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出会い 後

「・・・とまあ、これが僕の隠していたことですが・・・アキラさん、大丈夫ですか?」

「ごめん、ちょっとショックで・・・」

「・・・すみません、そうですよね」


 うつむく晶にセエレは痛ましげな表情を浮かべ、拳を握り締める。

 いつの間にか、本当に大事に思うようになった。本気で契約を交わしてもいいと思った存在。その心中を推し量り、ただ謝罪しかできない己の不甲斐なさにセエレは自分自身を呪おうとしたその時、晶が口を開いた。


「まさかレルーが・・・



偽名ですらなく他人の名前を貰ってたなんて・・・」



( ゜ Д゜)←その瞬間のセエレの顔



 沈痛な面持ちでのこの台詞に、セエレの体のこわばりが解ける。


「つ、突っ込みどころはそこなんですか?!」

「いやだって界距離理論とかわけわかんないしいけにえ扱いなんて認めたくないし」

「案外冷静ですね!!僕は僕なりに葛藤してたんですが!」

「ん?いやだってさ、戸惑わない?次からなんて呼べばいいのかなってさ」


 あまりにもあっさりと晶の口から放たれた“次”に、セエレが凍りついた。

 その姿に気づくことなく晶は蹈蹈と語りだす。


「確かに色々新事実が発覚してびっくりしたけど、よく考えたらこんな家だの召使だの財産だの召喚獣のために揃えるわけがないんだよ。そんなこと百も承知で生きるために使わせてもらってたんだし今更いけにえとして呼ばれましたとか言われても罪の意識が軽減されるだけ。むしろセエレには今まで付き合ってくれてありがとうって言わないとね。できればこれからもよろしくって言いたいけど・・・まあもしかしたらセエレは帰るのかもしれない。もしそうならせめてその前に召喚の仕方とか教えてもらいたいかな、うん。相当厚かましいお願いだって自覚してるからだめならだめって言ってくれたら一人でがんばるし」


 そこで自己完結して、晶は微笑む。


「ダイジョウブ。お別れにも利用されるのもほどほどに慣れてるし、セエレにはすごくお世話になったから恨んだり憎んだりしない。というか、そんなエネルギーない」


「帰りません!」


 はっきりとセエレは言った。考えるまでもなかった。

 使い魔として、晶がこの世界にいる間だけでも誠心誠意仕えようと誓った。それはレルーとの契約の一端でもあり、セエレの望みでもあった。





『なあ、魔界の王子。俺の都合で巻き込んだあの子を、どうか』


 魂がただのエネルギーに還る瞬間、辛うじて正気を取り戻したレルーは、それでも悔いはなかった。最期に愛しい人の幸福を見届けられた。本願叶った彼の、ほんの少しの迷惑料。

 それはいつしか、セエレの中に溶けて・・・まるで、最初からそうあったかのように、セエレは晶に忠誠と保護欲を抱いていた。





「アキラさん、僕は・・・貴方に、永劫の忠誠を、捧げます」


 悪魔にとってこんなことを言葉にするのがどれほど重大なことか晶は知らない。だからこそ、晶は微笑んだままそれを受け取った。


「ありがとう!またよろしくね!あ、そうそう、まだしばらくは引きこもるから!」



(;゜ Д゜)←セエレの嘘偽りない心境



「ちょ、え、ええええええええ?!」

「うーん、セエレ・・・あ、セエレでいいよね?セエレは受け入れてもいいけどこの世界を受け入れるつもりはまだまだないから」


 精霊ともしばらくは会わないよー対応丸投げするねー。

 そう言って、晶はいつものように部屋への階段を下りて行った。


「・・・は、はは・・・はぁ・・・」


 後に残されたのは、すっかり世話役が堂に入ったセエレの溜息だけ・・・。


まだ続きますよー

後・・・書き方を模索中ですorz

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