関係の崩壊 part2
相手は倒れる。脳震盪
「てめぇ!!」
と言って他の2人も襲いかかってきた。
くだらない……
動きに無駄が多い。これじゃ誰も殴ることも出来ないだろ。
「遅い上に無駄が多い」
俺は1人目のみぞおちに一拳それからもう1人の首に回し蹴りを入れる。
慣れたものだ。中学の頃よくやったからな。1日5〜6回ほど喧嘩をしていた俺にとっては、この位朝飯前だ。まぁ最近やってなかったから鈍ってはいるものも、まだ動ける。
それに彩乃と関わると何処かで何かしら俺が喧嘩に巻き込まれる。それも3〜4回
よくよく考えると大半が彩乃絡みだった
「おい、大丈夫か?怪我とかないか?」
と俺は目を向けないように言って。
「はっはい……あの……」
と彩乃は何かを言いかけた
「んだ」
と俺は返した。
「出来れば見てください……」
こいつは……馬鹿決定だ
「服直せ」
と俺は無視して言った。
「あっすっすいません」
忘れてたのか?ありえないだろ
俺はそのまま背中を向けて帰ろうとした。体を捕まった。後ろから彩乃に抱き着かれた。
「おい、離せ」
と俺は言った
「怖かったです……あの、私が泣き止むまでこのままでもいいですか?」
と言って彩乃は離れなかった。
「……勝手にしろ」
と俺は返す。
「あり…がとう…ござ…います」
と途切れ途切れで彩乃は言った。
面倒臭い事になるな。恐らく呼び出しになるな。はぁいい人間で居たのにな……いい人間では無かったな。でも殴り合いは避けてきたのにな……最悪だ。……死にたい。
しばらく背中で泣かれたものの彩乃はそれ以降教室に戻ると言って帰っていった。放課後、俺と喧嘩した3人の不良が呼び出された。
「お前らなんでここに呼び出されたかわかるな」
と生活指導の先生が言った。
「んで俺らもなんだよ!」
と不良が文句をこぼした。
「昼間の喧嘩の件ですよね」
と俺は分かっているように答えた。
「分かってるなら話が早い」
と言った。
「お前らなんで喧嘩した?原因は?」
と先生が問いかける。
「お前ら特に何もしてねぇのにこいつにいきなり殴られました」
と不良は全て俺のせいにした。
「ほんとなのか?風羽」
面倒臭いから乗ってさっさと終わらすか
「まぁなんかむしゃくしゃしてたまたま……」
と俺は言った
「おい、風羽〜お前なんでそんな事を…全く本当にそうなんだな」
と先生は強く聞いた。ここで言っても面倒だ。
「はい」
とだけ返した。
それから不良は返されたがいらない事を言う教師が1人いた。
「先生〜風羽は〜嘘ついてま〜す」
それは俺らのクラスの担任美散先生だった。
「ほんとですか?」
と先生は彼女の言う事を間に受けやがった。
「おい、風羽ほんとなのか?」
面倒臭い事になりそうだ。
「別に嘘なんて……」
「付いてるよな風羽、お前が理由なく殴るはずないよな」
と俺の事を知ったように言った。
「嫌だから付いて……」
と言うと言葉を遮られた。
「あいつらはもういないから本当の事を言ってくれ風羽」
とそんな事を言われた。
「……後輩が強姦されそうになったので…」
と俺は答えた。
「やっぱり〜嘘はいかんぞ〜」
といつも通りの間の抜けた声に戻った。
「風羽〜なんで言わなかった」
「言った所では俺が先に殴ったには変わらなかったんで……」
と俺は言った。
「おい、なんで手を出した」
不問だ……呼びに行ってられるかよ。
「じゃ先生は呼びに来いと言ってるですか」
と質問し返した。
「当たり前だろ!」
と先生が言った
「それじゃ、遅いんですよ……それじゃなんかあってからじゃないですか!それじゃ遅いんですよ!」
と俺は口答えしてしまっていた。
「なんだその口の聞き方は!!」
と先生が少し怒った。
「それでも呼びに来るのが普通だろ!なんで手を出す!」
とさらに付け加えた。
「……じゃ、黙って見てろって言うんですか……何もしないで黙って爪加えて後輩が傷つけられるところを先生を呼びに行ってる間に犠牲に我慢しろって、自分の可愛い後輩を黙って他人に傷つけさせろって言うのかよ!!そんな高校ならこっちから願い下げだ!!退学でも何でもやってみろよ!このクズ教師!!」
俺は気がつくと生徒指導の胸ぐらをつかんでいた。その後説教をくらい美散先生のお陰でなんとか謹慎処分で済んだ。
俺は小会議室から出ると彩乃がいる事に気が付きた。
「お前……何して…」
途中で俺は話すのをやめた。
「先輩……ありがとうございました!!」
と言ってすぐに立ち去った。
あいつはいつからいたのだろか……
帰宅後すぐにさらなる恐怖が彩乃を襲いかかった。
俺はそれを知ったのは遅くなってからだった。彩乃からの1通のメールで気が付いた。
【先輩助けてください。私は殺されるかもしれない】
たったこんなけだけのメールだったが俺は前から聞いていた話を思い出した。
やばいストーカーの事を今になって。
俺は急いで家を飛び出した。
しばらく走りようやく彩乃を見つけた。
「大丈夫か!?」
と俺は言った。
「はい……なんとか今逃げて隠れていた……先輩!!後ろ!!」
と彩乃が叫んだ。
俺は振り向くと、そこには黒いパーカーでフードをかぶった奴がカッターを振りかざしていた。
俺はとっさにカッターを持つ手を抑えた。
力が弱い……恐らく女だ。
「離れてろ!!」
と俺は彩乃に叫んだ。
彩乃は直ぐに離れた。それから俺はフードの奴から無理やりカッターを奪い取り、力の限りでこかした。それと同時にフードが外れる。
「おま……なんで…」
俺は見て驚いた。
「何してんだよ。千尋」
「…」
黙んなよ
「答えろよ!!」
俺は許せなかった……許したくなかった。
「…だって、結衣は…結衣は私の事見てくれないから!!ずっと彩乃ちゃんばっかり見て私の事なかずっと放ったらかしじゃない!!だからクラスの男子まで使って振り向いてもらおうとしたんじゃない!!」
やっぱり俺は許せなかった……許したくなかった。いや許してはいけない。
「そんな事、しても俺は変わらない……第一俺は……俺からこいつに関わった事はない」
事実だ。
「でも、それなら私に関わって」
「だからって何もここまでする必要があったのか」
「それは……」
分かってるだから俺は……
「もう良い…俺に二度と関わるな…後こいつには手を出すな」
俺はそれだけ言って帰った
「……先輩…流石に言い過ぎですよね…」
今回は少し長くなってしまいました。
次回
2人の距離が危うく、先生に見つかってはいけない倉庫、狭いロッカーで2人はやり過ごすことは出来るか!!
彩乃と結衣はどう乗り切る。
次回の題名
密接体育祭