game over...?
一話から結構期間空いちゃいました。
読んでくれる人がいるか分からないけれど、
まあ、これからも書いていくつもりです!
それじゃ、本編どーぞ
「…ぇ?」
ただ白い空間に一人きり。
何も無い。いや、ほんと、うん。
驚いた。驚き過ぎて、何というか…。
一周回って寧ろ冷静になってしまっている。
「えーっと…」
取り敢えず、状況確認がしたい。
持っている情報。
壁も天井も見えない。有るかどうかさえ不明。
ぽつんと。
ただ一人、ぼっち状態。
さっきまで座っていたベンチすら無い。
てか、立ち上がった記憶が無いんだが…。
要約すると、何も無いし、誰も居ない。以上。
「情報ほぼ皆無じゃん…」
結局、何処なんだよ此処…。
誰も居ないから話を訊けないし。
何も無いから推測が出来ない。
身体に傷は無し、拉致られた訳じゃなさそうだ。
ドッキリでも無いだろう。
自然現象…なわけ無いか。
だとすると…
「全っ然分からんわ、何なんだよこの状況」
「ま、この状況で把握できるわけ無いよね〜」
後ろから急に声がした。
驚いて振り向くと、そこには…。
そこには、「何か」がいた。
そう、何か。何かと言うべき何かが、いた。
ただ平然と。さも当然かの如く。
人間の形はしている、帽子を被って服も着ている。
なんだっけ?白ランだった気がする。
白ランで白髪でソフトハットまでもが白。
徹底してんなー。白ランとハット合わなくね?
中性的な顔立ちに断崖絶壁の胸部。
体格はがっちりしている訳でなく、かと言ってめっちゃ痩せてるという訳でもなく。
なんとなく、中肉中背の美少年といった感じか。
「ん?何だよ〜そんなにボクのこと見つめちゃって。どっか変かな?」
「いや、別に」
声は高くもないし低くもない。
おまけに一人称はボクだし。
無理、お手上げ、雌雄判別不可。
「はは〜ん、さては突然現れたボクに見惚れ…」
「それは無い」
「まったく〜、素直じゃないな〜。そんな君も良いと思うゾ☆」
やめろ、ウインクすんな。
あ、アレだ。偶にいるノリが変な奴。
僕が一番苦手なタイプ。
なるほど、どおりでさっきからウザいと思う訳だ。
でもまあ、何というか、
「人間っぽくないんだよな…」
「え?何か言った?」
「いや、何でも無い。ただの独り言」
「そう、なら良いんだけど」
人間っぽくないというか、人間味を感じないというか、何処か違和感がある。何だろ? 分からん。
取り敢えず、今一番知りたいことを聞いてみる。
「此処って何処なんだ? 何で僕はこんなとこにいるんだ? というか、お前は何者なんだ?」
「え〜、そこ訊いちゃう? 知りたい? 知りたいよね〜。ど〜しよっかな〜、教えちゃおっかな〜」
ウゼェーーー。
すると、そいつはうーんとか、えっとーとか呟きながら考えた後、僕にそんなことより、一番重要な事を言わなきゃね、と言った。そんなことって言うなよ、大事だろ。
そして、そいつは僕の眼を見て、はっきりと、
はっきりと言った。
「君は、現時刻をもって死んだ、それだけ」
「…は?」
青天の霹靂。唐突、唐突過ぎる、唐突過ぎ過ぎる。唐突・オブ・ザ・イヤーだ。
「大丈夫? 驚き過ぎて日本語変になってるよ? 何さ唐突過ぎ過ぎるって」
「気にするな。というか、普通に心の声聞いてんじゃねえよ」
「まあ、そこらへんはお気になさらず。でもさ、オブ・ザ・イヤーって程じゃあないでしょ? 君にだって色々あった訳だしさ」
「いや、そうだけど…」
自分の事となるとかなり驚くというか。
ん?コイツ、僕の経歴知ってんの?
本当、何者なんだよ…。
「僕が死んだってどういうことなんだ? てか、マジでお前は何者なんだ?」
すると、そいつはフッフッフッと笑い出した。
「よくぞ訊いてくれた! では教えるとしよう! 君が死んだ経緯を!」
何故かめっちゃ張り切ってる。
何がそんなに楽しいのやら…。
「そうか、じゃあ教えろ、僕が死んだ経緯とやらを」
「あぁん? 教えろだぁ? 何でボクが君に命令されなくちゃいけない訳?他人に教えを乞うときは、それなりの態度っつーもんがあるだろーが、そんな事も分かんないの? バカなんじゃねーのか、あぁん?」
怖っ!
キャラ崩壊も甚だしいわ。
目つきといい口調といいさっきと全然違うじゃん。
もう嫌だ、何なんだよ、本当。
「はぁ…。まあ、いいや、取り敢えず状況説明しないと物語が進まなくなっちゃうからな〜。流石に第二話で打ち切りってのもアレだし」
「は? 第二話? 何の話してんの?」
「あ、いや、ううん、なんでもないよ。こっちの話だから別に気にしなくていいよ」
「ふーん」
気にしなくて良いなら気にしない。
うん、気にしたら負け。
「んじゃまあ、始めますかね。えーっと、台本台本」
説明に台本要るのかよ…。
そんなことを思っていると、
「それじゃあ」
照明暗転、周りが暗くなり、そいつにスポットライトの光が当てられた。
そして語り始める。
誰かも分からない誰かが、語り始める。
僕の過去を。
暗い過去。
暗くて暗くて、目が眩んで仕舞いそうな程に暗い話。
出来るなら聞きたく無いし、話したくも無い。
目を背けたくなるようなこと。
けれど、きっとそれは許されない、許されてはならない。
だから、だから僕は、聞かなければならない。
「それじゃあ、スタート〜♪」
終わった僕の、物語を。
どーだったですかね?
今回は少し長かった気が…
まあ、気にしませんけど。
今後ともお願いします!




