に、衛士は乾いた笑いで返していた。
「あはははは……本当に気を付けてくださいね。では、最後にコレに触れてください。はい、結構です。確認は終わりです。入街税をお願いします」
「"ああ、わかった"」
最後に、よくありそうな水晶玉に触れてから、道中で稼いだ銀貨を支払っては街へと入ります。
さて、新たな街への第一歩です!
* * *
そこは、いままで通ってきた村や町と違い、たしかに街といえる賑わいを見せていた。
地元の領都に近い賑わいとでもいうのでしょうか。
ただ、それに比例して、視界の隅っことかに入ってくる、その、ね?
首輪付きの人たちがいたりするのが、多くなってきているのは、もう慣れるしかないんだろうなと。
「"さて、路銀も寂しくなってきたから、何か仕事を行うか"」
「でしたら、日雇いならばいつもの労働者組合でしょうか?ある程度の長期ならば、傭兵組合もありましたし、冒険者組合などもそれに該当するかと思われますが」
「"そうだな"」
異世界あるあるだと、ここは冒険者組合なんだろうけど、長期的な仕事だったりもあるので、それはそれで、そこまでいる気もない。
傭兵組合も同様で、結局は中・長期スパンの契約となる。
となれば、選べれる選択肢も多くない。
となると、単純かつアッサリと解決できる方法を選択すれば、おのずと答えは導かれ……
「"よし、商業組合にいって納品で済ますぞ"」
「わかりました」
だからこそ、これぐらい大きな街なら存在するであろう、そういう組合へ向かうのである。
なぜなら"物質変化の能力を使わざるを得ない!"からの、ちょちょいと納品してオシマイという算段です。
さすがに硬貨とか、レアメタルとかはやらないけどね。
アシがついて厄介ごとが来たらメンドイから。
サグアの(エロい)衣装をどう(エロさ)表現するか思いつかなかったので書かなかった。
読み手各人の脳内で補完してください。
例:肌露出多め系とか・ピッチリ系とか・チラ見せ系とか・などなど
なお、名誉の為、衛士さんの視線が某所で止まった事は本文では書かない。