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ありきたりな異世界での日常  作者: 自動壊腹
第一章 仲間との出会い
8/10

狩猟

第八話!

最近、読んでくださる方が増えて嬉しいです!

今回のは、前回までの内容を理解している前提なので、何か分からないところがあったら前までの分を読んでみて下さい。

あ、どんなことでもいいので読んだ感想を教えて頂けると幸いです。


んじゃ、本編どーぞ!

 現在地は、屋敷の近所の山の麓。

 メンバーは僕とリラさんとディステル、それからオルキスとオレア。

 目的は食料調達兼特訓、らしい。

 何だかRPGみたいだな。とはいえ、回復薬やら魔導書やら魔法の杖、マップさえ誰も持っていない。初心者に優しく無いゲームは売れないっつーの。まあ、ゲームじゃなくてリアルなんだけれど。






 あれからと言うものの。

 朝食を終えた僕は部屋に戻り、悪魔と雑談したり一人ベッドに寝転んでぐーたらしていた(スマホやPCやゲーム機が無いからか、かなり暇だった)。そんな中、リラさんが僕の部屋に訪れた。なんでも『狩りの前に準備が必要だから付いてきな』とのこと。二人で100メートル走が出来そうな程に長い廊下を歩いていった。否、多分廊下100メートル以上あるな。小中学校が一つは入る位に広い屋敷だ。まあ、小中学校とは印象が結構違うのだけれど。豪華も豪華。この世界での普通の住宅がどのようなものかは分からないけれど、何だか浮世離れしてそうなイメージ。まあ、何はともあれ、僕達は或る部屋に辿り着いた。扉を開けると、そこには二人の女性がいた。

 一方は軍服のようなスーツのような服を身に纏い、長い黒髪を後でポニーテールにしている。年齢は多分僕と同じ位。昨日、僕のことを脅してきた人―――ヴァイオレットだった。

 もう一方は、ヴァイオレットの少し大人びた印象とは真逆、如何にも女の子といった感じの見た目。綺麗なドレス(フリルいっぱい)を身に纏い、椅子に座っている。名前は、知らない。通称『お嬢』。

 これから狩りだというのに、何故、この二人のもとへ来たのかと言えば、僕が狩りに使う武器を借りる為である。リラさんは、あくまで護身用、と言っていた。ここはお嬢の部屋で、隣がヴァイオレットの部屋。二人の部屋は扉で繋がっていて(言うなれば、学校の理科室と理科準備室が繋がっているイメージである)、ヴァイオレットの部屋はもう殆ど武器庫のようなものだと言う。まあ、ベッドやら衣類やらは流石に自分の部屋にあるらしいけれど、基本、日中はお嬢の部屋にいるのだとか。

 僕は、ヴァイオレットから手軽な武器を借りた。軽めの剣、小刀、その他。初期装備にしては上物だった。

 その後、僕達は準備を終えた他三人と合流し、狩りへと向かうこととなったのだが。


「屋敷の近くに、こんなにデカイ山があったとは……」

「まあ、ここらは田舎の方だからなぁ、害獣が近所の畑とかを荒らすと依頼が来るっつー訳よ」

「んでその依頼を請け負って、害獣やッつけて礼として金とか野菜とかを貰う」

「まあ、生きてく上では仕方の無い事だからね。あ、でも依頼は害獣駆除だけじゃ無いんだよ?大工のお手伝いだったり近所のレストランの店員の代理だったりね」


 オルキスは、まるで言い訳かのようにそう言った。

 いや、それもう、只の人材派遣会社じゃね?

