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歩行者  作者: 鷹崎徳
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歩行者9後編

 どうも突貫小説製作者の鷹崎です。一章の最終話をお送りします。

あの騒動から一夜明けて、私と佐々木は出社直後の宮崎さんに昨日ことを話した。

「飲み会の件は別に良かったのに・・・まぁ、どうしても言うなら参加させてもらうよ」

 やれやれと言い残し、宮崎さんは自分の席に行った。

 取りあえずこれで飲み会の方は片付いた。このことを佐々木の知り合いの鮫島君に教え、日程と段取りを決めればもう大丈夫だ。

「俺が幸一に連絡しとくから」

 と、朝礼が始まる直前に私の肩を叩き、佐々木が伝える。

「分かった。頼んだぞ」

「任せとけ。あっ、幹事は一之宮がやれよ。俺がやるよりは上手く出来る筈だ」

「別に良いが、やったことないぞ」

「俺もだ。だけど、こういうの得意そうに見えたから推薦しただけだ」

「責任転嫁?」

「違う。頼りにしてるんだ。いずれ幹事マスターになるかもしれないから」

「漢字、幹事・・・馬鹿にしてるのか」

「それも違う・・・いずれそうなるかもな」

「あっ――さ、」

「朝礼始めるから静かにしろ一之宮、佐々木」

 突っ込み入れる暇なく井上課長の声が響く。

 仕方なく声を止め、静かに涼しそうな顔している佐々木の顔を睨みつけ、気付いてる筈のに無視して課長の朝礼に耳を傾け続ける。

 ――何のつもりだ。

 結局、朝礼は全く聞き取れなかった。まぁ、大した事はじゃないから聞こえなくても問題ない。解散直後に佐々木にすぐに話す。

「何のつもりだ?」

「何のつもりでもない。ただ一之宮のことを信用してるから、頼んでるだけだ。問題あるか?」

「私を、し――! 信頼⁉」

 慌てて佐々木が右手を差し出し、口を塞ぐ。

 思わぬ発言に大声を出してしまった。佐々木の口から信用してると言われたの初めて、私の事を頼りに――信頼されてる佐々木に! 

