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交渉後半。生産施設。

明日から2連休ということもあり

もう一話投稿することにしました。

それと現在VRジャンルで17位でした!

ありがとうございます!!


ちょいとお灸を据えると意気込んだ俺はライナとの交渉を進めた。


「いやいや、攻略に役に立つんだろ?二ヶ月もの間、俺ら二陣が来るまで第二エリア解放すら出来てないんだ。こんなに安いわけないだろう?200万」


手始めに十倍だ。

因みに、俺の予想した相場はこの倍以上だ。


「いきなり十倍だなんてふっかけるねー30万」


これまた30万とはよく考えてらっしゃる。

少し値上げすることによりこれ以上の価値はないよ?と伝えたかったのだろう。だが、ブラフなのはお見通しだ。


「いやいやいやいや、この情報を攻略組に売って儲けることも考えてるくせにー。300万」

「.......バレてたか。てか、増えてるじゃん!!流石におかしーよ!!100万」


やはりブラフか。

それと俺の提示した値段に驚きすぎだ。

本来の相場にぐんと近づいたことにより深く考えず、慌てて100万と言ったのがミエミエだ。

さらに追い打ちをかけるとしよう。


「あ〜あぁ。それと加えて攻略できた暁には第二エリアの素材アイテムを優先して売ってくれる条約とか結ぶんだろうなぁ。羨ましいなぁ。500万。あと、第一エリアのでいいから素材なんかも融通してくれないかなぁ。あ、これで交渉最後ね?」

「ぐっ!!.......400万。.......第一エリアの素材も相場の半額で卸す。これが限界」


んー。

あっさりと値上げできちゃったな。

初心者と思って最初に買取価格を低くくし過ぎたのが敗因かな?

リアルで自由奔放な両親との交渉をよくしてるってのもあるけどな。それでも、初手で100万とかだったら怪しむことも無く売った可能性も.......ないな。


まぁ、今回はお灸を据えるのが目的だ。

元よりこんな鬼畜な要求をするつもりはなかったんだから。


だから止めて欲しい。

暖簾から覗いてるライナのギルメン達。鬼畜とか守銭奴とか言うの止めてくれ、心が痛むからな?


「.......皆、ごめん」


えー。何この雰囲気。

完全に俺、悪者じゃん。

さっさとそんなつもりは無かったとネタばらししないとな。


「ライナ。そもそもの広告だけどさ?情報提供者が現れることすら期待してなかったろ?広告が小さすぎるんだよ。攻略組に協力します的な建前の示しだったってところか?」

「.......うん」

「で、いざとなって情報提供者が現れたとなっても建前で貼ってただけだから値段を算出していなかった。そもそも払える金額を用意してなかった。だが幸いなことに情報提供者が初心者だった。それで魔が差した。.......違うか?」

「.......そうよ」

「なら、こんな事もうするな。最初の俺への対応は初心者とか馬鹿にするような感じではなく親切でしてくれたろ?俺はそんなライナに好印象を持ったんだ」

「っ!?.......ごめん」

「なんて言うかな。わからなくもないんだよ。コレだけ大きなギルドを支えるのは大変だし、しかも『想像イマジネーション=創造クリエイト』って生産職のトップギルドだろ?第二エリアの素材がないと生産スキルはLv.10で打ち止めだ。その間に差は縮まるばかり。そこに情報を持った初心者。俺が逆の立場でも魔が差したかもしれない」

「......」


ライナは俺の言葉を聞いて、自分のミスをに対し悔しそうに頷いた。

悔しがってるところ悪いが、ここからが俺にとっての本題だ。


「そこで提案がある」

「.......え?」


ライナはキョトンとした顔をて首を傾げる。

俺は今のライナに理解できるよう内容の説明をする。


「ぶっちゃけ言うとな。こんな商談をしてトップギルドとの関係を絶やすことは俺にとって良くない。同じ生産職だから素材とか融通してもらいしな」

「た、確かに。今回の商談でも一時的には裕福だけど第二エリアの素材買取の資産が今回の打撃でたりなくなるかなー。そうなると私のギルドはトップの座は危うい。っ!?.......そうかー!物理的に私らが商談の対価を払い続けることが不可能になってくる感じー?」


