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【白銀の黒帝:2】嫌われ者の夢は、竜騎士になる事  作者: 八木恵
1章:プロローグ
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ここは、『魔界』。

大魔王を仕方なく合流させて俺たち3人は肉を食べ、途中から飲み物はワインに変えていた。


大魔王が食べている肉の種類が気になったようで、うまそうに食べながら聞いてきた。

「これ何の肉だ?」

「飛ばない赤いおおきなトカゲ? たぶん、昨日だけど、この辺間引きした時に殺してな。 なんか、食えるかなぁって思って持って帰ってきた」


そんな俺の答えに、大魔王が目を大きく開いた。

「ははは、さすがだ。 赤竜っていうんだぞ。 魔界の竜は飛べないが、赤竜は滅多に手に入らない。 魔族でも倒せるものがほとんどいないくらい、強い魔物でな、魔界では高級肉扱いだ。」

その言葉を聞いて嬉しくなった。 確かにこの肉うまいな。 1匹丸ごと次元にしまってある。 高級食材ゲットだなとニヤリ笑いながら、俺も肉を食べていた。


大魔王は、そんな強い魔物を軽々倒してしまうシュンを見て、シュンに会った時の事を思い出していた。

「今でもお前らが魔界に来た日を思い出す。 お前がバカ4人組つれて、迷惑だから連れてきたって魔王城に乗り込んだ日。 まさかあの後3日3晩戦い続けるとはな。 あはははは」という大魔王は笑いながら言う。 それを聞いて、俺もその日を思い出した。

「自称魔王ってことはカールから聞いて知っていたけどよ、まさかおめぇーの馬鹿息子でしかも洗脳されてるって言われてたから、わざわざこっちは連れてきてやったのにな。 何お前、いきなり、『力がすべてだ』とかわけかんねぇーこと言い出して、俺だって3日も寝ずに戦うとは思ってねぇーよ。」


 自分で言いながら、その日の事を思い出して、イラっとした俺はタバコに火を付けて一服した。


「んで、最後のお前、なに? 腹減ったからまた後日って。 頭きて、滅多に使わない攻撃魔術はなったら、腹減りすぎてお前 気絶って最悪のオチだぞ。 んで、勝ったから魔王になれとか、ふざけんじゃねぇーぞ。 思い出したら頭きた」 俺はワインをいっきに飲み干した。 その時の経緯を思い出し、俺は徐々に怒りがふつふつと沸いてきた。


「んで、まぁ、ここでも自由でいいって事になったのによ、魔族の女はクセェーから、結局辺境で魔族も誰もこねぇーここで暮らしてんのに、なんでお前しょっちゅーくるんだ!」


そんな、不機嫌になった俺に対して、反省するようなそぶりを見せない大魔王。


「大魔王って、ようは引退した魔王で隠居いた元魔王の呼称だ。 しかもあの後去勢して強くなった魔王が、くそ真面目で平静なんだ。 しかも、模擬戦して楽しいのはシュンとリンだけなんだ。 あと、お前ら、すぐ月日の経過を忘れるではないか。 それもあって来てるんだぞ。 いいだろ、たまに来たって。 魔術の本も持ってきたぞ」


シュンの機嫌をよくするため本を数冊渡すのだった。 

(...確かに魔術書はありがたい。)


「ありがとな。 まぁ、大魔王が来るのはいいが、サキュバスとか連れてきたら、2度と敷居はまたがせないからな! 俺は女きれぇーなの。 何度いわせる。 リンがいればいいの!」


大魔王のやつ、俺らの家に以前自分の彼女だとかいって、数名の女を連れてきた事があった。 最悪だった。。 おれは、まだイライラしながら、怒鳴った。


そして、タバコをふかし、ワインを空のグラスに注ぎ一気に飲み干すた。


さすがに俺の女嫌いだけは、理解したのか反省する様子を見せる大魔王。

「もう、わかってるぞ。 絶対つれてこない! 殺されても困るしな。」


実際、あの時は、抱き着こうとしてきた女どもを殺す手前だった。

大魔王があわてて止めにはいって、女どもを気絶させて帰させた。 そのあとはどうなったかは、興味がないから知らない。


「そう言えば、お前たちこっちに来てから150年くらい経過していると思うぞ。 アークに会わなくていいのか?」


大魔王、今なんていった? 150年? え?

「嘘だろ!!」と俺は叫びながら、リンと顔を見あって驚いた。 いやいや、そんなはずはない。。

「ちょ、ちょと待て。 確かお前この前俺らがここに来て50年くらいだとか言ってなかったか?」


そんな、俺の質問に、大魔王は美味しそうに肉をほおばっている。 おい。 どういう事だ!


「我も最近知ったんだ。 向こうの時間が過ぎるのが早いんだ。 馬鹿息子が洗脳されていた日記が見つかってな。 それで、人界と魔界軸の時間軸が違うのを知ったんだ。」

「そうだったのかよ。 リン、また明日この辺りの森の間引きしたら、人界に帰るぞ! 向こうで、1年でもこっちはまだ4か月だ。 向こうの時間軸で半年に1回、長くて1年に1回ここに帰ってくりゃいいしな。」

そう俺はいいながら、ちょっと言い事を思いつき、大魔王のほうをむきながらニヤリ笑う。

「まぁ、別によ、ここの管理放棄してやってもいいしな。 なぁ大魔王」


そんな俺のいじわるな言葉を聞いて、慌てだす大魔王。

「放棄だけはやめてくれ。 ここの瘴気、魔族には良くないんだ。 そのくせ、氾濫しやすい魔物の巣窟で、定期的に間引かないと瘴気広がってしまう。 今までは、魔王の責務だったんだが、我も結構蝕まれているから討伐できないんだ。」


地面に正座する大魔王。

「報酬も自由もいままで通りにします。 何なら特別手当もだします。 お願いします」

そして、土下座する大魔王の姿はなんともシュールだった。  俺とリンはそんな大魔王の姿に大爆笑した。

「ははは、仕返しだ。 冗談だ。 任務で決めただろ、次の魔王なり今の魔王が力つけるまでだってな」

俺の言葉に安心した大魔王はお頭をあげて安堵しながら、座っていた席に戻った。


俺とリンは今魔界に居る。 魔界の『瘴気の森』という所に拠店を作って、この森に生息している魔物が氾濫しないように定期的な魔物の間引きが俺とリンのここでの任務だ。


「あっち戻っても定期的に間引きに戻ってくんからよ。 もしもの時は、この魔法陣使って手紙おくれ」

「魔族はシュンに頭があがらんぞ」魔法陣を受け取った大魔王がボソッというのだった。


「お前もそろそろここに長居できないんだろ? たまに戻ってくるから」といい俺は大魔王の帰宅を促すだった。 


それから、魔物の間引きを多めにしたシュンとリンだったが、昂揚してしまい1か月ほどセックスしまくり、結局また少し間引いてから旅立つことになったのであった。


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