装備作成。防具編:前半
今日の分の投稿です。
今日は仕事が忙しかったw
明日はお休みするかもしれません。
ご了承ください。
AWOログイン三日目。
実の所、本日は土曜日だったりする。
学校が休みのため今日は沢山遊ぶことができる訳なのだ。だが、先日の意見交換に熱が入り深夜の二時まで起きていたため、今朝起きたのは午前十時頃だ。休日で本当によかったと言っておこう。
もちろん、起床してすぐさま朝食を食べて、AWOにログインをした。せっかくの休日だからな。
それで今俺がいるのは『想像=創造』のギルドハウスだ。
ギルド商店の隅にあるコミュニティエリアにてコーヒーを飲みながらピアさんとライナ、俺の三人で談笑中だ。
「なんて言うか入り浸ってるよな。俺」
俺はふと思ったことを口にしてみた。
「別にいいんじゃないー?」
「そうですよ。きちんとお金を落としてくれますし、面白いアイディアも聞けますので」
「ならいいんだけど.......他のメンバーはどう思ってるのかなって」
これは昨日の夜から薄々思っていた事だ。第二陣の初心者がトップギルドのギルドハウスにてギルマスと看板娘と楽しく談笑。嫉妬とかされないのだろうかと不安だったりする。
「てかー、そんなこと気にするならうちに入ればー?」
「あ、いい考えですね!」
ライナの発言にピアさんが乗っかる。
「遠慮しとく。生産ノルマとかに縛られたくない」
俺は自由気ままに生産ライフを送りたいのだ。
.......戦闘もやってるしな。
「そっかー。まぁ、他のメンバーのことは気にしなくて大丈夫だよー。ヴァルカが編み出した『錬金術』を組み込んだ武具制作に夢中だから」
「ですです!みんな感謝してましたよ?」
「そうか。ならよかった」
どうやら大丈夫なようだ。
と言うかそこまで夢中になるって凄いな。
俺もそろそろ装備を整えねばならないだろう。
レッドプレイヤーの連中に借りがあるしな。
「さて、俺は生産施設にでもいくかな」
「お?新作ですかなー?」
「それは気になりますね!」
すごい食いつきようだな。
やはり生産職の人なんだなと思わされる。
二人が何かを制作してる所なんてみたことないけどな。
「まぁな。出来たら見せてやるよ」
「その時は作り方も教えてねー!」
「楽しみに待ってますね!」
「おう!」
こうして、俺は『想像=創造』のギルドハウスを後にする。向かうはもちろん生産施設だ。
□
「さて、作るか.......とその前に」
俺は作製を開始する前に施設のレンタル期間を三日目延長した。更にカスタマイズを加え、服の製作もできるようにした。
これは俺の持論だが、本格的に防具を作るには『服作製』が必須だと思うのだ。
第一陣の生産者プレイヤーは武器を作る際に『装備製作』と『錬金術』の併用を試す者がいなかった故に属性付与ができなかったのだ。ならば、『装備製作』と『服作製』の併用もしなかったと考えられる。されていたのであれば既に武器への属性付与も既にされているはずなのだ。
この際、本音をぶっちゃけよう。
第一陣のプレイヤーが第二エリアを解放できていない理由は間違いなく生産者の発想力不足のせいである。
だってそうだろう?
