第3章 着信履歴
ピロリン… ピロリン… ピロリン…
手元でスマホが鳴っている。まだ外は暗い。
スマホの画面に目を向けると、身に覚えのない番号が映っていた。
国際電話ではなさそうだけど、そういえば営業電話だけじゃなくて詐欺電話も増えてるんだっけ…
寝ぼけた頭を無理やり起こして思考を巡らせようとしたが、眠気に抗えず、ふたたびまどろみに沈んだ。
「蒼ちゃん、お母さんたちアウトレットモールに行ってるから、何かあったら連絡してね!朝ごはんは置いておいたけど、お昼は商店街で適当に買って食べてくれる?」
「はぁい、ありがとう。行ってらっしゃい」
近所の公園から子どもたちの声が聞こえる。
スマホ画面で9時を過ぎていることと同時に、着信履歴を確認した。
一応ネット検索してみたが、この電話番号に合致しそうな情報は得られなかった。
「深夜1時半に営業電話なんてしないか。あるとすれば間違い?まあ、また次回来たら考えるとするか」
週明けからは、いつものように出社と在宅勤務を組み合わせながら、程よい業務量の仕事をこなし、退勤後も友人に会うなどはせず、都内の自宅で過ごした。
この1週間は、先週とは異なる番号2箇所から電話がかかってきた。
ひとつは熊本県の特別養護老人ホームからだ。留守番電話が入っていたので、私ではない方向けの電話と分かり、折り返してその旨を伝えた。
恐らく、以前の番号所有者宛だろう。
もう片方は個人からの発信と思われるが、出る前に切られてしまい、特定できなかった。
蒼汰は、前の持ち主に対する多少の苛立ちと同じくらい、これからどんな電話がかかってくるのかという好奇心も持ち始めていた。
「まずは、電話番号の整理だ」
特定できたものにはその発信者名を、特定できていないものには『不明』のあとに番号を振っていった。
電話帳には、老人ホーム(熊本)、不明①、不明②の3つが追加された。
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