ユニークスキル。交渉。
今日の投稿です!
連載初めてから24時間経っていないのに総合評価60ポイント近くあり驚きましたw
ありがとうございます!!
謎の通知音が流れたことにより、俺はメニューを開く。
すると、プレゼントBOXという項目が点滅しているのが確認できた。つかさずプレゼントBOXの項目をタップする。
もちろん、プレゼントの一覧が表示されるのだが届いているプレゼントは一件。件名は『特定の条件をクリアしたことによる報酬』だった。
身に覚えのない内容ではあるが何がトリガーとなるかは不明だ。俺は『特定の条件~(略)』をタップた。
内容は以下の通り。
『素材アイテムの効果を用いて同レベル帯の魔物を一撃で三百回連続撃破を達成。よってユニークスキル『アイテム効果支配』を進呈します』
「マジか!!ひゃっほーーーー!!!」
俺は内容に驚き周りの目を気にせず声を上げた。
周りにいた俺同様第二陣の初心者プレイヤーが痛いヤツを見たかのように指さして苦笑いしていた。
.......正直恥ずかしかった。
だか言わせてもらうが俺が驚くのも無理はない。
ユニークとは一人のプレイヤーのみに与えられるたった一つのレアものなのだ。
簡単に説明すると俺が取得した『アイテム効果支配』だが、俺が手に入れてしまった以上、今後このスキルを取得できる者は誰一人いなくなったという事だ。
しかも、ユニークというものの性能はゲームのバランスを崩すものなのだ。ネット情報ではあるがその一例として、ユニークを取得したプレイヤーが百を超えるプレイヤーと争った結果、ユニーク保持者の圧勝。ものの三十分程度でそれを撃破したらしい。
それと、今回俺が得たユニークはスキルだが他にもユニーク称号、ユニーク装備、ユニークアイテム、ユニークペットなどがあるそうだ。
ともあれ、まずは取得したユニークスキル『アイテム効果支配』の能力の確認と能力の実験をするのが妥当であろう。
俺はメニューを開き、取得スキル一覧の『アイテム効果支配』の詳細を確認した。
『アイテム効果支配』:ユニークスキル。パッシブスキル。アイテムの効果を支配する。
「.......そのまんまじゃん」
そう。そのまんまなのだ。
どうやら、自分で使い方を考えろって事らしい。
分かることはパッシブスキルで現在も発動中ということだけだ。
「とりあえず小爆石で実験してみるか」
そう呟き、ストレージから小爆石をとりだす。
爆発物を取り扱うのだ。
HPの管理もしなくてはならない。
それを考慮して現在の俺のレベルは5だ。
このマップのレベル帯は1~5なのでこれ以上、レベルは上がらない。だからこそ、同レベル帯の魔物を一撃で三百回撃破が達成出来たのだ。.......話がそれたな。
纏めると、現HPは120と変わりない。周りに敵もいることを踏まえるとHP60を下回ることを避けながら実験をしなくてはならないといったところだ。
「ま、小爆石の特性を隅々から知ってる俺にとっては無意味だが.......万が一があったらな?」
俺はそんな独り言をいいながら小爆石を地面に置き、爆発の届かぬところまで離れた。そして.......。
「爆ぜろ」
俺がそう小爆石に向けて呟く......次の瞬間、俺の言葉通りに小爆石は自発的に爆ぜた。
「うん、思った通りの効果だ。流石ユニークスキルだな。まさか、爆破するトリガーを上書きできるとは」
本来、小爆石の爆破するトリガーは一定の衝撃を与えるだ。だが、『アイテム効果支配』によりトリガーを「爆ぜろ」に上書きしたのだ。結果は成功だ。
「おし、次」
俺は結果に満足しつつも再度、小爆石を取り出す。
そして、それを自らの手のひらにのせ.......。
「爆ぜろ」
その言葉と同時に小爆石が爆ぜる。
本来、そんなことをすれば俺に爆破ダメージが与えられるのだが、そんな事はなかった。爆ぜる時に自分への爆破ダメージを無効とすると念じたのだ。結果は言うまでもない。現に俺へのダメージは皆無。成功だ。
「これは凄いな。使いようによっては戦闘職と戦って圧勝も夢じゃない」
その後も実験を重ねたが出来ないこともあった。
それは、爆破ダメージと爆破範囲の変更だ。
逆に出来ることは発動のトリガーの変更とダメージを与えるターゲットの選択といったところだろう。
ともあれ、結果に満足した俺は一旦始まりの街であるカンベリへと帰ることにした。
「帰り道の道中にドロップアイテムの確認でもするかな」
俺はメニューからストレージを開き足を進めた。
今回の成果は小爆石×152、レッドジェル×18、赤の指輪×1だ。
