#漆:ムーヴ
ちょっと追記と(固有名詞そのままは不味いかと思い)修正(2/27)
「あら?これに耐えれるの?へぇ……」
ちょちょちょちょちょーーー!
いきなり何してくれんすか?!オカマオネエ!!
あれか?オカマは強キャラという奴だったと知らしめてくれてるのか!?
いきなりすぎて、焦ったじゃないか!!
まわり見てみろよ!自分の周辺以外が、クレーターの様に削られて消し飛んだぞ?!
というか、本当にビックリだよ!!いきなりすぎて自分も吹っ飛ばされるし!
あと【はじめまして、そして、さようなら】を本当にしてくる存在がいるなんて思わなかったわ!
とっさに"ファンタジー力"神拳のバリア的な領域を作ってガードしちまったじゃないですか!
「あらあら、ワタシの力それほどまでに手を抜きすぎたかしら?それとも、その"鎧"のおかげかしら?」
いえ、違います。
ファンタジー力のせいだと思います。
「まぁ、それは後でいいとして、もう少し試したいので、耐えてみせて頂戴ね?」
そんな言葉と一緒に、ふたたびブッパしてきましたが、今度は衝撃波的な何か?ですか?
うーん、冷静に観察してみれば、その魔力量濃度だと、ファンタジー力シールドの二重には、ほぼ効かないと思いますけど?
オカマオネエが放った風の刃みたいなのは、ファンタジー力シールドにふれるとそこだけ消え去った。
ほら、やっぱり効かなかったよ。
それ、魔蟲の巨大カマキリ野郎の方が凶悪ですよ?なにしろ、シールド四重以上じゃないとサックリと斬られるんですよね、あれ。厄介この上ないと思う。
それよりも、周りの被害がさらに酷くなっていますが良いのでしょうか?
吹っ飛ばされた先々もそうですが、最初の小屋だったものが、もう跡形もなくなって、原型すらないんですが。
「へぇ……まだまだいくわよ?どこまで耐えてくれるかしら?」
こんどは、氷に雷に土の刺にと、もう色々と降り注いできます。
いや、この状況はどうしろと?今度は下手に身動きすらできないんですが。
というか、あまりの出来事が怒涛に流れてしまって、RPG的に言えば、これは強制イベントという奴だな?と。
なにせ、強キャラなオネエが出てきてるし、なんか戦闘に入ってるし。
RPGに詳しい自分にとっては、これは強制イベントという奴で間違いないと確信はしたのだが、どう動いたらいいかてんで思いつかない。
そんな間に、オネエは空に向かって何かを打ち上げては、上から下へと腕を振り下ろしては、空からは光の柱みたいなのがきたりとか、何かとんでもなく周りの被害が拡大していってる状況になってきております。
ただ、なんというかファンタジー力を、ついつい四重にしてしまった後だと、まったく影響がおきないってのは、その……ね?頑張って?
というか、ここにきて気づく。
これ、もしかして、自分が悪役ポジの強制敗北イベントなのか?そうなのか?と。
うーん……とりあえずは、相手がおちつくまでは好きにやらせとくかと、手持ち無沙汰を解消すべく、ファンタジー力シールドを八重、十六重、三十二重と、倍々にして時間を持て余しておきます。
新たな倍増ができるかもしれないので、試すだけ試していこうかと。
というか、いつの間にか他の倉庫小屋みたいなのが無くなっており、屋敷の方までよく見えます。
ただ、屋敷の方に被害でていそうで……あれ、窓ガラスが吹き飛んでなくなってない?
まぁ、そんな余裕ムーブかましてながら、ついに新境地となる四千九十六重が完成!
やればできるもんだ。
えーっと、次は八千百九十二か……計算の方がメンドくさくなってきたゾ。
ただ、コツはわかった、厚くするよりも薄くした方がやりやすいんだと。
「ハァハァハァ……どうなってるのよアナタ!いい加減に……潰れな…さい!!」
あ、終わった?小休止?バテテきてそうだし、そろそろ終わりになるのかな?
ようやく気が済んでくれて助かります。
そして、ここは悪役ムーヴで〆るべきか?"それで全力か?大したことないな"みたいな?
とか思ってたら、足元に影ができたので、上を見上げれてみれば上空に黒い球体が浮いていた。
あれか、ブラックホール的なやつかな?と思っていたら、急に小さくしぼんでこちらへと落ちてくる。
あー、重力魔法的なアレかな?
巨大魔蟲のアノマロカリスみたいなのが、他の魔蟲との戦闘の時に、たまーに連続でブッパしてたしてたやつ。
真似れないかと苦労したっけな……
真似してそれ以上にファン〇ルよろしくの動作を、苦労して操作してた下の兄者のをだけど。
上の兄者?
闇の真逆で無数すぎる小さな光球を操作して、深淵の湖畔で煌びやかにドレスアップした場所を作って、奥さんつれこんでましたよ?
……連れ込んでましたよ?(大事な事なので二度いう)
「コレで……おしまいよ!!」
直撃……したと思ったら地面に穴が開いた。
"へっ?"
と思うと同時に、そのまま落下する格好になったが、すぐに底に着い……
「きゃぁ!」
その悲鳴に視線を向けると、そこには、どこかで見た覚えのある、エロエロだった悪魔肌風の女の子が部屋の隅で吹き飛ばされるように横たえていた。
あー、ここに着くのか、そっかぁ、ここかあ……
そして、オカマもおりてきた。ただ、結構な汗だくで疲れた姿で。
「はぁ、はぁ……何で、まだ生きてるの?ホント、しぶといわねぇ……」
「"……まだ、続けるのか?"」
「?!あ、あら?いい声ね、声だけで惚れちゃいそう、やっぱり名前を教えてくれるかしら?」
名前、名前……本名言うのもなんだし、ここは偽名でもいっか?
どうせ悪役ムーヴかますわけだし。ムーヴ台詞は準備したぞ!
けど、名前の方は急に言われて思いつくの無いんだけど、今の姿だって……
「"シロキ……シン?"」
「そう、シロキ・シンね。残念ね、その顔を見ることが無くて。とても素敵な顔だと思うのだけれど、今度こそ全力で仕留めてあげるわ!」
「"あれが全力ではないのか?大したことはなかったが"」
「……言ってなさい!!今度こそ、本気の本気よ!!」
そういうと、胸元をはだけてご立派な大胸筋を露にしたと思ったら、内ポケットから何かを取り出してはぶっ刺し、それと同時にオネエの身体がまぶしく輝いたかと思えば、その身体から白い羽根が2対現れた。
その姿をみて思った。
見るからに天使って奴だから、こちらはやっぱり悪役ムーヴしなければならないのか?と
ご立派な大胸筋をお披露目するシーンを書きたくなっただけ。