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歩行者  作者: 鷹崎徳
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歩行者二章~飲み会集結編1

 投稿が遅れたことをこの場を持ってお詫びいたします。

 お久しぶりです、鷹崎です。

 年末から春までの間、危機的状況に陥っていまして死にもの狂いで戦っていました。

 その間全く書ける状況でなかった。むしろ、書く気がしかったです。 

 でも、この話を持って少々復活したいです。

 まだ何ともいえない状況のご時世ですが、楽しんでもらえると幸いです。

 始発は快速でなく普通の鈍行、一駅一駅停まりながらゆっくり進んでいく。

 そんな中、俺は昨日の事を何も隠さず話して朝まで駅に居た理由を伝えた。

「馬鹿か」と、言われ当然だなと心の中で嘆く。

「――で、朝まで居たと・・・理解できないな」

「出来ないなら良いよ、するな」

 と、デートなのにらしくない雰囲気になる。

 まぁ仕方ない、誘った俺が昨日と同じ格好していればやる気無いと見られて、低い評価を受けるのは。

「仕方ない、佐々木だから・・・まずは、服装を何とかしよう」

 だから表現、俺だからか――

 真顔でそう言う一之宮。批判の対象になるような状態であるが、お前も同様に仕事着で来ている

 棚上げかよ!

「一之宮もな」

 と、言い終わった同時に指摘する。

「! ・・・佐々木が言うなら、私もどうにかしよう」

気付いたか、それとも意図して俺に言わせたかどう分からないが、自分の服装を見て納得する。

「お互い様だな佐々木」

「・・・・ああ、そうだな」

 笑顔で返す一之宮。

 引きつった笑顔で返す俺。

 何時もとなんら変わらないやり取りのまま、また次の駅のプラットホームに電車が入り込み停車する。



  ◇                 ◇               ◇

    

 朝日が差し込む工場内。

 先の静けさが嘘のように大勢の人の声と、ライン稼働準備の為のに予備稼働させる機械の音で一気に騒がしくなり、ライブ会場匹敵の大音量の音が支配する。

 まさに工場らしい。

 慣れてないとうるさいけど、次第に心地よいメロディーに変わる。

 

 午前八時にお約束の体操の音楽が流れる。

 詰所と言われる休憩所兼事務所から沢山人が出て来て広い所に集まり、音楽取りにする人もいれば、別のストレッチする人もいる。主に若い手だ。

 その中に遅れて一人、幸一が入り込む。

「おはようございます」

「おっ、おお、今日は幸一入るのか」

 隣にいた中山さんが声をかけてくる。飛び散る鉄くずを防ぐ黒い防護メガネ越しに目で笑った。

「ハイ、軽いバイトですけど」

 謙遜して言う。

「彼女の為か、若いね」

「っ!」

「・・・仕掛けたつもりだったんだけど、図星か。頑張れよ」

 また目で笑う。

 

 山中さんは見た目はイケメンで、物覚えが良くて、将来有望されているが・・・中身は変人だ。初めて出会った時「初めまして」とかじゃなくて・・・「この機械どうよ」っと、言われて以来仲がが良い。


「全員集合」

「ハイ!」

 班長の図太い声が響く。騒音だらけの中で一際大きい。便利な声だけど、怒れば最悪だ。

 取り囲むように集まり朝礼が始まる。

「えーと、本日の休出出勤協力に感謝します。今日は、三カ月に一回の一斉点検と清掃です。ライン外作業、通常じゃないからと言って不真面目に作業に従事しないように。

 あと、幸一君。毎度の事でイライラすると思うが、君が手伝いに来た場所の上司が全て任されているから、容赦しないからな」

 何もしてないのに、目を付けたと言われ方した。隣で山中さんが「ご愁傷さま」と笑いを堪えながら言う。

「山中も例外じゃないから、気、付けろよ」

「・・・・・ヘイ」

自慢の長身が数センチ縮む。

「朝礼終了。

 安全具確認!

 山中、言え!」

 縮んでいた山中さんだが、班長の声で背筋ピンっと伸びあがり勢いで前に出て班長と並ぶ。

「全員円陣組め!」

 大きな声と同時に一斉に皆動きだし、円を描き、班長と山中さんを上にして始まる。

「軍手着用! ヨシッ!」

「ヨシッ!」

 左手に着用している軍手を右手で指さし全員で自分以外の人にも指す。

「安全靴着用! ヨシッ!」

「ヨシッ!」

 今度は右手で自分が履いている安全靴コト、鉄靴(つま先骨折を防ぐ為に鉄板を付けた靴)を右手で指さす。そして、他の人にも指す。

 最後に班長が言う。

「全員安全具装着確認!」

 それに全員、右手を上にあげ――。

「ヨシッ!」

 と、言い。全員各持場へと解散した。

 

「幸一。山中と行け。今日は地下ライン清掃だ良いな」


 全員が解散したのを班長と二人で確認してから言われた。

 が、いきなりすぎてちゃんとした返事は出来なかった。

「は、ハイ。今から追いかけます」


 走ろうとするが、

「走る厳禁!」

 班長の大声が響く。

 久しぶりだったから禁止事項忘れていた。

 一旦足を止め、振り返り班長に一礼して、今度は歩いて追いかける。   

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