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「アキラさん、今日もいい天気ですよ!今日こそ外に出ましょう!」


 いい加減勘弁して欲しい・・・。外の声をうっとうしく思いながら、高瀬晶は部屋に籠もっていた。

 石造りのけして現代らしからぬ、どちらかといえば中世ヨーロッパ風の部屋。ここは、晶の家でも故郷でもない。信じられないことに異世界なのだ。

 晶がこの世界に来て実に1年。その間晶は一切外に出ていない。何故か、理由は単純だ。


 異世界に来たということを、受け入れたくない。実感したくない。


 いかに晶が俗に言うオタクであろうとも、異世界だの魔法だのといったファンタジーは画面の向こう側で楽しむもの、自分の身に降りかかって欲しいものではなかったのだ。

 そうして、晶は決めた。窓からですら摩訶不思議な光景が見えるこの世界、適応は諦め、引きこもろうと。幸いにしてお金らしきものが大量にあった。召喚者は晶と晶を守り、ナビゲートする使い魔の召喚に命を代償にしたらしく服と財産だけを残して消えている。どんな意図かは知らないがフォローしてくれるだけありがたいと晶は表向きの現住居の住人を使い魔のレルーだけということにして、自分は引きこもりを敢行したのだ。

 元々人と関わらなくても生きていけると豪語し、自他ともに認める対人コミュニケーション不全の晶にとってレルーとだけ関わる生活ははっきり言って天国だった。

 しかしながらこの使い魔、実は相当にお節介であった。

 悪魔族出身の癖に外に行来ましょう日に当たらないと健康に悪いです人と関わるのも大事ですとまるで善人の言うことばかりを言い晶を外に連れて行こうとするのだ。逆に言えば悪魔族でさえ見るに見かねるほどの引きこもりぶりとも言える。


「ほら!今日は建国祭ですし!屋台なんかも一杯出てますよ!」

「一人でどうぞ」

「さ、寂しいじゃないですか!」

「だから?」

「僕を助けると思って!」

「・・・」


 確かに、レルーには世話になっている。晶の生活が成り立っているのはレルーがいるからだ。しかし、晶には気がかりがある。


「外にモンスターいるけど、どうするつもり?」


 何を考えたのか、晶の召喚者は晶の住む《塔》の周りに大量の高レベルモンスターを配置していたのだ。なぜそんなことがわかるかといえば塔内の蔵書室にあった図鑑とモンスターを見比べただけの話だったりする。


「アキラさん、本見ながらなら魔法使えるじゃないですか」

「打ち倒せってか・・・」


 魔法などというファンタジーを使いたくないむしろ使えるという事実を抹消したい上に、つい先日まで平々凡々に暮らしてきた晶にはモンスターを倒すなど9割方無理なのでそれを口実に断ろうと口を開いた晶にレルーは衝撃的な事実を告げた。


「いえ、アキラさんが何か召喚して倒すよう指示すればいいんですよ。幸いアキラさんには魔力が山ほどありますし、かなり高レベルの人が出てくると思いますよー」



初投稿です、見切り発車もいいところですがよろしくお願いします。

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