#伍:ここは、地獄でもなければ
気を落ち着かせては、目の前に広がる現実を見つめます。
その光景は、肌の色がもう青紫っていう奴で、悪魔っ娘的なアレですよ?アレ。
運送中の荷台という狭い空間の中で、女性の方々とはついぞ一緒になる事は無かったですからね!
テンションアゲアゲになるってわけですよ!
確認してみるも、ツノとか翼とかはなさそうだけど……まぁ、それはそれで。
あとは……そうね、自分がお米様だっこからスローイングで放り込まれ、あれほど騒がしかったはずなのに、ピクリとも動いていない模様なのがちょいと気にはなります。
これは、もしかしてもしかすると、あの大作ファンタジーRPGのアレができるかもしれない?
…………
>はなす
「もしもーし、ごめんなさーい、すいませーん、生きてますかー?」
「……」
「"返事がない。ただのしかばねのようだ。"」
「……」
「"ただの"しかばねって何だよ"ただの"って。それぐらい、よくある光景なんかいな?と思っちゃうよね」
「……」
「"やはり返事がない。ただのしかばねのようだ。"」
「……」
反応が全くないから、ついついやってしまった。
まぁ、"しかばね"じゃないのは解っております。
何せ、呼吸はしているっぽく、上半身の見事な双丘がわずかに上下してますし。
双丘……
自分のを見ると、そこにあるのは平原……
イカンイカン、ソコハツッコンダラマケダ……サスガニソレハ……
「……というか、本当に大丈夫なん?こんなとこに放り込まれるなんて、何しでかしたの?」
「……」
「会話する余力もなし?」
「……」
「しかたないなぁ、もぅ、保養になれたサービスよ?サービスゥ」
ということで、余力が無さそうなので病気の治療にはいりまーす。
そういや、かーちゃんたちも病気になる事ほぼなかったな。
そもそも、村の中での治療が"薬飲んで、無理やり肉とか飯を食って、水を大量に飲んで寝る"という、ある意味、理にかなってるとでもいうか、そうでもないともいう方法というか……改めて思うが、やっぱり脳筋一家だわ。
けど、それで大抵治してたのは事実なんだよね。
あとは、肉……は手元にないし、水……は、水桶っぽいのあるけど、さすがに衛生観念がヤバすぎるところのはまずいだろと。
とりあえず、治療するにあたっても最初は清潔にしないとまずいので、結界的な場所をつくります。
治った後に、感染してまた病気なんてなったら、ギャグにもならないですしね。
それでは!と、"ふんぬっ!"と気合を込めて、この一室に結界のような物を形成し、ついでに浄化清掃もしておきます。
これ、一瞬で解決できるのは便利ですよねー。
あとは、病気を治すモードの"エイムン"だけでも行って……おこなっ……(ハァハァ
「ちょーっと、ピリッとかするかもだけど、我慢してちょーだいね」
「……」
「そう、いまから行うこれは、医療行為なのです。"正当な医療行為"なのです。いいですね?"AMEN"!!」
なんかさ、エイムンとか、エイメンとか、似てるよねーという事での魔力(?)注入による治療開始です。
この光る右手を、左胸の双丘にイン!!
あ、やわらけぇ……
苦節16年(前世からは数えない)、豊満な双丘の柔らかさを知る。
これは、良いものだ……
なるほど、おっぱ〇聖人がおっ〇い星人になる訳だ。
これは、さらに揉みほぐ……治療をしても問題ない、はず。
ちゃんと、ファンタジー力は注入しておりますので、間違いではありません。
そう、これは医療行為なのですから。ふぅ……
なお、ラヴは売り切れてるので、注入はできませんよ?
紙袋かぶった医者みたいに、男女平等に注入なんぞしてしまったら、刺激的な絶命をするかもしれませんから。
さては……て?
右手に全集中をして柔らかさをたんの…‥・ではなくて、ファンタジー力注入すればするほど、この子、際限なく入っていくんですけど……?
なんだこりゃ?
入っていくというよりも、漏れ出て行ってる感じかな?なら、原因は他にありそうかな?と、右手の全集中はそのままに、左手であちこち弄っていくとうっすらと青紫色の紋様が出ているのを発見した。
ただ、位置がね……?
この位置って、あの例の淫らな証の紋ってやつがある場所でしょうか?
にしては、ハートマークというよりもスペード?クラブ?ふむぅ……
注入すればするほど、面白いほどに入っていくし、紋様がくっきりとみえたりするから、ちょっと楽しくも意地になってきたかも。
「へっ、これは我慢比べって奴ですかい……?いいぜっ、その勝負、乗ったらぁ!」
さらに云々かんぬんと注入し続けていってみたのだが、ちょっと気になったが事あった。
なんか、"漏れてる"のと"詰まってる"のとがある感じがする。
というかね、今度は身体全体に紋様でてくるとか、なにこのエロ紋様。
もう、エロエロですよ……「うぅ……はぁ‥‥‥あぁ…」とか、なめまか……じゃなくて、なまめかしい声すら漏れ聞こえはじめて、さらにエロさが倍増です。
なお、ファンタジー力による診断の結果、身体に関しては栄養不足なだけで、病気云々は無さげだった。
って、ん、あれ?
