表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エンドレスアビス  作者: ナギ
4/5

3

「……あれ?」

目が覚めたら見知らぬ草原が広がっていた。

「どこだここ……」

全く見覚えがない。

「とりあえず人を探すか」

歩いてれば人に会えるかもしれない。そんな希望を抱いて歩き出す。



「どこまで……歩けば…いいんだよ…」

結構歩いたのに人一人遭遇しない。

そもそもここはどこだ? ここに来るまえ俺はーー何をしてたんだ?

思い出せない……

思い出そうとすると何を思い出そうとしたかを忘れてしまう。

「落ち着け俺。落ち着けばなんでもできる」

まず状況を整理しよう。目が覚めたら見知らぬ草原に俺はいた。そして人を探して歩き続けている。

じゃあここに来るまえは何をしていた? 確か俺はーーダメだ思い出せない。

「ああもう訳わかんねぇッ!」

なのに何で俺はこんなに落ち着いてるんだ? 何一つ理解できない。

「歩くしか……ないか…」

そう言って足を動かしていった……


もうどれくらい歩いただろう。

明るかった草原も日がくれて暗闇で埋め尽くされている。

「……あれは⁉」

そんなとき視界に光が走った。

「街だ‼」

俺は歩きっぱなしでガクガクの足を無理矢理動かし走る。

「これでやっとーー」

しかしここで突如、俺は強い衝撃を受けて気を失い、視界から光が失くなり暗闇が広がっていった……



気持ちいい。意識を取り戻して最初に感じたことだ。なぜなら草原にいたはずの俺は今、ベッドの上にいるからだ。

「ここは……アイテテ」

起き上がろうとすると背中に激痛が走る。

背中が痛まないようにゆっくり周りをみる。どうやら小さな個室のようだ。内装は西洋風……というよりRPG系のゲームに出てきそうな内装だった。

「俺は確か突然意識が薄れて……」

不意に扉が開いた。

「お、目が覚めたか」

日本人には見えない髭を生やした背の高い男が部屋に入ってきた。見た目からの推測だが年齢は30代だろう。

「いやすまない!」

入ってきてすぐ男は頭を下げ、俺に謝りだした。

俺が困惑した表情を見せていると男は説明を始める。

「馬車で草原を走っていたとき暗闇で君の姿が見えなかったんだ。それで君を轢いてしまったんだ。本当にすまない!」

つまり後ろから馬車で轢かれて気を失ったのか……

「え、いや別にいいですよ。部屋まで借りてしまっているので」

俺としては正直ラッキーだった。あのまま街に行ったら野宿だっただろう。

「どうせ行く当てもなかったので俺としては助かってます」

「そうか。だったら詫びと言っちゃなんだが、傷が治るまで泊まっていってくれ」

「じゃあお言葉に甘えさせて貰います」

よかった。しばらくは普通に眠れそうだ…

「今日はもう遅い。疲れているだろうしもう寝るといい」

「はい、そうさせて貰います」

そう言って男が部屋を出た後、俺が眠りにつくのに時間はかからなかった。これからのことは起きてから考えがよう……

そう思い目を閉じた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