レベリング
今回はレベリングとタイトルになっていますが主人公のレベルは上がりません。なぜでしょうねぇ?
光が治るとそこは見覚えがある下水道だった。
周りを見渡してみるが誰もいない。源さんと白月、ハイドはどこに行ったのだろうか。
まぁそのうち合流できるでしょう。まずは下水道を抜けることから始めよう。
「チュヴヴヴゥ!」
「チュヴ!チュチュヴ!」
どうやら何事もなく返してはくれないようだ。劣鼠男の三人パーティーが襲ってきた。
レベルは平均7ぐらい。多分勝てるでしょう。それに、グラムから貰った火魔法のレベルも上げないとな。
「魔法陣展開、重ねて魔法陣展開」
この前実験した魔法陣で魔法陣を起動する荒技。なぜ荒技かというと魔法陣がもう一つの魔法陣の魔力に耐えない場合もあるから、これはおそらく正規の方法ではないんだろう。きっと。
「火炎球!」
魔法陣を二重に重ねた火炎球はバスケットボールぐらいの大きさだった。それが劣鼠男の腹にまっすぐ飛んで行った。
「ヂュヴァ!」
火炎球が当たった劣鼠男は衝撃で後ろに倒れた。さらに後ろからついてきていた2匹も巻き込んで倒れた。
「魔法陣展開、魔法陣展開、魔法陣展開」
続けて三つの魔法陣を展開する。放つ魔法はそれぞれ別。
「魔力球、火炎球、闇球」
全部が間抜けにも倒れている劣鼠男の頭に当たった。おそらくクリティカル判定だろう。
「「「ヂュッ!」」」
三匹ともHPが全損した。クリティカル判定って怖い。けどやっぱり魔法も楽しいけど自分で殴りに行った方が早いな。
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《戦闘に勝利しました》
《火魔法のレベルが上がりました。lv0→2》
《闇魔法のレベルが上がりました。lv10→11》
《無魔法のレベルが上がりました。lv11→12》
《魔法陣のレベルが上がりました。lv16→17》
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「火魔法はレベル2まで上がったか。初心者にとっては狩りやすいモンスターなのかねぇ。まぁどうでもいいけど」
そうだ。先に地上に行く前に源さんにフレンドコールしておこう。出なかったらフレンドメッセージでもしておけばいいでしょう。
呼び出し中...呼び出し中...
『おう、ダイキか』
「ああ、さっき神々の領域から帰ったんだが、今どこにいるんだ?」
『今か?今はシャーディーの領域に飛ばされた時にいた場所にいるぜ』
「そうか。わかった。じゃ、そっち行くわ」
『了解。白月とハイドも一緒にいるからな』
「了解」
にしても、さっきの戦いで少し場所を移動してしまったか。急いで戻るとするか。
「よう、さっきぶりだな」
「だな。白月とハイドも」
「はい、お父様!」
『さっきぶり、主』
「相変わらずハイドは念話なんだな」
『そう。気に入った』
「だろうな。で、合流もしたし下水道出るか?」
「そうだな。いつまでもここにいる意味はないからな。さっさと出よう」
「了解っと。白月とハイドもそれでいいか?