お?どうやら落ち込みモードから復活してきたようだ。


「そうだ。だから『想像イマジネーション=創造クリエイト』にはトップでい続けてもらわないと困るんだ。よって俺が求める要求は、このギルドが打撃とならぬ程の金銭と今後、余裕のある素材の融通だ。」

「そだねー。それならばトップをキープしつつヴァルカへと素材を格安で売り続けることが出来そうだね!打撃とならない額は100万くらいだけど足りる?必要なら攻略組に予定より高く情報を売るけど.......」

「いや、それで十分だ。攻略組とこのギルドにはいい関係でいて欲しいからな」

「ヴァルカ.......。貴方、商談の時はこんな可愛い顔した子供がクズ野郎なのかと思ったけどめちゃくちゃいい人じゃん!」

「ひ、ひどい言われようだ」

「ごめんごめん!いい人って分かって気が抜けちゃったー」

「まぁ、それは言いけどな。俺、実年齢17な?」

「え?私と同じなの!?中学生になったばかりくらいかおっさんが頑張ってキャラクリしたと思ってた!!」

「.......勘弁してくれよ」


こうして俺とライナによる商談は上手い形に収まった。

そして、この繋がりがAWOの戦闘職と生産職バランスを大いに崩すことになろうとは今の俺には知る由もなかった。


「それで情報なんだけどー」


そう俺に問うのはもちろんライナだ。


「ああ。そうだな。一応言っておくが聞いたら驚くぞ?」

「むー。勿体ぶらないでよー」


ライナは頬をふくらませた。

ギルドマスターとは言え、何だかんだで俺と同じ高校生なんだなと強く思わされた一面だった。


「この赤の指輪をドロップした相手な.......レッドスライムなんだよ」

「はえ?」

「だから、レッドスライムだ。三度は言わないぞ?南門付近の岩石地帯にいる奴な」

「え、いやー。なんて言うか盲点過ぎて放心状態だった」


まぁ。

そうだろうな。

なんと言うか今までドロップしたプレイヤーがいなかったこと自体が疑わしいくらいだ。


「でも、少し疑問があるんだよねー」

「なにがだ?」

「怒らないで聞いてね?.......レッドスライムを相手にヴァルカ自信がこの指輪をドロップするまで倒せた事が信じられないんだよねー」


言われてみれば確かにそうだ。

生産職で第二陣の初心者である俺がレッドスライムを相手に無双してる様子を信じれるはずもない。


「まぁ、俺は戦える生産職を目指してるからな。生産職にしか出来ないような戦い方もあるんだよ」

「なにそれ!?すごい気になる!!」

「まだ開発中だから型ができたら誰でも出来るように改良してから教えるさ」


俺の戦闘法の軸は『アイテム効果支配』になるだろう。このユニークスキルを所持してる人以外がまともに戦うのはかなりの改良が必要だ。


「絶対だからねー?」

「うん。改良できたらな」

「ならよしっと。情報と指輪は貰ったからこれを渡せば取引完了ねー」


ライナはそう言い、俺に100万Rの入った巾着を渡した。これで取引は完了だ。


「あ、そうだ」

「どしたのー?ヴァルカ?」

「今取り扱ってる爆発物と銅って一つ幾らで買い取れる?」

「んとねー。爆発物は小爆石が10Rで、爆石が100R、爆破鉱が200Rかな。銅が一つで1000Rだけど銅の方は値下げはできなそう。.......ごめんね?」

「気にするな。じゃあ、爆石を五十個と爆破鉱を五十個、銅を十個ほど売ってくれないか?」

「わかったー。爆発物は人気無くて在庫が腐るほどあるから半額にしとくねー。お会計は17500Rだよー」

「はいよ。じゃ、またな。」

「まってー!フレンド交換!!」


ライナから素材を購入した俺はライナ達の露店を出ようとした。そこでライナ言われて思い出しフレンド交換をした。ライナは「私が初めてのフレンドなんだねー」と喜んでいたと言っておこう。