これ、何というか、これらって"後から細工された"感じの詰まり方してる?
後天性というか、呪術的な……?
あ、この状況ってあれだ。
"やだ、この子、呪われてる"(両手で口をふさいでるアレ
うーん、その呪いでなのか分からないけど、漏れだしやすく・詰まりやすい感じといったところかね。
なーんか癪に障るので、まずはファンタジー力を、治療モードから変異モードで穴あき箇所に蓋をしておく。
ついでに、漏れ出てたあっち側からこっちへ吸い込む様に逆止弁もあてておく。
ふっふっふっふ、人を呪わば穴二つやで?(ニチャァ
あとは、この詰まってる感じってのを、この際、一気にぶっぱで吹き飛ばして……は、さすがにやばいか?
「あとは、詰まってるのを解消すれば……いいんだけど、うーん……」
予想するならば、これ、痛みを伴うと思うんですよね。
無理くり掃除するみたいなもんですし。
そうなると、この右手の柔らかさが……柔らか……右手ぇ……
これは、左手でも……あれ?左手は……?
「ひらめいた!」
そう、今現在、左手が空いています。
つまり、右手で詰まりを解消、左手で傷を治療と、ダブルで行えばよいのです。
そして、煩悩も退散できる(かもしれない)という、まさに完璧な方法である!
「ということで、もう一つ追加するけど……答えは聞かないよ!」
そうして、左手に新たな柔らかさを、なおかつ馬乗りとなっては揉みしだくスタイルとなっては揉みしだ……治療を開始します。
ああ、ここは天国じゃない、かと言って地獄でもない、言うなれば"極楽"はここにあったんだ‥‥‥
って、ちがうちがう、現実に戻ってこい自分。
ヤル事はヤる。そう、ヤルんだ。
そうして、配管につまったゴミを除去するような感じで一通り綺麗にすることに成功する。
ただ、残念な事に、エロ紋様がきれいさっぱりお亡くなりになったのが……もったいなかったような、そうでもないような
「ほんと、エッロかったもんなぁ……ちょっと勿体なかったかなぁ……ま、とりあえず、オペの終了デス」
と、流れてもいない汗をぬぐいながら、馬乗りになりつつも患者を見下ろしておく。
この豊穣なる双丘に触れることも……もっかい触れとこ。
さすがに、これ以上の、例えば"パフ"るのは駄目だ、駄目だ……
医療行為を越権する……落ち着け、右手に全集中だ、深呼吸だ……ふぅぅ‥‥‥
(あ、いいにおいする―……)
それから数秒後には落ち着き、簡易ベッドの上に寝かされる青紫のお肌がツヤっツヤっした豊満な双丘を持っているガールを眺めみる位置へと移動する。
あとは栄養失調みたいなもんだし、食料的な何かがあればいいけど、何かないかねぇ……と、考え事をするときはと、やはり一休みさんモードだなと座禅を組む。
ポクッポクッポクッ チーン!
もしかしたら出来るかもシリーズ!
「食料になーれ"AMEN”!」
そんなファンタジー力を石壁の1ブロックにぶち当ててみたら、ぽてっと落ちてきたのは、暖かいままのコッペパン。
「……デキチマッタ、自分の才能がオソロシイゼ」
まさかまさかできてしまうのかと驚きはしたが、これでコッペパンを要求されたとしても、すぐに供給できる方法が確立されたな。
そんな、自画自賛しながら、当初は憎き双丘だったが、今では天界レベルな御立派なる癒しを与えてくれた双丘の谷間に、感謝の念を込めながら、香ばしいコッペパンを埋もれさせ……て
「コッペパンが、つぶされる……だと!?」
コッペパンが押しつぶれてしまった。
あぶなかった、あの時、あの中に顔を埋めて"パフッ"ろうとしたのを耐えた自分、まさにナイスである。
さて、目の前での、気になった"ヤル事"はやりきったので、あとは、どっかの街とかについたらしいですし、お暇するだけである。
「んじゃ、元気でね、っと。こちらは退散しますんで……」
自分の欲望……ではなく、目の保養になったお返しに衣装を綺麗にしておきます。
そして、そろそろオトンやガキんちょから貰ったソードを探しにいかなければと牢を後にします。
えっ?どうやって出たかって?
そら、あれよ、鉄格子を"えいむん!"と音も無くゆるゆるにしては、"えいむん!"と元に戻しておくだけの作業です。
証拠の隠蔽もバッチリ。
さらにサーチ"ファンタジー力"をかけると、だいたいの位置が把握できたので、目的地へと段ボールの中が安心するスネークの様に探す事を開始です。
いやー、昨今の"ファンタジー力"は便利っすネ
ただのしかばねと、
治療行為と防衛線をはりながら、全集中で揉みしだくというのを書きたかった。