真凜ちゃんはレディースデイです。
そんな事もあったんだが、その時も思った。
俺に対して物事が起きるなら、なぜ神様はこれを最初から回避してくれないんだ!!!救われて有難い気持ち。最初から救ってくれない理不尽さにモヤモヤと騒めく。
「おっはよー直樹」
「あーおはよ」
「あれれ、、真凜ちゃんは?」
「今日は体調不良でお休みです」
「えぇぇぇ、どこが悪いの、こりゃ、学校なんか行ってらんないな。俺お見舞いに行ってくる!」
「落ち着けって、多分、レディースデイなんだよ」
「なんだよ、それ、ランチタイムかよ」
「察しれよ。月一のレディースデイだよ!」
「・・・あーーー。はい、はい。そうですか、アレですね」
「そう、アレ、だから騒ぐなって」
「分かりましたよ。お兄さん」
「それ、やめろよな。気色悪い」
「まぁまぁ、いずれ、そうなるんですから」
付き合ってもいないのに図々しい奴だ。でも、本当に真凜の事を好きらしい。田口はいい奴だし、兄貴としては、まぁ他の奴らと付き合うくらいなら田口を進めはするが・・でも、ウザイので今は止めておく事にしている。
「ピコン」
携帯にメッセージが届く。画面には真凜の名前がある。田口は「なに?なに?」と絡んできたが、
「プライベートです。見ないでください」
手をかざしNO!と突き放すと素直に
「はぁい」
と返事をして少し距離を進めて歩いてくれた。
ーメッセージー
(お兄ちゃん。急に連絡してごめんなさい)
(どうした?気分でも悪いのか?)
(ううん。そうじゃないの)
(空が、いつもと違うの)
(どういうこと?)
(なんかね。斑になっていて、神様いないの・・)
(いないって何?)
(こわいの。お兄ちゃん)
(今から、帰るから窓は閉めてろ。いいな)
(分かった。ごめんね)
(気にすんな)
ふんふんと鼻歌を歌っている田口の背中に向けて声を掛ける。
「田口ぃー。俺早退する。先生によろしく言っといて」
「はぁ?なんで、なんて」
説明している暇もないので
「メンズディとでも言っといて」
「んなの、ねーだろ、おい」
田口の言葉を背中で聞き、手を振る。
走りながら、空を見上げるが、雲一つない景色が続いていた。