(Part1)パッション(覚醒)
第1話(サスケ編)
第Ⅰ部(前半)
1. 勇VSサスケ編
-ストーリー-
〈プロローグ〉-序章-
『グローバル・クロス』 ~紅き十字架~
-第1話(Part1)- パッション(覚醒)
※キャラクターである桜による、紅き十字架,紅き救世主のナレーション(冒頭のどこかに挿入。)
(『グローバル・クロス起こる時、紅き救世主現る。』)
20XX年、舞台は近未来、地球では、血で血を洗い、化学兵器及び生物兵器が飛び交う第3次世界大戦(『国家的全面戦争』)の影響で、南極爆発が起こり、それにより、南極に穴が生じる。さらに、亜気〈ダーク・ミスト〉と呼ばれる気体(光化学スモッグの影響で発生した人間には無効な特殊なウィルス)を吸った亜獣達が大流行し、都会に群がっていた。
〈塗装がされてないジャポニカ共和国。
連邦の植民地状態(軍事ミサイル基地がある。)で、廃墟と田舎(の景色)が混じっており、
‘オーシャン・ビュー’が見物。〉
(※また、アメリカのほとんどはその影響で洪水によって沈没し、朽ち果てたヴィーナス(女神像)などのみが残った。)
そんな中、日本こと大東亜共和国は、未来都市型の軍事国家大東亜連邦と、整備されていない自然派のジャポニカ共和国(珊瑚礁などが見られる反面、不毛地帯も目立つ島)という2ヶ国に分化される。〈2極化〉
連邦は、ゴエモンという怪しげな男に支配権を委ねられ、ジャポニカ共和国との貧富の差は、激しいものがった。
荒れた無法地帯、ジャポニカ共和国では、ライバルだった「黒熊軍団」を含むテロリスト同士の抗戦が相次ぎ、生き残った「赤蟹軍団(レットx・カンサーズ)が支配権を委ねられた。
【※‘レットx’は、レッドと読む。】
そんな中、ついに連邦への隠し通路を切り抜け、連邦に対してテロを行う男が現れた。
陣内 勇(通称:『ユダ』)、
17才である。
父にスーパーメカニストの陣内誠を持ち、赤蟹軍団のサブ・リーダー、戦闘のエキスパートである。
夜中、テロは実行された。
(事の発端。)
ゴエモン「また向かって来たわね。今日もアンタ達をイジメてあげる。手加減なしよ。」
連邦側から出動する敵部隊のケイン(ゴエモンの部下)。
勇「もう慣れっ子だぜ。連邦のアジトへ渡り切れば、親父との約束も守れる。
俺が、『救世主』になる。」
一樹「おっと、‘救世主’はこの俺だ。誰がリーダーをお前に任せると言った。
今日こそ時代の‘救世主’になり、ジャポニカを救うぜ。
‘紅き十字架’よ、我と共にあれ!!」
一同、歓声。
「黒熊軍団」(ブラック・ベアーズ)出身の広喜が叫ぶ。
「やべェぞ、いつもと何か違う。」
玲「レナさん!!」
ケインと戦っていたレナが、
ゴエモンに捕まり、暴力を振るわれる。
ゴエモン「吐きなさい、女。エビス様(陰陽師)の予言だと、
この中に鼠が一匹、『細胞操自者』が混ざってる
らしいじゃないの。」
一樹「ゴロー、盗聴器貸せ、あのオカマ、何喋ってる。」
五六「はいよ。」
盗聴器を一樹に渡す五六。
・・・一樹「『細胞操自者』だと!?