 そう思いつつも黙って話を聞いていた。


「とまあ、色々な依頼が来るから基本的には皆、家事全般出来るんだよ。一部例外もいるけれどね」

「……五月蝿い」

「あはは、ごめんごめん」


 オレアが拗ねてしまった。男だからか、可愛いとは思わないけれど。しかも真顔だし。

 そういや、マナさんも無表情だったなあー。オレアとマナさん、無表情キャラ二人もいるのか。キャラが完全に被っている訳じゃ無いのが救いか。マナさんは無表情キャラなのに雄弁だったけれど、オレアは無表情で基本無口。性別が違う以上、キャラが被る心配も必要ないか。


「しゃぁねぇだろ、オレアは不器用なんだしよぉ。その代わり、屋敷の中じゃぁ一番の戦力じゃねぇか」


 でも、初めて会ったとき、何か作っていたから器用なのかと思っていたけれど、違うのか。

 というか、え?戦闘力一番なの?まじか、屋敷のメンバーの中で一番背が低いじゃん。あの精神年齢低そうなお嬢より背低いじゃん。しかも年下じゃん(年齢確認して無いから確かとは言えないけれど、恐らくは年下)。そんなに凄えのかよ、コイツ。


「姐御ォ、ここら辺じゃなかッたか?」

「もう少し先だ、何なら先に行って片付けて来ても良いぞ?」

「どんだけ狩りしたくねェんだよ、アンタは」

「今、私の事をアンタっつったか?良い度胸じゃねぇか、あぁん?」

「サーセン……」


 リラさん、怖いっす……。

 何で僕達まで怖がらなくちゃいけないんだ……。


「そう言えば、これから何を狩るんだ?狩りだとは聞いてたけれど、何を狩るかまでは聞いて無かったわ」


 僕がそう言うと、目の前に突然、猪が現れた。

 すると、リラさんが僕に向かって一言。


「喜べ少年、今日の晩は豚肉だ!!」


 大声でそう言って剣を構えて走り出したのだった。

 ……。

 いや、豚じゃなくて猪だし。






「そりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

「……」

「とりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

「……」

「てりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


 リラさんの剣捌きは、思っていた通り、ちゃんとしていた。けれど……。


「待てやコラぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


 猪の走るスピードには敵わなかった。猪突猛進だった。確か猪の走る速度って100メートル8秒とかじゃなかったっけ。そりゃ追いつかないわな。さっきから同じ場所何回も走り回ってるし。因みに僕を含め男四人は見学中。リラさんが『今日は私一人でやるっ!うおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!』とか言って全力疾走して行ったから。でもさ、何というかさ、言っちゃいけないんだろうけれどさ。


「待て私の晩ごはーーーーーーーーんっ!」


 傍から見ると、物凄く馬鹿っぽい光景なんだよなあ……。






 恐らく、あれから十分位は経っているだろう。

 先程までの森林の姿は、もう既に無くなっていた。

 いや、場所自体は同じなのだけれど。

 周囲の木々には、傷や血痕が付いている。生えている雑草の殆どは彼女によって踏み潰された。樹木の葉が風にざわめく中、遠くから見ていた僕達はざわめくどころか言葉を発することすら出来なかった。それどころか動く気さえ湧かない。数分前までは走り回っていた猪は微動だにせず、彼女の足下に転がっている。彼女の持つ剣は光沢すら見えぬ程に、赤く血液が塗りたくられているかの如く染まり切り、その液体は彼女の身体にまで飛び散って服は所々破れているようだ。


「ハハ、ハハハハハハハハハハハハハッ」


 うわー、血塗れで高笑いしてるよ。いよいよ猟奇殺人鬼じみてきた。実際、狩猟なんだから仕方無いかもだけれどさ。いや、でも、うーむ。何というか、兎に角怖い。

 僕の中での彼女―――リラさんのイメージが180度、否、540度位変わった瞬間だった。

 いつも、こんな感じなのだろうか。走り回って追いかけ回って虐殺して。木も草も仲間さえも気にすることなくただ殺して、勝ち誇ったかの如く、嘲笑うかの如く、まるで世界が自分のものになったかのような表情で笑っているのだろうか。もしかして、本当はリラさんが悪魔なのではないのだろうか……。


「多分だけれど、なんつーか、また猪が出てきたら、きっとリラさんは笑顔で剣を振り回すんだろうなあ……」

「姐御だったら、やりかねねェよな」

「……うん、確かに。リラ姐ならあり得る…」


 オレア、リラさんの事を『リラ姐』って呼ぶんだな。確かにリラさん姐御肌だもんな。

 そう思っていると、がさがさと。

 木の陰から猪がもう一匹出てきた。フラグ回収早っ!