「はい、問題ありませんよ。お父様」
『ぼくも問題ないよ、主』
「了解っと。じゃ、行きますか」
俺たちはハイド先行でハイド案内のもと下水道から出た。ハイドのおかげで魔物と戦闘することもなかったけど、面白みもなかった。つまんないの。
「さて、レベリングして寝るか?」
「そうだなぁ、てか今何時だ?」
「え〜っと、0:54だな」
「そろそろ1時か。あいつらは今やってんのか?」
「そんくらい自分で確認しろよ...え〜っと、どうやらやってるようだな」
「まだやってんのかよ。あいつら学生だろ?こんな時間までやってていいのかよ」
「知らん。俺に聞くな」
「そりゃそうか。で、どこでレベリングする?」
「無難にボスでいいんじゃね」
「だなー。ってかここら辺でそいつ以上に経験値うまいやついないか」
「一応いるぞ」
「いるのか?掲示板見てもそんな情報ないんだが」
「当たり前だな。誰だって自分が見つけたエリアは攻略終わってから掲示板に報告するだろ」
「なるほど...ん?てことはお前の言う経験値うまいやつって」
「お前の予想通り、次のエリアのボスだ」
「ほぉ〜ん、無謀に聞こえるかもしれんが...」
「次のエリアの適正レベルは20〜だ。そこでレベリングすればすぐいくレベルだ」
「ま、そうだな。じゃ、いくか」
「だな」
さて、方針も決まったことだし雑魚狩りながら次のエリア目指そうか。
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《戦闘に勝利しました》
《剣術のレベルが上がりました。lv8→10》
《新たに剣術の武技:飛斬を習得しました》
《心眼のレベルが上がりました。lv10→11》
《罠魔法のレベルが上がりました。lv0→3》
《跳躍のレベルが上がりました。lv3→5》
《白月の種族lvが上がりました。lv13→14》
《白月の職業lvが上がりました。lv13→14》
《ハイドの種族lvが上がりました。lv3→6》
《ハイドの職業lvが上がりました。lv3→6》
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これがボス猪まで狩ったときのスキルレベルの結果。初めて罠魔法使って見たけど面白い。魔法陣見たく重ねがけできなかったけど相手にとっては何もないところから急に魔法が出てくるって軽くホラーだな。
ちなみに魔力眼では思いっきり罠魔法の魔法陣が見えていた。魔力眼持ってるやつと戦う時は罠魔法はあまり出番はないだろうな。
「さて、この先から第二エリア...まだ情報が公開されていない未開拓のエリアだ。覚悟はいいか?」
「もちろんです、お父様」
『俺も大丈夫』
「つってもここまで来ちまったからな。もう引き返すのも面倒だろ」
「そりゃそうだ。じゃ、行くか!」
「おう」
そう言うと俺たちは第二エリアに足を踏み入れた。
第二エリアは静寂の草原と同じ草原であった。エリアの名前は《騒動の草原》。一つ前のエリアとはえらい違いだ。
名前からして大層騒がしいんだろうな。
「一個前とは真逆のエリア名だな」
「そうだな。魔物同士の争いが絶えないのだろう。もしくはそれ以外に騒がしくなる要因があるんだろうな」
「だな。それしか考えられないよな。で、どうする?一直線にボスを目指すかレベル上げしながら目指すか」
「もちろん、レベル上げしながら一直線にボスを目指すに決まっているだろう」
「そりゃそうだ。レベリングが目的なんだからな」
「その通り。じゃ、行こうか」
「おう」
このエリアはどんな魔物が出るかわからないから少しは慎重に行こうかな。
「キャキャェァ!」
三匹の猿が現れた。とりあえず久々に鑑定を使おう。
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名前:なし 種族:戦野猿lv14 職業:素人棍棒使いlv14 性別:雄
スキル:棍棒術 筋力強化 器用強化 連携
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「なかなか強いなぁ。少なくとも俺よりレベルは高いや」
「だろうな。一度も進化も転職もしてないんだから。さっさと進化すればいいのに」
「おもしろそうなのないんだよ」
「へぇ〜。じゃあ今度進化先一覧見せてくれよ」
「へいへい。まぁ後でな。今は猿どもを駆除するのが先だ」
「そうだな。俺一匹やる」
「へいへい。じゃ俺も一匹やる。白月とハイドでもう1匹頼む」
「わかりました!」
『俺一番レベル低いんだけど...まぁいいか』
そうそう、俺たちはこんな感じなんだ。さっさと諦めることが大事だぞ、ハイド。
さて、さっさと終わらせて観戦でもしてようか。
「来いよ猿。ぶった切ってやるよ」
「キキィ!」
