#捌:E?u+1,io*-.
そもそも「本気の本気」とはいったい?
それよりも、やはり、白い羽根が2対もあると、神々しい姿……
のはずなんだけど、上半身がマチョってると"何か違う"という違和感がぬぐえないのは気のせいではないはず。
「どうやら、魔法的なものは、その"鎧"が無効化するらしいわね。なら、今度はこっちでどうかしら?」
いいえ違います。
ファンタジー力のシールドのせいです。
そんな事を言いたくなった瞬間、オカマ・オネエが消えた。
正確に言えば、消えたというか"超スピードで消えたように見せかけられた"という感じの、そんな動きで接近してきたというのが正しい。
正しいんだろうけど……
その放たれる右腕のストレートを、当たり前ともいえる流す動作で軌道をそらして躱せれます。
それに伴って、反撃するチャンスというか、そういうのはあるんですが、ね。
なんというか、そういうスキがありすぎて困惑する。
これ、カーチャンの手抜き指導の時より酷い。
トーチャン日課の身体を温めるだけの素振りの動きにすら達してない。
もっといえば、上の兄者が義姉上様にデレデレになって、闇雲に剣を振り回してる速度と同等ぐらい?
という、そんな速度です。
なんといえばいいか、身体の動かし方と動き方を理解してない人の動きとでも言うのかな。
さらにいえば、あんな大見得を切ったにもかかわず、結果がコレだっとか、正直、困惑するしかないじゃないか。
「なっ?!」
躱してはオカマ・オネエは驚いている感じだけれど、そういう速度を毎日経験してたら、呆れを通り越してしまって、どう対処したらいいかわからなくもなる。
というか、何とも言えないなさに
「"これが、本気の本気という奴なのか?"」
「い、言わせておけば……!」
あ、口にだしてしまった。
えーっと、煽る気はサラサラなかったんですけれども、やっぱり怒らしてしまったのか、徒手空拳による攻防が繰り返される事になった。
ただ、正面から受けとめる程でもない内容ばかりで受け流しスルーをしては……
「逃げるんじゃ、ないわよっ!!」
「ひ、ひぃ」
おっと、後ろに強い衝撃波が行ったらしい、女の子が悲鳴を上げてしもうた。
一応、あたらない様にはやってたんだけど……相手が何か我武者羅突撃してきてくれたせいである。
オカマ・オネエが力をコントロール出来きれないのは、まだまだ未熟な証なんだろうかね。
そもそも、こんな元部屋だった所で、むちゃくちゃに接近戦したら、そりゃ危ないよね。
それに、柔らかさを教えてくれたお方には、傷なんてつけさせられないよ。(使命感
「"大丈夫だ。安心して"」
そう伝えては、とりあえずオカマ・オネエを誘導するように移動しておく。
「余裕ぶっているのも、いまのうちよ!」
よし、これで少しは離れたので、これで大丈夫でしょ、たぶん。
うん……挙動が無茶苦茶すぎな相手で、よくわからんけど。
「へぇ……同じ亜人を気に掛ける余裕があるのね?いいわ、その余裕を無くしてあ・げ・る」
オカマ・オネエは、そんな事を言いだして、なんか気?みたいなので、身体の周りを白いオーラの様なモノを纏いだした。
「女士!ここでの戦いは辞めていた・・・だき・・・」
突然、天井の穴から声が聞こえてきたと思えば、オカマオネエの人にらみで、覗き見で声を荒げていた男性は、何も言えなくなっていた。
そりゃぁねぇ、まとっていたオーラが身体の中に引っこんだかと思えば、身体全体が黄金色なマチョになっては光り輝きだしては躍動しはじめてきて、なんというか、異次元のマチョさになっていた。
それに加えて2対の羽根と、パンイチときている。
いや、その、パンイチへの変化はどうかと思いますが……
けれど、これはアレだよね。奥の手って奴。
つまり、この奥の手を受け止めていくのが悪役ムーヴだよね、たぶん。
なら、少しは悪役ムーブをしてみますか。
「"さて、準備は整ったか?"」
「ええ、そうね。お待たせして悪かったわ」
「"そうか、(やわらか感触忘れたくない右手を使いたくないから)私は左手ひとつでいいだろう"」
そう、右手は大切な思い出があるので使わない。
この思い出は、しばらく大事にしておきたいので。
「……舐められたものね。じゃぁ、そろそろ消えて頂戴!」
今度も超スピード、今度はカーチャンのまじめな指導レベルで直線的に襲い掛かってきた。
ので、その通過場所に、左手で作った握りこぶしを置いておく。
ほんの刹那よりも短い時間の前、本能だけで動いている魔蟲にすら反応させない時間で。
するとどうでしょうか。
「グベラッ!」
その突き出した拳へと、自ら突っ込んできてくれます。
そして、さらに自分が"意味がわかりません。"と困惑します。
大丈夫なん?この人……
これ、うちのカーチャンが得意でさ、意識はそのままに認識を分散させて対処しないと、速攻でゲンコツが落下してくるレベルな修行の奴なんですけど、本当に大丈夫なのでしょうか。
それに、これぐらいよけて対応しないと、魔蟲のマンティス君の無気配、無殺気のシザーズハンドくらっちゃうよ?
というか、オカマ・オネエは、その速度が殺せないまま、そのまま奥の方へ転がっていった。
大丈夫かな?あ、起き上がった!意外と頑丈だな!
「う、嘘よ、うそよ!ウソよ、嘘よ!!こんな化け物が、こんな辺鄙な田舎にいるなんて!!!蛮野亜人の癖に!!亜人の癖に!!!!」
結構なお怒りですけど、その口から鼻からこぼれ出ていた血痕をふき取っては、なんか悪態をついていた。
だが、その悪態が急に冷静になっていたのが、何か不気味だった。
「蛮野亜人……?ふひ、フヒヒヒヒヒ、そうか、そうね……献上する必要は無いわよね、緊急事態だし、ワタシが使っちゃってもいいわよね、化け物退治ですものね……フヒヒヒヒヒ」
そう言って、再び消える様に移動したかと思えば、豊満な双丘の女の子の所に現れた。
豊満な双丘の女の子から、オカマ・オネエの腕を生やして。
脈打つ肉塊も見えたけど、すぐにオカマ・オネエの中に吸い込まれるように消えて……
えっ?あれって、心……エッ?
「喜びなさい男爵!あなたは素晴らしい贄を準備してくれたわ!コレ、純血種よ!!やったわ!!大当たりよ!!アーハハハハハハ!」
えっ?はっ?アエッ?
……
投げ捨てるかのように、女の子を捨て去っては、トテモ ヨロコンデイタ
オカマ・オネエは気分が高揚しているようで、背中の羽根が4対に増えてイタケレド……
モウ、ソンナコトハ、ドウデモイイ ──
"E?u+1,io*-. ?-+[-!!i i* *o[- di Dio"
とりあえず、強キャラで余裕みたいなのを書きたかったので書いた。