取り敢えずプロローグ
書きたいことがたくさんあって困る今日この頃。
唐突にだが俺は転生者だ。嘘は言って無ぇし、別に酒や自分に酔ってるわけでもない。
そんな俺は異世界で冒険者をやっている。腕前はそこそこ。ゲーム的に言えば中堅層。五段階評価なら三~四位。
俺はこの冒険者という仕事に誇りを持っている。それに何年もやってれば愛着も沸いてくるってもんだ。
朝早く来て仕事を探し、モンスター倒したり護衛したり、金が入ったら温い酒を煽って、仲間とバカ騒ぎして泥の様に眠る。
冒険者は自由で良い。現代日本じゃなかなか出来ない体験ばかりだ。平凡な俺でも書き物の主人公になった気分でいられる。
前世では平凡な家庭に産まれ、そこそこの学校を経て、地元のそれなりな会社に就職して、普通に足を滑らせて死んだ俺には不釣り合いかもしれない。
ぐいっと、今まで舐めていた度数の高い酒を飲み下しながら立ち上がる。
ギシギシと硬い皮や鱗で出来た鎧は軋み、PCに変わる新たな今世の相棒を背中にずしりと感じながら。
俺の名前はギデム。人呼んで潤滑のギデムだ。
・・・・・・取り敢えず今日も働こうか。