「待てぇぇぇぇぇぇぇぇっ!アハハハハハハハッ!」


 ……。

 え?またやんの?







「にしてもよォ……」


 リラさんが体中血塗れで猪(二匹目)を追いかけている最中、ディステルが話を切り出してきた。この状況で始まる会話の話題がどんなのかなんて想像出来ないけれど、まあ聞いてみることにした。


「ホント、全然無ェよなァ」

「うん、可哀想だよね。飛んでも跳ねても全然だよね。姐さん、本当に女なのかな……」

「走り回っても剣振り回しても猪切り刻んでも、そもそも揺れるモンが無ェもんな」

「え?お前ら何の話してんの?」


 いや、何となく予想はつくのだけれど。

 念の為、訊いてみる。もし違ったらめっちゃ恥ずかしいし。


「アァ?んな事ァ決まッてんだろうがよ」

「……どうせ胸のことでしょ?」

「んだよオレア。別に良いじャ無ェかよ、男のロマンだぜ?」

「フッ……発情期が…大体、ぼくをディスと同類にするな、気持ち悪い…それにロマンとか言ってるけど実際、只の欲望じゃん…全く、これだから…はあ…」

「いや、これだから何だよ。つーかお前、殆ど喋らねェ癖してホント口悪ィよな……」

「……それにさ、それを言うならディスだって全然無いじゃん、胸…」

「当たり前だろーが!俺は男だッ!」


 口調といい会話内容といい結構酷いな、コイツら。

 そんな会話をしていても、ディステルの一人称が変化していることに気が付かない僕じゃあない。

 お気づきだろうか?前はディステルの一人称は『俺様』であった。しかし、先程はと言うと『俺』になっているのである。

 これは、僕に対する信頼度や親愛度と、今ディステルと会話をしていた彼―――オレアに対する信頼度や親愛度の差ということなのだろうか。彼は、どういう意図で一人称を変えたのだろうか?さて、読者の皆様はどうお考えになるのだろう?

 ……は?

 僕は一体、何を言っているのだろうか。一人称を変えることなんて、よくあることじゃないか。

 いやいや、僕が言いたいのはそこじゃない!なんだよ『読者の皆様』って!

 ああ、分かった、分かったよ。全部彼奴の影響だ。

 ここで一旦休憩、深呼吸して……

 あのクソア(ク)マァァァァッ!絶対、彼奴のせいだ!彼奴が散々メタ発言がどーのこーの言っていたからだ!屋敷に戻ったらぶん殴ってやる!

 ふう…一旦落ち着こう。

 まあ、この際それは良いとして。


「なあ、ディステル」

「アァ?んだよ」

「お前、一人称変わってるけど、何でだ?」

「は?んな事ァ知らねェよ、俺に訊くな」


 いや、お前の事だろ。

 お前に訊かずして誰に訊けってんだよ。


「俺様の一人称が儂だろうが吾輩だろうが、んな事ァわらわの勝手だろーが」

「あーディステル、『わらわ』は女性の一人称だって事知ってる?」

「マジで⁉」


 アホだコイツ。

 きっとオルキスが言わなければ気付かなかったんだろう。目を見開いて驚いている。


「アハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!」


 どうやら二匹目も終わったらしい。相も変わらずリラさんは高笑いしていた。血液が顔にこべりつき髪からはぽたぽたと滴っている。


「流石にもう出て来ねェだろうなァ」

「それはフラグか?」

「アァン?何じゃそりゃ」


 もうディステルの知能指数が低いのは言うまでも無かった。

 リラさんが笑顔でこちらに手を振っている。握っている剣がぶんぶんと左右に揺れて、血液が周囲に飛び散っていた。


 ホント、人生楽しそうだなあ、あの人。






 血塗れの猪二匹、完全に息絶えている。

 その二つの肉塊を布の袋に詰め込んで、と言うか投げ入れて、彼女―――リラさんが肩に担いだ。血で赤く染まった服も相まってさながらサンタクロースのようだった。いや、こんな奴が夜中に来たら子供が泣くわ。


