王都のギルド①
今、俺とリンはギルドの応接室にいる。 案内されたから。
応接室は、
歴代マスターの名前が彫られたプレートが飾ってあったり、隊長コートなど展示物か飾ってあり、ちょっとした資料館になっている。 そこに1枚の写真が飾ってある。 その前で立ち止まる俺とリン。
「リン、こっちの写真にしたんだな ジル」
「そうみたいだな。 ジルらしい」
実は、シュンがオモチャといったのは、アークの作ったカメラの事だった。 あの日、みんなで写真をとった。 全員で集合した写真やさまざまだ。 全員でとった集合写真は2種類とった。 真ん中にシュン、右にリン、左にイアン。 後ろにサル、カイ、グラン、ジルの順だ。 みんな笑顔だ。 ただし、シュンとリンについては、フード被ったのと被ってないもので取った。
写真の中には、0番隊のみのもある。 これも、シュンとリンがフード被ったのと被ってないものだ。
応接室に飾ってあった写真は、全員でとった時の集合写真で、シュンとリンはフードを被っている姿の写真だった。
すると応接の扉が開き、40代ぐらいの中肉中背185CMの男が入室してくる。
「お待たせして申し訳ありません」という声で、振り返る俺とリンに微笑みながら「私、当代のギルドマスターのギルバード・フリークスです。 おや、その絵はやはりきになりましたか?」と言いながら近づき、俺の隣に立つギルバート。
そして、ギルバートは説明を始める。
「この絵は、魔王襲撃前のものといわれています。 右側に立っているのが、当時のマスターで総帝でもあった、ジル・フリークスで、その隣が風帝でもあり英雄でもあり、のちにギルドマスターを務めたグラン・グローリア様で、隣にたっている2名が今でも最強の0番隊隊員メンバーで、前のほうで瓶をもっているの男性が0番隊副隊長です。 左でフードを被っている方が『黒炎の暗殺者様』で、なんと真ん中の方が0番隊隊長の『白銀の黒帝様』といわれています。 今となっては、黒帝は存在せず当時一人二役で0番隊メンバーの誰かだったのではないかという歴史研究者もいるのですが、私は真ん中のフードを被っている方だと思っています。 この絵があまりにも鮮明すぎるので、この絵の存在についても苦言する研究者もいるんですよ。」
「おおっと、熱弁してしまいました。 どうぞお座りください。」と応接室にあるソファーに案内してくれたので座る。 俺とリンの心の中では、時間の経過を感じグランが英雄ってってグランがぁーと心の中で爆笑していた。
___シュンの本当の計画を遂行するため、グランを英雄としてしまった事は当の本人シュンは気付いていない。
俺とリンが座ると、ギルバートがコーヒーを置き、本人も座る。
「正直、これでも私 落ち着こうと必死なんです。 歴代マスターのみに受け継がれる規約がありましてね。そこに、黒帝の縁者様が訪れた場合の規約があるんですよ。 遅れたのは、規約の確認とタグの確認です。 タグのほうは確認いたしました。 これは、間違いなく私の曽祖父であるジル・フリークスが黒帝様のみに作ったタグです。 で、申し訳ありませんが、黒帝の縁者の証として紋章はお持ちじゃないでしょうか?」
と聞かれ、俺はうーんと悩みだす。
すると、リンが念話で伝える。
リン:「ジルが昔、手紙の封の蜜蝋印と紋章っていってくれたやつだ」
シュン:「うん?」
リン:「0番隊隊長と黒帝の印のついたやつだ」
シュン:「あー、あれか」
俺は外装のポケットに手をいれて次元ボックスから紋章をとりだして「これの事か?」といって渡す。
震えながら受け取るギルバートが、規約のファイルを開き確認しながら「まさしく間違いありません。 恐れ多すぎてお返しします」といって、タグと一緒に受取った俺は次元ボックスにしまった。
まさか、あの時使わないと思っていた紋章がこんな所で使う事になるとは思ってもみなかった。。