誠の実験内容はシークッレットなのにバレてやがる。
『細胞操自者』はいない。
実験は勇の体力不足で中止になったんだ。
それ以上レナを痛ぶるな!!離せー!!」・・・
ゴエモンに連れ去られるレナ。
広喜「おい、一樹、この辺のうじゃうじゃ居る敵は俺が片付ける。
勇、玲、お前らも一樹に続け!!先の通路に向かえ。オラオラオラー!!」
勇「サンキュー。」
玲「恩に着るぜ。」
通路を越え、ジャポニカから連邦に渡ろうとする3人。
阻止しようとするケイン。
一樹がケインとの一騎撃ちになり、
勇と玲は救おうとする。
が・・・、
一樹「やべェ。。」
ケインの足蹴りを食らい、腹を押さえ込む一樹。
玲「あの足蹴り、レナさん直伝の。。」
勇「延髄蹴り、通称、『メテオ(流星)・クラッシュ』。」
玲「なんでアイツが同じ技を・・。」
勇「間に合わねェーー!!一樹さーーん!!」
駆け込む勇。
一樹「うぉ・・。」
ケイン「留めだ。死ね。」
ナイフで心臓部を狙われる一樹。
避けるが、そのままトラップ(罠)にハマり、
ガトリングガンの餌食になる。
火の粉が舞う。
一樹「‘紅き十字架’よ。我と共に、あれ・・。」
血を吐き、倒れ込む一樹。
胸にある「紅き十字架」のネックレスが外れる。
玲「イッキ・・。」
勇「イッキさぁーーン。」
ネックレスを握り、泣き叫ぶ。
一樹「良かったな、念願のリーダー交代だ。お前が、‘紅き十字架’を継げ、みんなの為に。」
涙する一樹と勇。
出会った頃の回想が2人を包む。
・・・一樹「蛇のように、シブとく生きろ。‘ユダ’。」・・・
-死亡-
勇「俺の名付け親だった。俺の全てだった。かけがえのない命を、よくも。」
その間、玲と戦っていたケインに牙を剥くが、ケインは俊足で逃げ去る。
ケイン「くそ、リーダーの‘蟹多田一樹’は、『細胞操自者』であらず。細胞採取の任務果たせず。」
スピーカーでゴエモンに言葉を送ると、その場を消え去る。
玲「皮肉だな、一樹さんのお蔭で、初めて連邦に渡っちまった。」
涙する2人だが、連邦側のアジトの近くまで到着。
勇「あの電子モニター板、あそこに‘ゴエモン’が映ってる。あのオカマ野郎、連邦を牛耳ってジャポニカを苦しめやがって。イッキさんの仇を取ってやるぜ。」
その頃、広喜と五六は囮作戦に入り、五六が行った‘サイバー・テロ’により、連邦側の全ての電灯が消える。
単独で組織に連れ去られたレナが姿を現す。
勇と玲は途中より2手に別れ、勇はレナを追った。
ゴエモン「憎っくき蛇達は排除しましょう。
サスケ、処刑の時間よ。命令に従いなさい。」
アジトの入り口から青い忍者の甲冑とヘルメットを被ったサイボーグのような男が現れる。
-現れた‘人間型殺人兵器’未来忍者『サスケ』は、レナのラバー・スーツを引き裂き、素早い動きでそのままレナを暗殺する。-
さらに勇の左腕を斬り、向かってきた。(右脚もダメージを受ける。)
勇「レナーーー!!」
同時に、強烈な「パルピテーション(動悸)」が、勇を襲う。
何が起きたかは分からないが、絆創膏が剥がれ(十字架が浮かぶ)、勇の顔は強力なデビルと化し、その一体は信じられない力で窪みとなった。
【漆黒の一角を持つ冥王。】
一樹から渡され首に付けた紅の十字架(フェニックス模様)が反応し、倒れる。
これが初めての‘パッション’〈覚醒〉である。
〈覚醒後は意識の回復を待つが、覚醒中の記憶はほとんどない。〉
・・・3日後の朝・・・
勇「夢・・。」
気絶した勇、目が覚めるとそこは、
(ヘビー・スモーカーの)誠の研究部屋であった。
~マニュアル説明~
(「紅き十字架」のネックレスを再び見させられる。)
-改造型ボディ・パーツ-
(設計図〈クローズ・アップ〉を見せながら喋る)
誠「起きたか。。
『ニュー・ボディ』の誕生だ。」
(☆ここからは、‘パッション’〈覚醒〉や、機械細胞〈マシーン〉についてのメカニズムを説明。)
※「細胞機」とは、「機械細胞」の略語である。
