夜空に 作者: 薄雪草 夜6時 宵闇が降りてくる 高い空の彼方から 遠くの、そのさらに遠くから 雲よりも、空よりも 遠く離れた 深淵みたいな空間があって そんなところから夜は 降りてきて 毎日のように 人を眠らせ、街を眠らせ そうして草木も眠りにつかせて 夜はいつも、静か 寝静まった時間に 夜だけは起きている 月の明かりに照らされた 夜道のように とても、静か 風だけが 語って 去っていくのを見送って 水面が揺れて 朝までは静寂の時間 おやすみなさい、月と街 また明日 日が昇るまで それまで 眠りましょう