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やわめん、カタメン

作者: ぬっち

「栄一郎、恋と愛の違いってなんだと思う?」


「くせえこと言ってねーで早く食べろよヒロヒコ、麺伸びちまうぞ」


オレ、栄一郎。

今オレは親友のヒロヒコと一緒にラーメン屋に来ている。


「ここのラーメンまじうめえんだからよ、冷めたらおいしくねーぞ」


「やれやれ、冷めてるのはラーメンじゃなくてキミの方でしょ?」


なーんてヒロヒコはほざきやがる。

ラーメンよりもオレよりも、一番冷めてんのはおめーの目とセリフだっつーの。

せっかくオトコ同士熱いラーメン食べに来てんのに恋だの愛だの水差すようなこと抜かすかフツー?んなもん合コンでオンナ口説く時にでも話してろや。


「話続けるね。ボクは、恋とは終わりがある物で、愛とは終わりがない物だと思うんだ」


いや、続けんなよ。ラーメン食えよ。


「そう、恋とは終わりのある刹那的な物さ。対して、愛というのは終わりがない永遠の物なんだ。"失恋"とは言うけど"失愛"とは言わないでしょ?それに"永遠の愛"とは言うけど"永遠の恋"とは言わない。つまりそういうことさ」


つまりもクソもねーよ。オレは返事すんのも面倒くさくなったから無視してひたすらラーメンをすすることにした。


「そして、恋の終わりには、大きく分けて2種類あると思っている。ひとつはさっきも言った"失恋"、振られるなりして恋が失くなることだ。そしてもうひとつが"愛"。想い合う二人が互いに恋する期間が終わって、その次のステージに進むことが"愛"だ。"失恋"と"愛"はどちらも、恋が終わった後の次のステージという意味で共通しているんだよ」


いや、オレもうラーメン食べ終わったんだけど。もう食べ終えて、帰り支度という次のステージに進んでるんだけど。

おめーも早く次のステージ進めよ。つうかまず箸持てよ。


「さて、ボクのこの考えからすると、恋というのは、人生そのものと結び付けることができるんだが……まあそれは後ほど話そう。まずはこのラーメンをいただくとしようか」


そう言って、ナプキンで口を拭くオレを尻目に、ヒロヒコはやっと箸を取りラーメンを食べ始めた。


ヒロヒコの表情が曇った。


「栄一郎、麺伸びてる……」


「おめーバカじゃねーの?」


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