「相ッ変わらず凄ェな、姐御」

「凄い時間かかったけれどね。でも、姐さんの体力本当に凄いよね。全然息切れしていないじゃない」


 確かに、全く息切れしていない。どころか汗をかいていない。血塗れだから全くかいていないとは言い切れないけれど。リラさんなら半永久的に懸垂出来る気さえする。でも、体力があっても別段、走るのが速いと言う訳でもないようだ。筋肉質のようでもないらしい。


「よし、お前ら帰るか」

「もう良いんですか?」

「だーかーら、敬語止めろっての。あぁ。やり過ぎは駄目だかんな、何つったっけ?えーっと」

「……秩序…」

「あぁ、それだ。鉄序だ」

「姐さん、鉄序じゃない、秩序だから」


 誤植と言うか、書き間違いと言うか。

 どうやらリラさんもバ―――

 …何だか何処からか殺気を感じたから言わないことにした。

 流石にそんな事、本人には言えない。


「もう暫く来なくて良さそうだなぁ」

「ここまで血ィぶち撒けたら怯えて山から下りて来ないだろうしなァ」


 なるほど、血をぶち撒けたり木を傷付けたり、あの行為には意味があったのか。野生のクマがやるような縄張り表示、言わば威嚇のようなものだった訳で。

 まあでも、それでも。

 それでも、傍から見たら只の変人だったけれど。

 だなんて。

 これも本人には言えないな。







「あ」


 それは帰路の途中、かろうじて舗装された山道を歩いている最中だった。

 ディステルが思い出したかのように、声を漏らし、立ち止まった。否、『思い出したかのように』と言うよりは『何か気付いたかのように』の方が、この場合、正しいのかも知れない。それでも、彼が何故声を漏らしたのかなんて、それこそ、彼以外―――僕とリラさんとオルキス、それからオレアさえも、理解していなかったように思える。


「あぁん?どした?」

「後方―――約1キロメートル―――来てる、猛ダッシュで」


 ディステルが途切れ途切れ言葉を口に出す。

 僕は、彼が一体全体何を言いたいのか、さっぱり分からなかった。けれど、僕以外全員、その後ろから来る何かを警戒していた。


「久しぶりだなぁ」

「ディス、大きさは?」

「高さ3メートル―――いや、4あるかも」

「……ディス、一つ質問…」

「アァン?」

「…………ぼく一人で、いける?」


 オレアからのその質問に、ディステルは『フッ』と笑い、そして堂々と、自慢げに答えた。


「アァ、十分だ」

「……わかった、じゃあぼくが殺る…」


 ぼくが、一人で。そう言って、僕が状況の把握が出来ないままに、オレアが進行方向とは真逆、その何かが来る方向に向かって構えた。持ち物、無し。さながら陸上のクラウチングスタートのようなポーズで、そのまま、タイミングを見図る。

 少しして、僕の視力でやっとその後ろから来る巨体を確認した。轟音を立てながら、地を抉るかの如くスピードで走るその光景は、猛ダッシュなんて言える程に生易しいものでは無く。

 猪。

 先程リラさんが狩った害獣。

 姿形は先程見たそれに似ている。が、しかし。全く以て違った。身体の大きさのみならず、目つきは野生の動物と言うよりかは、野生の怪物といった感じだった。スピードも、先のそれよりかは圧倒的に速い。

 その怪物は、僅かに舗装された道幅ギリギリ程の大きさだ。


 あんな大きな奴、本当に倒せるのか?


