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リベンジ戦:前半

今日の投稿です!

今回の話は個人的に好きですw


装備を整え、準備も終えた。

そんな俺は、現在、鉱山麓に来ていた。


「そろそろ見える頃だ」


そう言って、先を進む。

やがて、見えてくるのはレッドプレイヤー達が張ったであろうテントのある拠点だ。


そして、レッドプレイヤー達の拠点が視界に入る。……次の瞬間だった。

前回、俺のHPを全損させたであろう魔法の雨がこちら目がけて降り注ぐ。


「二度も同じ手にかかると思ったのか?ロックウォール」


俺は魔法の雨を『魔封陣』に込められたロックウォールで防ぐ。だが、ロックウォールがこの数の魔法に耐えられるのは持って数秒だ。俺は、すぐさま次の行動へと移す。


俺はストレージから取り出したアイテムを使用する。


次の瞬間、俺はその場から消えた。

そして、現在は南部鉱山入口にあるレッドプレイヤーの拠点のど真ん中にいる。


「な!?瞬間移動だと!!」


俺が拠点の中心に現れたことに対し、レッドプレイヤー達から驚きの声が上がる。


「瞬間移動のユニーク持ちだ!囲め!!頭とほかの仲間が帰ってくるまでの間、なんとしても拠点を守り抜くぞ!!」

「「「おう!!」」」


なるほど。

やけに人数が少ないと思ったらそういうことか。

頭と他の仲間は南部鉱山でレベル上げと言ったところかだろう。


因みに、言うとだ。

今回、俺が使用したアイテムは『離脱石』。

効果は戦闘中に使用すると自分がいる位置から50m範囲にランダム転移するというもので、再度使用するのに一時間を要するアイテムだ。それを、俺のユニークスキル【アイテム効果支配】によりランダム転移の位置を任意にしたのだ。

決して瞬間移動のユニークスキルなどではない。


「意気込んでるところ悪いが、もう終わりだ」


俺は地面に向かい、一見、黄色い結晶であるアイテムを叩きつける。そのアイテムの正体は『麻痺結晶』。一定の衝撃を与えると、結晶を中心とした半径20mのプレイヤーに麻痺のバットステータスを与えるという使い所に困るアイテム。