その後はライナとその仲間達に挨拶し露店を跡にした。


そしてMAPを開いた俺は商業区域の隣に位置する区域である産業区域へと向かったのだった。





産業区域に到着した。

俺が産業区域へ来た理由はもちろん生産をするためだ。どうやら産業区域には生産施設があるらしい。一般的に施設を借りる又は購入することが出来るそうだ。


購入は現時点では考えてはいないが追追必要になってくるだろう。手持ちも考えると最初はレンタルに限るのだ。


そんなことを考えているうちに生産施設へと着いた。

施設に入るとNPCである職員に案内されながら希望する施設の内容を説明した。


因みに俺が出した希望は鍛治ができて爆発物を使用できる施設だ。もちろん、希望は通った。

そして、とりあえずではあるが三日ほどレンタルすることにした。三日でかかる費用はなんと8000R。一日だと3000Rのところ三日間セットだと1000R安くなるというサービス付きである。


ともかく案内された部屋の前まで来た。

あとは生産するのみである。


「おお!これが初級鍛治セットか!!」


俺は目の前の初級鍛治セットをみて驚いた。

街中でプレイヤーが展開しているのを見たことがあるが周りからは迷惑そうに見られているのを見ていたのでこういう施設があるのは素直に嬉しい。しかも爆発物を取り扱っても文句を言われないときた。


とりあえず使ってみよう。

まずは普通の銅で剣を作ってみることにした。


作り方は二通りある。

武具制作セットと『装備製作』の技能アーツを併用して作る方法と技能アーツのみで作る方法だ。


手始めはやはり技能アーツのみの制作がいいだろう。


銅を【加熱ヒート】で赤色化させる。

それを【変形フォーム】で整形。

整形したら【冷却クール】で冷ます。

仕上げに【研磨ポリッシュ】で刃をつけて完成。


うん。

めちゃくちゃ簡単。さすがゲームだ。

それで出来たのがコレ。


銅の剣:N。攻力+30。耐久値:50


普通に強いと思った。

初期装備の始まりの剣の倍の性能なのだ。これでも十分戦えそうだ。


まぁ、とりあえず比較するものが無いと話にならない。次は技能アーツと装備制作セット併用版を制作してみよう。


まずは炉に銅を入れる。

すると五秒後には加熱され赤くなる。

ここで銅を取り出しては鎚で叩く。

この時に【変形フォーム】で少しずつ剣の形を作ってやるのがベストだそうだ。

そして、剣の形か出来たところで【冷却クール】を発動。この技能アーツは金属が痛むこと無く冷える。その為、技能アーツのみの制作と工程が全く同じなのだ。

最後に研磨をするのだがこれが曲者だ。回転する砥石に剣を当てて刃を作るのだがここで挫折する生産職もいるらしい。失敗続きで集中出来ずにさらに失敗。負の連鎖とは怖いものだ。

だが俺には秘策がある。先程、ライナにこっそりとコツを聞いたのだ(フレンドチャットで)。


ライナいわく、『装備製作』のスキルを持っている時点で制作に関する動作にはアシストが入るらしい。そのアシストに抵抗することなく身を任せるとあら不思議。誰でも達人級の研磨師になれるという寸法だ。ライナはこの秘策を仲間にすら隠す事によってギルド一.......いや、プレイヤー一の腕前となっているわけだが、それをなぜ俺に教えたのかは知らない。


『スキル『装備製作』のレベルが上がりました』


お、スキルのレベルが上がった。

因みに言うと、『装備製作』のスキルが上がれば扱える素材の幅が広がり扱える技能《技能》も増えるのだ。たしか、Lv.5で素材のRのランクの物を扱えるようになるだったはずだ。その他にもLv.5上がるごとに新しい技能アーツを覚える。


そんなこんなで出来た銅の剣はこちら。


銅の剣+:N+。攻力+40。耐久値:80。


うん。素晴らしいの一言だ。

名前に+が付与され、攻力も先程と比べる+10上昇。耐久値に至っては+30もの上昇がみられた。


本当に素晴らしい出来だった。

そして、もしこの武器と同等の攻力を備えた投擲爆破武器の作製に成功したらと考えると制作意欲を抑えきれなくなってしまった。


「作ってやる!最高の投擲爆破武器を!!」


俺はそう意気込み、投擲爆破武器の制作に取り掛かったのであった。




面白い。続きが読みたい。

そう思った方は評価、ブクマしてくれると嬉しいです。

やる気につながりますのでw

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