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日常とは一瞬で崩れるもの

初投稿です!

今回はプロローグです!

あまり、自信は無いですが…

今後も頑張る所存です!

 目が覚める。

 僕は比較的目覚めは良い方だけれど、身体を起こすどころか瞼を開く面倒臭さにさえ負け、ベッドの上から動けずにいた。


「………」


 三十分経過(数えた)。

 どうしよう、早くもこの状況に完全に飽きてしまっている。


「……はぁ…」


 仕方無い、起きるか。

 ゆっくりと眼を開く。

 見慣れた部屋、薄暗い空間にカーテンの隙間から日の光が差す。

 流石に眩しい。

 何故、僕の瞳孔は朝からこんな大ダメージを食らわなければならないのだ。


「朝…」


 時計の短針は既に11を過ぎていた。

 五月蠅い。何故時計は毎秒カチカチ鳴るのだ。

 そうだ、いっそ砂時計にしてしまおう。五月蠅く無いし。


「アホか…」


 時間分かんないじゃんよ…。

 まあいい。今はそんなことどうだって良いのだ。

 僕は部屋のクローゼットを開け、適当に服を取り出す。

 パジャマを脱ぎ捨て、取り出した服の袖に腕を通す。

 ファッション?なんじゃそりゃ、知るか。

 着替え終わって机の上にある財布をズボンのポケットに入れ、僕は部屋を出た。

 砂時計を買うか否か、そんなくだらないことを考えてながら廊下を進んで行く。こんな時間だし今日は朝食抜きでもいいか。

 玄関で靴を履いて、ドアノブに手をかけようとしたとき、後ろから名前を呼ばれた。

 振り向くと、そこには母が立っていた。


「あ、お母さん、おはよ」

「おはよう、出掛けるの?」

「うん、少しね」

「そう…」


 母の表情が少し暗くなった。気がする。


「昼には帰るから」

「分かった。いってらっしゃい」


 母は微笑みながらそう言った。


「行ってきます」


 扉を開き、玄関から出た。






「はぁ…」


 家を出て約10分、疲れた。流石に早すぎんだろ。

 いや、肉体的にでは無く精神的にな。

 比較的体力には自信はあるけれど。

 まあ、何というかさ。

 何故疲れたかって言うと、


「…」


 まあいいや。

 僕は歩みを進める。

 何処に行くかは、決まっていた。

 家を出て約20分、ようやく目的地である花屋に辿り着いた。

 目的は勿論、花を買う為である。

 …にしても。


「えーっと…」


 種類多すぎんだろ。見たこと無いのもあるし。

 コレとアレ絶対同じのだろ、何で名前違うんだよ…。

 まあいいや、取り敢えず買おう。

 あれ、こういう時ってどの花か決まってるっけ?

 気にしない。

 あ、この花良いな。何て花だ?

 名前の書かれた札を見て、思わず声が漏れた。


「よ、読めねー」


 何でコイツだけ名前が英語表記なんだよ。






 何とか花を買った後、僕は家路につかずに別の場所に向かった。

 徒歩にして約30分、僕はある場所に立っていた。

 橋の端である。


「しょうもねーな」


 いや、別にダジャレでは無い。

 文字通り、橋の端っこ。

 流石に橋のド真ん中に置いたら邪魔だろうし。

 人通りは少ないが、別に人が通らないわけじゃないし。

 というか、高くて怖いんだよ。

 何故ここに来たのか、理由は簡単。


 ここで知人が死んだから、それだけ。


 死んだというか、正しくは行方不明という事になるらしい。

 橋の下の川に流されたのか、本当は生きているのか。

 詳しくは知らないけれど、彼女が飛び降りたのは事実。

 それだけは自信をもって言える事だ。

 僕は見たから、確かに、この目で。

 行方不明と言っても実際、墓はある、らしい。

 まあ、遺体も遺骨も無い以上、唯の石同然だ。

 知人が死んだ場合、墓参りするのが当然なんだろうけれど。

 僕はわけあって墓参りをしていないのである。いや、この場合は『していない』ではなく『できていない』が正しいのだろうけれど。

 何故、墓参りできていないかというと、彼女の両親が墓の場所を教えてくれなかったから。言い忘れていたけれど、この場合の「彼女」は英語で言うところのgirlfriendではなくsheの方である。それで、何故彼女の両親が僕に教えてくれなかったかと言うと、単純な話、僕なら彼女が飛び降りるのを止められたかもしれないからである。あの場に居合わせたのは何を隠そう、この僕だけなのだ。僕が止めていればこんな事にならなかった、というのが彼女の両親の言い分。という訳で、僕は教えてくれなかったのだよ。以上。


 橋の端に花を置き、手を合わせた。

 繰り返すが、ダジャレでは無い。


「帰るか」


 腕時計も携帯電話も忘れたから、はっきりとはわからないけれど


「多分、12時過ぎてるよな…」


 昼には帰るって言っちゃったじゃん。どうしよう。

 まあ、いいや、考えないようにしよう。






 歩き出して数分、疲れた。休憩したい。

 体力に自信があっても、ここ最近は全然運動していなかったから。期間にして2週間程。

 それに、ここら辺、階段だの坂道だの多すぎんだよ。

 丁度、近くに公園があったので、そこで休憩する事にした。

 名前こそ知らないものの、何度も彼女と来たことのある公園。

 ベンチに座って、眼を瞑り、僕は彼女の事を考えていた。

 彼女の笑った顔、怒った顔、驚いた顔。

 声や仕草さえも愛らしく、愛おしく思えた。

 僕は、彼女の事が好きだったのだ。

 きっと今も変わらず好きなのだろう。

 交際こそしていなかったけれど。

 何をもって「好き」と定義するのかなんて知らない。

 今、何処にいるのか。それどころか、生きているのかすら。

 あのとき、彼女の抱えていた悩みも、僕は知らない。

 僕は、全然、彼女のことを知らない。

 それでも、好きなのだ。

 憧れ、惹かれ、恋い焦がれ。


「あぁ…」


 会いたい。

 会いたい、会いたい、会いたい。

 会える保証なんか無い、それでも。

 責めて、約束は守ろう。

 彼女の最後のお願い、約束を。


『お願い、どうか…』


 簡単なお願いだけれど、大切な約束。

 その約束ってのが何かというと、


「…」


 今は、まだ、教えない。

 いつか、機会があったら聞かせてやろう。

 期待はするなよ。ただの昔話だから。

 面白くも無い、過去回想。

 起承転結なんて無い、ただ僕が語るだけなんだから。


「あー、もう…」


 やはり嫌なことは思い出すべきではないようだ。






 そろそろ、帰るか。

 眼を見開いたそのとき、


「…ぇ…?」


 周りのものは無くなっていて、白く、ただ白く。

 何も無い、白いだけの場所に僕はただ一人、そこにいた。

如何でしたでしょうか?

主人公の情報が全然無いですよね、ごめんなさい。

期待して頂けたらなぁ…と思います!

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