 僕がそうオレアに声をかける前に、彼は目の前の怪物めがけて飛んだ。

 右足で、片足で地面を思い切り蹴った。

 彼の身体は空中を飛ぶ。地面とほぼ平行に、一直線に。

 この場合、『飛んだ』という言葉は比喩なんかでは無い。

 本当に飛んだのだ。ロケットスタートだ。火が点いたかのように。豪火が消える程の速度で。

 彼が、その怪物の元へと辿り着くまでに、一回も、その足が、身体が地面と接触することは無かった。彼は一蹴りで200メートル以上も飛んだのだった。

 次の瞬間。

 右足の爪先が、怪物の顔面を抉った。

 彼は身体を空中で回転させ、横向きに右脚を振ったのだ。怪物の巨軀は真横に吹き飛んだ。二転三転。木々を薙ぎ倒し、その動きが止まる頃には既にオレアは着地していて。


「……終わったよ…」


 彼がそうあっさりと、さも当然かのように言うものだから。

 その姿にただ呆然とするしかなくて。


「わー、すっごーい」


 僕はただ、そう言うことしか出来なかったのだった。

 締まらねえなあ、全く。







「流石だな、オレア。蹴り一発で仕留めるとはなぁ、やっぱ屋敷一だな」


 場所は変わって、先程オレアが吹き飛ばした巨大猪の付近。

 リラさんがしゃがみ込んで巨大猪の生死を確認し、感心したようにオレアに向かってそう言った。


「……別に、これくらい出来て普通でしょ。出来ないリラ姐がクズなだけだよ…」

「お前に言われちゃぁ、言い返せねぇなぁ……」


 オレア口悪いなあ…。

 しかし、これ程までの巨体―――自らの三倍近くある、しかも突進して来るものを、彼はたった一蹴りで、文字通り一蹴してみせたのだ。これは普通に凄いと言うべきだろう。


「にしてもよお、どうやって、あんな強力な蹴りが出来るんだ?」

「……知らないよ。そんなこと、ぼくに訊かないでよ…」

「だから本人に訊かずして誰に訊けってんだよ!」

「……いや、『だから』って言われても…一回も言われたこと無いし…」


 そう言えばそうだった。

 なんだかんだ言ってオレアも結構喋るなあ。何だよ、それじゃあ殆どマナさんとキャラ被っちゃうじゃんかよ。


「でも、こう言うのって魔法とか使えれば、もっと簡単に出来るのになあ…」

「え、あ、いや、あー、えーっと…」


 オルキスが反応に困っている。

 あれ?何か変なこと言ったかな?


「なァ、お前よォ」

「あ?」


 よく見ると、他の全員も渋い顔をしている。

 あれ?あれれ?僕、何かやっちゃったかな?


「お前、魔法がどんなんか知ってるのか?」

「え?」

「あー、なるほどなァ。お前、基礎知識が無ェんだな」


 いや、お前に言われたか無いわ。

 だけれど、基礎知識が無いのは事実だ。この世界での生活はまだ二日目だからな。目の前にある巨大猪についても何も分かっていない。まあ、事実だ。否定出来ない。


「んじゃぁ、屋敷に戻ったらメイドさんに色々教えて貰えよ」


 アンタらは教えてくれないのかよ。

 まあいいや。

 と言う訳で、僕達は帰路につい―――


「あれ?コレ―――このドデカ猪、どうするんだ?」

「アァン?放置」

「もしかして、魔法について知らないってことは、魔獣がどんなものだかも知らないって事なのかな?」


 魔獣。

 魔獣?

 ああ、魔獣。

 魔獣なんだ、コレ。

 魔獣を一発で仕留めたのか、オレアは。

 へー、ふーん。

 凄いのかどうか分からないけれど、多分凄いんだろうなあ。

 と言う訳で。

 改めて、僕達は帰路についたのだけれど。


 この後、僕にどんな運命が待っているのか、僕はまだ知らなかったのだった。


 ……。


 え?この後僕どーなっちゃうの?


どーだったですかね?

引き続き読んで頂けると嬉しいです!

まあ、また期間少し空いちゃうかもですけれど。

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