何せ加工不可アイテムで、プレイヤーにしか効果は出ず、かつ広範囲。使用したプレイヤーが普通に使用すれば自爆必至のアイテムなのだ。

投げれば有効なアイテムだが、こんなアイテムを使うのはレッドプレイヤーくらいだろう。


『麻痺結晶』により、俺を取り囲んだレッドプレイヤー達は麻痺にかかる。

そして、レッドプレイヤー達は俺をマヌケを見るかのように笑みを浮かべた。

俺が麻痺の効果を受けていないと知らずにだ。


俺は彼らに構うことなくストレージから『爆石:飛ノ型』を取り出した。

俺が麻痺にかかってないことに驚いたレッドプレイヤー達が大声で騒ぎだす。


「な、なんで動ける!!」

「こんなの反則じゃねぇか!」

「チートだ!運営に通報したかんな!!」

「理不尽チート野郎!!」


やれやれ。

ここまで言うとは。

反則と思われるのもチートと言われるのも全て承知の上だ。

だが、理不尽と言ったのは聞き捨てならない。


「反則?通報?……まぁ、好きにすればいいけどさ。理不尽に大勢のプレイヤーに迷惑をかけてるヤツらに理不尽とだけは言われたくないな」


そう、言い捨て、麻痺で動けないレッドプレイヤー一人一人に『爆石:飛ノ型』を投擲した。もちろん、全滅するまでそれを続ける。


「あらかた片付いたな。ざっと三十人ってところかな」


そう呟いた時だった。

南部鉱山入口からとてつもない速度でこちらへと走る人影が目に入った。


その人影は俺から20メートル離れた位置で急停止した。

俺が再度『麻痺結晶』を使用する素振りを見ての行動だろう。


「速いな。お前が奴らが言っていた頭か?」


俺は先程の人影だった女性に問う。

その女性は血のような赤髪、赤目で赤の鎧と刀身の赤い剣を装備した外見だった。装備は【塗装】によって染められたもので、ただの銅の鎧と銅の剣だ。

だが、鎧を着ていてこの速さ。

ステータスに大幅な補正が入るユニーク持ちなのは言うまでもない。


「それであっているわ。無論、死にゆく人に話しても無駄なことだけどっ」


彼女はそう言うと、その場から消えた。

否。俺の目では捉えることの出来ない速度で移動したのだ。


「爆ぜろ」


彼女が視界から消えた瞬間。

俺は『ヴァルカンコート』の右手に【接着】した『爆破銅』製篭手パーツに命令を下す。

目に追えないほどの速度で攻撃を仕掛けてきた彼女は爆発により、固定の爆破ダメージ中とノックバック小を受けることとなる。


「くっ!?この速度に対応するとは!!……お前、名前は?」

「ヴァルカだ。第二陣プレイヤーの生産職だ。……俺は答えたんだ。お前も名乗るのが礼儀だ」


俺は問いに答え、同じ問を彼女に返す。


ともあれ、本音を言うと今のは危なかった。

彼女は「この速度に対応するとは!!」と驚いていたが、それは違う。

彼女が視界から消えた=攻撃を仕掛けに来た。と、予想したまでに過ぎない。フェイントを入れられたりでもしたら呆気なくやられる所だった。


「……私はアカネ。先程、貴様が倒したレッドプレイヤーたちの頭だわ」

「アカネか。正直言うとあからさまで面白いな」

「何がよ?」


俺の言葉に?マークを浮かべた様子のアカネ。

俺は「面白い」の意味を挑発の意を込めて、説明してやる事にした。


「なに、名前のことだ。AWOはプレイヤーの名前を知るまで名前が表示されないし、レッドプレイヤーを判断するのはプレイヤー頭上のカーソルだ。だが、別のMMOだとレッドプレイヤーの名前が赤く表示されることが多い。そして、名前が赤い者をレッドネームで『アカネ』と呼ぶことがあるんだ。面白いだろ?アカネという名のレッドプレイヤーが目の前にいるのだから」


アカネは俺の挑発に顔を赤くして激怒した。

そして、俺に再度攻撃を仕掛ける。


「爆ぜろ」

「がはっ!!」


アカネはまたしても爆破ダメージとノックバックを受ける。

俺が挑発により攻撃を誘導したのだ。

攻撃が来るとわかってしまえば防ぐのは容易い。彼女はまんまと俺の挑発に乗ったということだ。

しかも、今回はストレージから取り出した『爆破鉱』を使用した為、無意味にヴァルカンコートの装備破壊をすることなく攻撃を防げた。『爆破銅』のパーツが破壊される度に防力が-10されることもあり、必要最低限の装備破壊は俺の望むところではないのだ。


「……ヴァルカと言ったわね。第二陣プレイヤーてま生産職にしては理不尽なまでに強いじゃない。その理不尽な強さが気に入ったわ。どう?私の仲間にならない?そしたら、先程の挑発はなかったことにしてあげるわ」

「断る。無害なプレイヤーを理不尽に手にかけるほど暇はない。何より、そんなことをして楽しいとは到底思えないし、そんな事をしたら怒りそうな友達もいるしな」

「そう。残念だわ。……そろそろ私の残りの仲間達が追いつく頃ね。数は七十ってところだけど、生産職風情の貴方が、その数の遠距離攻撃を受けながら私の攻撃を防げるかしら?」

「それは骨が折れそうだ。……だが、生産職が戦闘職に勝てないと誰が言った?」

「そこまで言うとは見物ね。思う存分足掻くといいわ……来たわね」


彼女がそう言うと南部鉱山入口からワラワラと七十を超えるレッドプレイヤー達が此方へと向かってくる。


「頭、大丈夫ですか?見たことの無い顔のプレイヤーですが、頭が倒しきれない相手とは相当の手練なのでしょう」


そう言うのはレッドプレイヤー達の先頭を切っていた一見、魔法職の男性のプレイヤーだ。

どうやら頭が回るタイプらしい。


「さすがチオウね。このヴァルカと言う少年は、先にやられた仲間からの情報によると瞬間移動を使い、『麻痺結晶』使用しても麻痺を受けなかったそうだわ。それと加えて私の攻撃を二度も防いだ。あれは爆破ダメージとノックバックね。ぜひ貴方の意見を聞かせてもらいたいところだわ」