戦闘職プレイヤーがふたつの異なるスキルを合わせて覚えた【アーツ】が山ほどあるのだ。『魔術師』と『魔法学』によって覚える【魔封陣】が良い例だ。にも関わらず生産職プレイヤーは『装備製作』を単体で使い続けた。『服製作』に至ってはオシャレ装備専用スキルと化している。
ライナやピアさんには悪いがこれは変えようのない事実だ。
そんな中、第二陣の初心者によって新たな製作方法が見つかったなんて情報が流れたらどうだ?そんなの最悪だ。第一陣の生産職プレイヤーは大いに叩かれるだろう。
「.......俺が考えた製法を『想像=創造』が編み出したってことにでもするか?」
フレンドが戦闘職プレイヤーに叩かれる所なんて見たくないしな。
そう思いながらも『服製作』を取得するべく初級服製作セットの織機で布を織り始める俺だった。
因みにら使用する糸は普通の糸だ。
俺が布を織り始めて十分ほど経過し、やっと一枚の布が完成した。とは言え、リアルと比べるとこんな短時間で布を作製できてしまうあたり流石はゲームと言えるだろう。もちろん、布を作り終えた時に『服製作』が取得可能になったので早速取得した。
現時点で使用出来る『服製作』の技能
は以下の通り。
【布織り】【裁断】【裁縫】
技能を確認してやはりと思う。
一見、服を作ることしか出来なそうな技能構成なのだ。
ここから試行錯誤して新たな技術を編み出すことになる。とは言え『服製作』のレベルは1のままだ。レベルが5に上がるまでレア度がRの素材は使えない。とりあえず、レベルが上がるまでは普段着を作るとしよう。
それからひたすらに普段着を作り続けた。
もちろん、この世界感に合わせたテイストに仕上げた。『初級服製作セット』に服の作り方やこの世界の服の型が記された本が入っていたのだ。もちろん少しはアレンジしたつもりだ。
『スキル『服製作』のレベルが上がりました』
『技能【染色】を獲得しました』
お、どうやら今ので『服製作』のレベルが5まで上がったようだ。覚えた技能は【染色】。これまた服の製作にしか必要のなさそうな技能である。
ともあれ、これで土台は完成だ。
ようやく実験を開始できる。
まずは服を作る為の布の準備だ。
現在、確認されている布を作る為の糸は『普通の糸』『頑丈な糸』『魔耐糸』の三種だ。
今回使うのは『頑丈な糸』と『魔耐糸』だ。
これを『錬金術』の技能で【融合】させる。
それで出来たのがこちら。
頑丈な魔耐糸:R。頑丈な上に魔法耐性がある不思議な糸。
.......そう言えば『錬金術』についての説明が抜けていたな。初期レベルの『錬金術』で使用出来る技能は【融合】【変質】二種。そして、レベルが5になることで【抽出】を覚える。
『錬金術』は一般的に生産職プレイヤーの間ではポーションを精製するためのスキルと認識されている。そして、現在『調合』の下位互換と呼ばれる不遇スキルだ。
現に鉱石の【融合】を発見していた俺はその情報を知って疑問に思った。
そして、確認としてカンベリのNPCから『錬金術』の情報を聞き出してみた。結果は案の定であり、皆揃ってポーションを作るスキルだと言ったのだ。
NPCからの情報だからと鵜呑みにして思考ロックをかけてしまったのが第一陣の生産職プレイヤーだったと言うのが今回のオチだっりする。
そんなことよりもだ。
俺が何度か『錬金術』を使用して知り得たことをはなそう。それは『錬金術』の特性が素材アイテムの能力向上と状態変化にあるという事だ。
まず【融合】についてだが、これは異なる同系統素材アイテムを融合し双方の能力を持たせるというものだ。もちろん【融合】によって作られたものは【融合】する事はできないし、双方の能力が打ち消し合うのも【融合】することは出来ない。
そして、【変質】だが、これは素材アイテムの状態を変えるスキルだ。素材アイテムを液状にしたりすることができる。
最後は【抽出】だ。これは素材アイテムに含まれる成分を【抽出】するものだが、残念なことに薬品系の素材アイテムしか抽出できない。
それで『錬金術』を使用したHPポーションの作り方だが、これは至って簡単だ。HPを回復する素材アイテムを【融合】させ、【状態変化】もしくは【抽出】を使用するだけでいいのだ。【状態変化】で作ると凄く苦いHPポーションがてき、【抽出】で作ると無味無臭のHPポーションができるといった具合だ。
それに比べ、『調合』によるHPポーションの作成は四種の薬品系素材アイテムを使用出来る。もちろん回復量はこちらの方が高い。それに加えて味も付けることもできる。
これが『錬金術』が『調合』の下位互換と言われる所以だったりする。
大きく脱線したな。
ともあれ、これが現時点で俺が知り得る『錬金術』の全てだ。
「よし!作業再開だ」
そう意気込み、先程【融合】で作った『頑丈な魔耐糸』を織機で丁寧に織っていくのだった。
面白いなー。
続きが読みたいなー。
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