 そう思った同時に顔が熱くなる。散々、否定の言葉を発し続けていたアイツからの言葉だと考えると。

「顔赤いぞ一之宮。朝から見せつけるな」

 と、武市が冷やかしをいれる。

 なっ! 有頂天になりかけてからの一言、佐々木の手を振り払い一言言ってやろうかと行動した時、武市だけではなく、課全体の視線を集めていた。

 思いっきり恥ずかし事をしていた。

「い、一之宮大丈夫か?」

「な、なんとか・・・」

 こうして、入社して最大に恥ずかしい朝を迎えた。本当に迂闊だった。


 昼休憩、宮崎さんと一緒に外で昼食を取ることにした。

 最近できたばかりの蒸し料理のお店で食事したいとお誘いがあったから、断る理由もないから着いていく事にした。

 多分、今朝の事も聞きだすつもりだと思うけど、隠す気もないし、何かアドバイスもらえるかもしれない。

 色んな事を考察しながらついて行き、川辺に二階建ての白い外壁で造られ、各所ガラス張りになっている小さな建物が見えてくる。

「ここだ。雑誌のヘルシーなお店特集で載ったお店だ」

「綺麗ですね」

 ガラス戸を引いて店内に入り、店員に二人だと伝え、川が見える一番いい席に通してくれた。

 座る同時に店員に宮崎さんが雑誌に書かれていたおすすめを注文し、奥に引っ込んだのを確認して、早速今朝の事を話し始める。

「進展してるね」

「宮崎さんがアドバイスをくれたお蔭です」

「どういたしまして。でも、ここまで行けたのは一之宮アナタ自身、自分で進んだ道よ胸を張って良いわ」

「そんな・・・」

「謙遜止して。ルール無用の戦いにそんなのいらない、勝ちたいならしない」

「はい」

「この調子ならあと一歩まできてると思う。押し倒すぐらいの勢いで行けば簡単に落ちるわ、多分だけど」

 真剣な顔から急に、急に何か企みを秘めた笑顔で私に話し始める。

「押し倒す?」

「そう、押し倒す。既成事実さえ作れば勝ち、責任で結婚せざる――」

「そこまでしてまでも佐々木と一緒になりたくないです」

「・・・そう。私の身の回りはこれで結婚して人大勢いるわよ。ルール無用だから」

 笑顔がなお黒く輝く。

 私を黒い世界にでも入れたいのか? それとも馬鹿にしてるの? 時に、この人の心理が全く分からなくなる。

「そんな怖い顔で私を見ないで。冗談よ。ように、もう手助け必要ないって事ね」

 何時もの優しい笑顔に戻るが、先の黒い笑顔は本物だ。いくら冗談よって言っても説得力が無い。

「そうですか?」

「うん、大丈夫。あとは一之宮がどう動くかが重要よ」

「私次第・・・」

「その通り。無理せず積極的に動きなさい」

 宮崎さんからの最後のアドバイスをもらった同時に料理が運ばれ、そのご佐々木の話題を話すことは無く、別の話で盛り上がった。


 午後五時半。今日は私だけが残業になった。

 佐々木は例の横波運送の話し合いが終われば直接帰宅するとお達しがあったので、つまらない残業になりそうだ。全く、顔ぐらい見せろよ。

 一人心の中で言う。別に声に出しても誰も聞きていないが、空しくなりそうなの止めとく。

 誰も居ないオフィスで響くのはキーボードの叩く音と、電子音。どれだけここが昼間喧騒の真っただ中だってことを嫌でも分からせるこの状況、逆に落ち着かない、静かすぎると。ましては佐々木が居ないと――。

「よっ、仕事してんな一之宮」

「最後まで語らせろ! フラグもへったくれもない!」

 突然現れた佐々木に思わず叫ぶ。それに、何言ってるんだ私?

「お、落ち着け。俺はただ忘れ物取りに来ただけだ。取ったらすぐに帰るからな」

 様子が違う私を見て慌てながら自分席に行き、茶封筒を取って「じゃな!」と、一言言って退散して行った。

 やらかした――二人で帰れるチャンスを変な事言ってオジャンにしてしまった。完全に一人になったオフィスで思いっきり溜息と、肩を落とした。


 仕事は七時に終わり、精神的に疲労が溜まった状態で退社する。

 外は暗い。夏の夜でも時間が来ればすぐに暗闇になる。そんな中、一人で歩き出そうとしたら。

「結構速かったな。流石一之宮」

 会社の門にもたれながら私を待っている佐々木の姿があった。

「な、佐々木? 帰ったんじゃないのか?」

「帰る気が失せたから、ここで待つことにした。それに飲み会の事も話したいことあるし、待ってても損はないよ」

 帰る気失せたからって二時間近く待つか? おかしいぞ佐々木? 私同様に壊れたか? 色々言葉が浮かぶが、何も喋れない。

「何も言うこと無いなら帰るぞ」

「おおっ・・・」

 それからは佐々木が一方的に話を続けながら一緒に帰る。飲み会は宮崎さんが大丈夫だと言った日で確定し、見せてもらった店の写真を見てみると忘年会と新年会で使うような店じゃないとか色々話してくる。

 こんな饒舌な佐々木は多分初めてだ。

「な、わけよ。一之宮はどう思う?」

「いや・・・別に問題ないと思う。良いじゃないか」

「良し、幹事が言うなら問題ないか。それじゃ、最後に一つ。飲み会のある日の昼間、買い物付き合ってくれ。買いたいものがあって、一之宮に決めてもらいたいんだ。良いか?」

「別に問題ない。付き合ってやろう」

「じゃ、朝十一時に一之宮が誘った店がある駅で」

「わかった。そこで良いんだな?」

 二回頷いて、確認した。

 こうして一緒に電車に乗り、佐々木が降りる駅の二つ前で降りる。

 何事もなく佐々木の乗っている電車は出発してあっという間に、プラットホームから姿を消した。

 佐々木との約束を頭の中で復唱した時、気付いてしまった。これは――。

「・・・朝の十一時か・・・・! こ、これって、も、もしかして・・・で、デッ」

                                二章に続く。 

 すいません、中途半端ですがここで一章を終わらせてもらいます。派遣先で大規模な人員整理があった為、緊急引っ越しと、仕事探しが始まりましてゴタゴタが最大になっています。

 集中できない・・・・。

 こんのまま書いても酷い作品になりかねない。一旦区切ろうと決めました。

 落ち着くまで休みます。早くて十一月の中旬には復活できるかもしれない。最悪年末までは何とかしたいです。

 ちなみにこんな状態ですが、来年練度一気にあげて賞狙い行きたいです。今じゃ絶対にむりですが、なにかしらつかめた気がします。

 必ず帰ってきます。それまで待ってくれると幸いです。

 以上、鷹崎徳でした

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