第八話 チビデス?はギルマスと戦った!
すいません。m(_ _)m
遅くなりました!
それでは、どうぞ!
―第三者視点―――――
「おぉい!ギルマスが新人と戦うってヨ~!」
その言葉にギルド内は騒然となった…。
「剛力のモーリス」…。
若かりし頃、拳一つでSランクに上り詰めた生きた伝説…。
曰く、その拳は山をも砕く…。
曰く、二国の戦争を「ケンカ両成敗」の名のもとに拳骨一つで終わらせた…。
曰く、その拳は豪雨とばかりの「攻めの一手」である…。
そんな伝説の技がこの目で見れる…。
昼間から飲んだくれていた冒険者達は我先にと訓練所へ駆け出した!
「もう、ナンデ公私乱用したんですかギルマス?」
「リオさんや、ワシら男には譲れんもんがあるんじゃ!」
「…イラッ(-_-#)」
訓練所では看板娘のリオとギルマスが言い争っていた。
冒険者達は今か今かと固唾を呑んでいた。
右はモーリス、対するは全身黒づくめのちびっこ。
片やギルドマスター、片や今日登録したばかりの新人。
戦いは目に見えて一方的になる…と一同は心の底から予想がついた。
…それを見るまでは
「…それでは、両者構え!」
モーリスは両拳を構え、新人は気だるげにユラリと揺れた。
リオが手を上げ…
「…はじめ!」
振り下ろした時には…
大鎌は首を刈り取る寸前だった。
「ぅううえ゛ええぁああ!」
しかし、しかし!いつも看板娘にいじられていても現役Sランク!咄嗟に鎌を殴り弾き、距離をとった!
正に!決死の回避を行なったのだ!
そして、モーリスの首筋には紅い線が付き血が一滴垂れた…。
しかし、それを周りの野次馬をざわめかせた。
何故ならSランクは国滅級のモンスターの力でしか死なない、と言われるほどの堅さがある。
並の攻撃ではまずキズが付かない。
よってあの新人が少なくとも国滅級の強さを持っていることに他ならない!
これはどう転がるか解らない…。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
モーリスは退屈していた。
今の冒険者達は質がワルイ。いや、高みに来ようとする者が圧倒的に少なかった。
誰も彼もが自分を英雄と称え、越えようとはしなかった。
この力も、ただ強くなる為の過程でしかなかった。
昔は拳を交わし、肩を並べた友も立場上会えない。
天に昇ったのも少なくない。
故にモーリスは歓喜した。
自分を越えようと迫ってくる新人に、己が退屈な日常を破壊しようと迫る死神に。
「かかっ!さぁ!死会おうぞ!」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
そして、モーリスは動いた。
強化魔法奥義「風神炎剛」
神風の様に速く、剛炎の如く攻め立てる。
正に拳の豪雨!
対する死神は大鎌を振るう!
正に死を呼ぶが如く攻め立てる!
連打、連打、連打、連打…。
斬、斬、斬、斬、斬…。
連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打!
斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬!
衝撃が切り裂かれ、斬撃が潰される、飛び散る血飛沫!
そして遂に、
「クッ流石にこの歳ではキツイワイ…。」
…攻防は止んだ。
モーリスは拳から止めどなく血を流し、死神は今にも倒れる様にフラフラと揺れていた。
「…次で最後じゃ!」
二人は駆け出した!
拳が交差し、見事なクロスカウンターが決まった!
二人はどうっと倒れる!
冒険者達は惜しみなく拍手した!
そして!
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?(・◇・)?アレ?