小爆石については戦闘中に消費したものは除いてこの数字だ。元は二十個しか無かったがかなり増えた。倒せば確実に1~2個もドロップしたのだ。 レッドジェルはたまに手に入る程度で用途不明。赤の指輪は現状で約四百分の一の確率でドロップしているので相当レアなものなのだろう。
さて、戦果の確認も終えたし必要のないものは売りに行くとしよう。
カンベリに着いた俺はマップを開いて商業区域へと向かったのだった。
□
「おぉ。流石は商業区域。人が多いな」
商業区域に着いた俺は余りの人の多さに驚いた。
どうやらカンベリは北の門が一般的にで使われることが多いらしく、必然的に北が賑わうのだとか。商業区域は比較的大通りになっていて道の端には露店がぎっしりと並んでいた。
もちろんNPCとプレイヤー両方とも露天を出している。
「せっかくだから他のプレイヤーと交流を持ちたいなぁ」
そう言って露店を見て回る。
何軒か見てみて面白いアイディアが浮かんだりもしたが欲しいものが買えるほどのお金がないものでウィンドウショッピングだけとなった。
「お?」
こんな感じでウィンドウショッピングを続けていたのだが、やたらとでかい露店に張り出されている小さな広告が目に入り足を止めた。
どうやらその大きな露店はどうやら複数のプレイヤーによって経営されているようだった。
俺は張り紙の件もあり声をかけることを決めた。
「すいません。ちょっといいですか?」
「はーい。らっしゃい!おお?」
「?」
俺が呼ぶと、露店の奥にいた女性が小走りでやってきた。そして俺の顔を見るなり首を傾げる。
「どうかしました?」
「んとねー。見た目的に初心者のプレイヤーが来たから何か聞きたいことでもあるのかなってねー」
その女性は口調は砕けてはいるがいい人そうだった。
初心者に対してこの対応は素直に好感が持てる。
「聞きたいことといえば聞きたいことなんだけど.......この張り紙に書いてあることってほんと?」
「あぁ。コレ?そうなんだよー。火耐性が付与されたアクセ装備の情報をNPCからききだしてねー?魔物からのドロップすることまでは分かったんだけど、どの魔物からドロップするのか分からなくてねー。情報と現物持ってこれば高値で買うよって広告だしてんだー」
.......えぇ。
『赤の指輪』ってこんな大きな露店を開いているプレイヤー達が広告出すほど欲しがる物なのか?にしては広告小さいな。
一応欲しがる理由も聞いておくか?
「へー。そんなにレアな品なのかー。どうしてそんなに必要なのー?」
「それはねー南のボス攻略に役に立つからだよー?あと、口調は真似しないでほしーな?」
やべ。
めっさ怖い。
笑顔が急に真顔になった。
人の真似はあまりしないようにしよ。
「悪かった。で、本題にはいるんだけど。君たちはコレにどれ程の値をつけるんだ?」
俺は『赤の指輪』を取り出し、目の前の女性プレイヤーにチラつかせる。
「ちょ!?それ!!どこで手に入れたのー!?」
「おいおい、せっかくの情報なのにこんな目立っていいのか?」
「あっ」
彼女は気を取り直し.......。
「ちょっと、奥ではなそーか?もちろん高く買うつもりだからさー」
彼女は露店奥にある暖簾のかかった半個室を指をさしながら言った。
もちろん。俺は中へと行く選択をした。
暖簾をくぐった先は至って普通であった。
中心にテーブルがあり椅子がある。ただそれだけだった。
「ごめんねー、こんな所で。本来ならこういう商談の場を設ける時は本部を使うんだけどさ?」
「あ、お構いなく」
「うん!それと、私の名前はライナ。この露店を出している生産職のギルド『想像=創造』のギルドマスターだよー。君はー?」
「俺はヴァルカだ。昨日始めたばかりの初心者だよ。一応、生産職だ」
この『想像=創造』は現在、生産職ギルドのトップに君臨するギルドだったはずだ。ギルド名を聞いて驚いたが。顔には出さなかった。
俺の自己紹介が済むとライナはニヤリと細く笑い話を進めた。
「じゃあ、本題にはいるんだけどー、情報と指輪セットで20万でどうかな?」
大きく出たな。
まぁ、今の俺からしては大金だ。
だが適正価格では無いのが見え見えだ。
本当に欲しい品であれば広告をあんな小さなものにするわけが無い。それに即決で金額をチラつかせる辺りが何とも怪しいし、ボス攻略の有効アイテムが20万?サービス開始から二ヶ月も経ってるのに未だ倒せないボス攻略の情報がたったの20万。安すぎるのだ。
それも踏まえて交渉開始だ。
ちょいとお灸を据えてやらないとな?
面白い。続きが読みたい。
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やる気につながりますのでw