「ふむふむ。そうですか。なるほどなるほど。……おそらくですがアイテムの効果を弄れるユニークスキルの持ち主でしょう。これまた厄介な能力ですね」


これはなかなか面白い展開だ。

駆けつけた仲間の一人が俺のユニークスキルを見破るとは。此奴は早々に排除しないと後々面倒そうだ。


俺はそのチオウと呼ばれた男に『爆破銅:飛ノ型』を四本同時に投擲する。


「甘いわ!」


だが、俺が投擲した『爆破銅:飛ノ型』はアカネの【斬撃】により、チオウに当たること無く空中で爆ぜた。


「ほうほう。これはこれは。なかなかに。面白い!!爆破する投擲武器ですか。面白いアイディアです。これはぜひ真似したいものですね」

「それは困る。俺の取っておきの武器だ。悪用はしないで欲しいんたが?」


マジでやめて欲しい。

これは俺の主力武器で生産職でも戦えるよう考えた武器だ。俺は無害なプレイヤーを虐殺するために爆破投擲武器を作ったのではない。


「それはこちらに関係の無いことですね。……頭?彼の攻撃の防ぎ方ですが、来ると分かっているものでしか防げないと判断しました。これさえ分かれば、頭の敵ではありませんね」

「そう?ならばさっさとケリをつけようかしら」


全くもって厄介な奴だ。

ことごとく俺の手を当ててくる。


そして、アカネがその場から消えた。

次の瞬間、七十を超えるレッドプレイヤー達の魔法や遠距離型の技能アーツが俺目がけて降り注ぐ。


「無重力回避!!」


俺が咄嗟に叫ぶと『ヴァルカンコート』ポケットから紫の光が放たれ、直後に『ヴァルカンブーツ』が爆ぜた。それと同時に俺の体は勢いよく垂直に飛翔した。


俺がポケットに仕込んでいたのは『無重力結晶』。使用したプレイヤーを十秒間無重力状態にする無重力体験用のお遊びアイテムだ。無重力状態で下からノックバックを与えてやることにより十秒間上昇し続けると言う大胆な回避法だ。もちろん十秒後に待つのは落下だ。


俺はこれによりレッドプレイヤー達の攻撃を避けることに成功した。


だが。


「甘いわね。私がこの程度の高さに移動できないとでも?」


俺の背後から勝ち誇ったアカネの声。

彼女は純粋なステータスによるジャンプで俺の『無重力回避』に追いつき、なお上昇する俺と肩を並べていたのだ。


「まさかここまでとはな」

「私のステータスを見くびり過ぎたわね。背後がガラ空きよ?でもまぁ、このまま倒すよりも落下死の方が貴方にはお似合いかしら?」

「ほざけ。着地の対策をしていないわけないだろ?」

「それを私に教えてしまうのね。貴方はどこまで余裕なのかしら?私がいつでも背後から攻撃を仕掛けれるというのに」


アカネは笑いを含んだの声で俺に言う。


「話す隙があったら攻撃を仕掛けた方が良かったと思うけど」

「そうね。そうするわ」


彼女が剣を振り下ろす。

その剣が俺を切り裂こうとしたその時だった。


「吹き飛べ」

「っな!?」


アカネが振るった剣は俺に当たることなく空を切る。


俺の命令によって発動した二つのアイテムの効果が彼女を襲ったのだ。使用したアイテムは『無重力結晶』と『爆破鉱』だ。【アイテム効果支配】により効果を俺ではなくアカネに指定したのだ。これにより彼女は無重力のまま俺の背後……つまり、カンベリ方面へと十秒間も吹き飛ぶこととなる。

あの勢いだと岩石地帯の中腹まで飛んでいくだろう。


空中で体を捻り、アカネの方を向く。


「このやろおおぉぉぉぉーーー」


そう叫びながら遠ざかっていく彼女に満面の笑みで手を振ってやった。

そこで、やっと俺の『無重力結晶』の効果が切れる。


俺は落下しながらも彼女が小さくなっていくのを敬礼しながら見送るのだった。

アカネちゃんが飛んでいってしまいましたが、頭がいなくなってしまったレッドプレイヤー達はどうなってしまうのでしょうね?


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