誠「その胸にある、十字架がお前の姿を人間に戻した。どういう関連かは分からん。」
勇「俺の体・・。」
誠「ギブスじゃない。本物だ。」
気付くと、勇の半身(左腕と右脚)は、サイボーグのような生き物に支配されていた。
誠「完成だ、『細胞操自者』。パッション(覚醒)時のエネルギーを研究した結果、改造実験は成功した。」
パーツを動かす勇。
誠「どうだ、馴染んでないか。」
驚く勇。
勇「これが、俺の体・・。」
誠「すまん、悲しいだろうが聞いてくれ。」
煙草で一服した後、言葉を放つ誠。
誠「俺はお前の本当の親父じゃない。」
勇「本当の親父じゃない!?」
傷を押さえながら、起き上がろうとする勇。
謎の展開。
誠「お前ももう一人前の大人だから言う。。
俺が義理の父親であった事を黙っててすまなかった。」
本当の親はガイア(別の世界)に住む冥王であり、‘覚醒’がこのタイミングで起きたのは、
南極爆発をきっかけに、ガイアを通じて、冥界と地球が作用し合う時代に入ったからだと説明する。
さらに、十字架の説明を繰り返す。
誠「とにかく、その十字架は、覚醒によって促された原動力を制御(鎮静化)し、一時的にお前の身体を静寂に封印する働きがあるんだ。どのタイミングで発動するかは知らんがな。死んだ一樹に感謝しろ。」
勇「そうか、一樹さん、死んだんだ。」
溜息をつく。
・・・誠「お前のその、一樹から預かった‘ギフト(十字架)’をいつまでも大切にしろ。
まぁ、一樹との絆がなくなる訳ではないがな。」・・・
(回想)
心の中で同情する誠。
誠「お前の元の左腕と右脚はもう使えねェ。
(右脚は痛んでたからついでに改造した(笑)。」)
誠「(お前仕様に)腕の方はシリンダー(筒)型の武器(細胞機)に、右脚はダッシュ(及び気を溜めて攻撃するダッシュ蹴り)や、エア・ダッシュ用の装置となったり、移動する為のエア・スケボー、略して『エアスケ』に変型するモノに変えておいた。」
再びサイボーグ化した体を確かめる勇。
誠「お前が倒れてから3日だ。玲が運んでくれたんだ。感謝しろよ。」
デビル化した時は、筒型のままだと膨らんで危険な為、筒型の左手は、ドーパミンの作用で掌型に変型するようになっている。
(興奮すると、ドーパミンの作用をキャッチし、神経伝達を引き起こしてパルム(掌)化する。)
実験の結果を勇に話す誠。
掌型ではE.P.(エナジーの事)の消費が激しく、全て消耗すればお陀仏となる。〈専用の試験管式タンクを注入して使うか〉充電するまでお前の細胞機は使えなくなる。
E.P.(エナジー)の使い過ぎは死にも関わる。
パッション(覚醒)を起こす事に十字架の力は強度を増し、3日眠ることも、今回が最後である。
筒型のマシーンは、『機械細胞』あるいは細胞機と呼ばれる事となる。
誠「お前は単なるサイボーグではなく、それを細胞の一部として自在に操れる。かつて優〈※誠の親友〉と一緒に研究し、造られた上等な代物だ。単なる兵器と思うなよ。」
〈スーパー・テクノロジー(科学技術の産物)〉
(シリンダーの先の穴は、扇風機状になっており、回転する。)
作業用ロボットのたまやんを紹介する誠。
勇「へんてこな奴、痛い、痛いって(笑)」
たまやんに身体をこしょばされ、ベッドから落ちそうになる。
さらに最後の説明を加える。
誠「コレを渡しておこう。これは南極爆発が起きた後に拾った『火の石盤』だ。これをそのシリンダーに差し込めば、火属性の力が宿るシステムだ。良かったらここで試していけ。
〈たまやんを通じて‘インサート’を行う。〉
(一度、石盤をたまやんに解読させれば、シナプスを通じて(集積回路(ICチップ)を介して)シミュレーションされ、メモリー化されるシステムだ。)」
※余談になるが、一樹には生き別れの妹あさりがいて、別離する前に撮ったツーショット・ミニ写真の入った白い貝のペンダントが形見として登場する。(あさり「この世に一つしかない。」)
勇は複雑な思いで仮眠を取る。
誠「そろそろ出発だな。」