ここは何処かって
人外のシュンの新たな物語。 根本の性格は、変わらないまま自由奔放のご都合主義です。
薄い暗闇の空、外は深い深い森で、獣の怪しげな鳴き声が響きわたる。
誰も近寄ろうとはそんな森の最深部の少し開けた場所に、2階建てのログハウスが建っていた。 どう考えても、この森にはそぐわないが、ひっそりと建っている。
2階の寝室では、
「リン、やっぱり血も甘い、もっとちょうだい」と唇をかみ切り血をだして舌で舐めだし、リンの舌とも絡めるのだった。 するとリンが「シュン、激しいのがいい」というのに合わせて、交じり合う男女。
情事後は、タバコに火をつけて一服し、ベットの上に座りながら、薄暗い外を様子を見る。
「なぁ、俺ら、どのくらいセックスしてた?」
「シュン、うーんわれもわからん」
「だよなぁー。 ここ、常に同じ空だし、時間感覚が狂うよな。 この前、1週間してたみたいだし。 1カ月って事はないよな」 俺はタバコをふかしながら、ニヤリ口元をつりあげていった。
そんな、俺の言葉に反応したリンは、がばっと起き上がり、同じく俺と外をながめると驚いた顔をしている。
「まさか、そこまでは。。 シュン、外 魔物増えてる!」
「だろー、やっぱ増えてんるよな。 ちょっくら、血浴びてくるかな。 リンは?」
「われ、服つくるから、今回はパスだ。 風呂用意しとく」
「了解、血ぃあびてくんわ」
俺は、タバコを消して、魔術で戦闘服に着替えて2階の窓から飛び出していった。
そこから数時間、森からは、ドーン、ぎゃー等々様々な場所から爆音が響くのだった。
「ただいま」と言って、玄関の前で洗浄魔術で綺麗した。
「もう、風呂用意した」というリンを抱き上げながら、「まじ。 じゃぁ、セックスしようぜ」とい一緒に風呂場に行く。 湯船に浸かりながらも求めあい、交じりあうのであった。 翌日なのか数日後なのかもわからない日、ログハウスの軒先にあるベンチで座し、俺はエールをのみ、隣に座るリンは赤ワインをのみながら、俺は肉を焼いていた。
シュン特製ダレをつけて、肉のついている串をまわしながら食事の用意をしている。
「ち、また来やがった」と舌打ちした俺
現れたのは、濃紺の髪でやや長めのショートで、頭上には15CMほどの2本の角が生えており、瞳の色は金色で切れ長の目。肌は陽褐色で体形は痩躯だががっちりとした細マッチョで身長210CMとなんとも色気のある男が俺のほうに向かてくる。
「シュン、そんな事言わんでくれ。 我は暇なんだ。」と色気のある笑みで近づいてくる。
「暇とか、俺らに関係なくねぇー。 俺とリンが肉焼く時にばっかくるだ? まぁ、土産ぐれぇー持ってきてんだろうな、大魔王さん」と嫌そーな顔で見ると、大魔王と呼ばれた男は「そんな顔をするでないぞ。 ハチミツだ。 リンが欲しがってだろ」といって、大魔王がリンにハチミツの入った壺を渡す。 「ハチミツか。 なら許す。 ほれ」と言って俺は大魔王にエールを渡す。
大魔王はエールを嬉しそうに受け取り、「そろそろ焼けたか?」といってエールを一口のむ。
シュンがタバコの火を消し「ああ、食べようぜ」といって3人で肉をほおばるのだった。
そう、俺とリンは、今『魔界』にいる。 なんでって、肉ほおばってる大魔王のせい。