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Detectiveは宇宙人  作者: 飛鳥 進
第弐話-酸素
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酸素-4

 翌日、新三は事務所でぼぉーっとしていた。まるで、恋に落ちた男のように。

「あの、小永さん。小永さん」愛子は新三を揺すって呼んでみるがまるで反応がない。

「深見さん、結構ですよ」誠はそう言い愛子と話をしようとする。

「はい」愛子は誠を会議室に通して誠から現状の説明を受けることになった。

 席に着くと誠は早速、報告を始めた。

「現時点で判明したことは・・・・・・・特にありませんでした」

 その一言にガクッと肩を落とす愛子。

「そうですか」何をしに来たのかと思いながら愛子は少し気になった事を聞く。

「あの巽川さん。今まで小永さんがあんな状態になった事あるんですか?」

「なかったです。僕もあんな状態の小永さんは初めて見ました」

「そうですか」モヤモヤするといった顔をする愛子に「何か気になることでも?」と誠は尋ねた。

「いえ、まるで恋したみたいな感じだったので気になっちゃって」

「恋ですか・・・・・・」

「なんか、ごめんなさい。変なこと言っちゃったみたいで」

「いえ、気にしないでください」誠はそう言いつつ、愛子の少し照れる姿を見てキュンとする。

 暫く沈黙が続いていると、いきなり会議室のドアが開き愛子と誠は驚く。

「入ってもいいかな?」新三が聞くと二人は『いいとも~』と返す。

 席に着いた新三はこう切り出した。

「あの女の子、事件に関わっているんじゃないかな?」

「え? どういうことですか?」説明を求める愛子。

「なんとなくだけど、そんな気がする」

「それはチェルカトーレ星人の能力という事ですか?」

 指をぱちんと鳴らして「あ、それかもしれない。ちょっと、母ちゃんに聞いてみるわ」すぐさま、愛子が見たことのない端末を取り出して実家に電話する新三。

「もしもし、母ちゃん? うん、元気にしとぉーとよ。うんうん」

 久々の電話なのか、それから他愛もない会話が繰り広げられた。

 話が進まないので誠が軽く咳払いするt新三は用件を思い出して聞き始めた。

「母ちゃんさ、チェルカトーレ星人って犯人だけじゃなくて事件に関わっているであろう人物の特定って出来たっけ?」そう尋ね「うんうん」と相槌を打ち「じゃあねぇ」の言葉と共に通話を終了した。

「どうでした?」誠が成果を尋ねると「分かんない。って言われた」新三はそう言い放ち、回転椅子をクルクルと回し始める。

「分かりました。小永さんの言う通りその女性を調べてみたいと思います」

「えっ!! 鵜吞みにするんですか? このいい加減な能力を」

「深見さん、そうでもしなければ捜査は進みません。放っておけば第四の事件が発生するかもしれません!」

 誠の目には“これ以上被害者を出したくない”そういった意志を感じられた。

「それはそうですが」

「それと今オキシジェン星人が日本に滞在しているか、管理局に紹介しています」クルクル回る新三に伝えると右手を上げ了解したという意思表示をする。

「では、その女性について調べてきますので失礼します」

 誠はそのまま会議室を出て捜査に向かった。

「私達はどうするんですか?」愛子はこれからの方針を質問され、回転する椅子を止めた新三。

「うっ、気持ち悪っ!!」口元を手で抑えながら愛子に近づくと「おえっ」と嗚咽漏らしながら一枚の紙を渡す。

 愛子はゲロを浴びないよう椅子を後ろに引き距離を置いて紙を受け取る。

 その紙には例の女性の氏名・住所・電話番号・職業が記載されていた。

「いつの間に調べたんですか?」

「交番で事情聴取を受けている時に聞こえたから」

 新三は交番で事情聴取を受けている時に、女性が別の警官に話しているのを盗み聞きしていた。

「申し訳ないんだけど、この人のこと調べてくんない?」

 新三は愛子にこの女性の尾行による身辺調査を依頼する。

「分かりました。小永さんは何を?」

「少し調べたいことがあるから。それに俺が居ると邪魔でしょ?」

「はい」即答する愛子。

「即答・・・・・・・」ショックを受ける新三を他所に「では、行ってきます」愛子はすぐに仕事に取り掛かるのだった。


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