ね、ね、なんの話?
田口が急に叫んだ
「やーーあれ、気持ち悪くね?伸びてるし」
「お兄ちゃん!窓閉めて」
真凜の声にぴしゃりと窓を閉める
「なぁ、真凜。いつものように神様の声は聞こえないのか」
「あれ、いつもと違うの」
「ね、ね、なんの話?」
「な、田口。お前にはアレ見えてんの?」
「変なこと言うよね。見えてるよ。おまけに声ってのも聞こえてるよ」
「え?」
「は?」
「ってか、逆にお前だけ聞こえてないんじゃない?」
「は?どういうこと?」
「だって、お前だけ話通じてないじゃん。ねーー。真凜ちゃん」
「俺がおかしいって事?」
「そうなるよね。だって、ほら今も聞こえないんだろ」
「な、なにが・・」
真凜は耳を押さえている。
「ユルサナイ。ニガサナイって、聞こえない?」
「聞こえない」
「ほら、お前がおかしいんだって」
「ええええ!俺?」
「だって、真凜ちゃんにはきこえているんでしょ。ね」
真凜は涙目になりながら、何度も首を縦にふる。
「大丈夫だよ。真凜ちゃんには俺がついているから」
どさくさ紛れて、ベットに座ろうとする。俺は、それを阻止しながら
「田口さん・・「ミツケタラ、ユルス、ミツケロ」って聞こえる?」
「・・・・・ん?」
「それは、聞こえないんだね」
「ほおら、お前も凡人って事よ。な、真凜そーゆー事だろ」