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「よく眠れたかい?」
今は朝食をごちそうになってる。
俺を轢いたのが優しい人で助かった。
「おかげ様でよく眠れました」
「はは、それはよかった」
朝食のパンを口に運んでいく。
日本では見たことのないパンだな。
「そういえば自己紹介をしてなかったね。ボクはガナーズ・オルフェン、改めてよろしく」
オルフェンさんは笑顔で俺に自己紹介をする。俺は急いで口の中のパンを喉の奥に押しやり自己紹介をする。
「えっと…俺は月成龍聖っていいます。外国の方なのに日本語が上手ですね」
どこの国かは分からないが容姿や名前からして日本人ではないと断言できる。
っていうかこの人の髪の色……青色なんだけど…? 髪の色が青の外国人って初めてみた…
「…ニホンゴ? なんだいそれは?」
しかしオルフェンさんからは想定外の反応が返ってきた。
日本語を知らない? なら今喋っている言語はなんだ?
俺がそう悩んでいるとオルフェンさんが口を開いた。
「龍聖…でいいかな? 君はなんでコクマニュア草原を歩いていたんだい?」
そうだな……とりあえずそこの話をしよう。悩むのはその後でいいか。
「実はーー」
そして俺は今までの経緯を話した。
「こうして今に至るわけです」
今までの経緯をオルフェンさんに全て話した。
するとオルフェンさんが驚いていた。しかし冷静に俺に話しかける。
「では龍聖は…この世界の名前を言ってごらん」
地球……だよな…?
俺は恐る恐る質問に答える。
「……地球ですか?」
そういうとオルフェンさんは何かを確信したように俺の目をしっかり見た。
「……龍聖、落ち着いてきいてくれよ」
オルフェンさんはゆっくりと口を開いて言う。
「君は……チキュウからこの世界…ハルルに飛ばされてきたんだよ」