「久々に素手で戦おうかな。最近おろそかにしてたしな」
魔力操作で自分の魔力を操作して拳(骨)に纏わせる。拳と棍棒ってどっちが強いのかな。まぁどうでもいいか。
「キキィ!」
猿が愚直にもまっすぐ突っ込んで来た。バカだなぁ。なんでまっすぐ来るんだろうか。武器を使う知恵があんのになんでまっすぐ来るのかなぁ。
そんなくだらないことを考えながら見てたら猿が俺のところまでたどり着いて棍棒を振りかぶっている。
その棍棒を半身になって避け、カウンターの要領で顔面に叩きつける。これで猿は吹っ飛んで行く。HPは三割しか削れなかったか。残念。目標四割だったのに。
猿はすぐに起き上がったが、吹っ飛ばされたときに手放した棍棒を探している。敵の前でそんなことする余裕があるなんて素晴らしい。ぜひ死んでもらおう。
「よそ見すんなバーカ」
「ギィ!」
頭に文字通りの拳骨を落とす。HPはあと三割ぐらい。なんでこんなダメ入ってんだ?違いといえば左で殴るか右で殴るかぐらいなんだが...それか!俺は両利きだが、右の方が力が入りやすいんだったな。利き腕でダメージ量が違うなんて細かいな。
さて、放置してた猿をボコるだけ。簡単なお仕事だ。
「さて...と。ほかの人たちはどうかな?」
様子を見てみると源さんのところはもうほとんど終わりだな。HPは一割を切りそうだ。白月たちはどうかなっと。
「やぁ!」
『...むしゃむしゃ』
「何食べてんですか!そんな猿の肉なんて美味しいわけないでしょ!ペッしなさいペッ」
『...案外美味しい』
「美味しいのですか」
なんだか楽しそうだな。白月のHPも七割残ってるしハイドに至っては削られてない。おそらく小さくなってずっと噛んでたんだろうな。
それに対して猿のHPはもう三割しかない。すぐ終わるだろうな。さっさと終わらせて欲しいものだ。任せたのは俺だけど。
「おう、そっちは終わったようだな。ダイキ」
「さっきな。お前も終わってんじゃん」
「まぁな。けどお前は刀使わなかったんだな」
「ああ。たまには拳も使わないと鈍るしな」
「まぁそうだけどな。それでも格闘術をメインに使ってる俺より早いってどうなのよ。もう少し鈍ってくれてもいいんだぜ?」
「断る」
「ま、だろうな」
「さて、そろそろ終わるかな」
「終わるだろうな。白月も本気になりそうだな」
「だなぁ。おそらくそろそろ人狼化も使うだろう。それに魔力爪に爪も使用している。他にも疾走も使ってるし無魔法の魔力剣も使用してるし。魔力も空だろうからこれで決めるつもりだろう」
「だなぁ」
「あ、終わった」
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《戦闘に勝利しました》
《魔力操作のレベルが上がりました。lv16→17》
《白月の種族lvが上がりました。lv14→15》
《白月の職業lvが上がりました。lv14→15》
《ハイドの種族lvが上がりました。lv6→8》
《ハイドの職業lvが上がりました。lv6→8》
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「ハイドのレベルが一気に2も上がった。後2レベで1回目の進化だ。白月もあと5レベで2回目の進化だな」
「結構早いペースでレベル上がってんだ」
「だな。俺なんてまだレベル1も上がってないんだぜ」
「それはお前が進化と転職しないでレベル上限解放してないからだ」
「そうなんだよなぁ。このエリアのボス倒したらいい加減進化でもしようかな」
「そうしろ」
そんな感じで源さんと話してると人間に戻った白月が話しかけてきた。
「お父様のレベルが上がらないのは進化と転職をしていないからなのですね」
「そうだ」
「なぜしないのですか?」
「それはな、面白そうなのがなかったからだ」
「そうなのですか。ではしょうがありませんね」
「だな」
『それでいいんだ』
「おうハイド。それでいいんだよ。さて、じゃそろそろ動きますか。ボスがいそうな場所までさっさと行ってさっさと倒そう。できれば朝になる前に」
「なんでだ?」
「朝になったら他のプレイヤーが来るかもしれないから」
「なるほどね。そういえば、この第二エリアには街はないのか?」
「そういうのは掲示板を見れば大体乗ってる」
「だな。少し見てみるか...」
「あったか?」
「ああ。あったぞ。ここから少ししたところに《ダイス》って街があるようだ」
「へぇ〜。まぁ俺たちには関係ないかな」
「じゃあなんで聞いたんだって話だが」
「街の場所わかってればどの方向からプレイヤーたちが来るか大体わかるだろ」
「なるほどね。それならしょうがない」
「ああ。じゃ、さっさとボス倒しに行くぞ」
「そんな簡単に倒せないからボスっていうんだがな。まぁわかったよ。行くか」
「はい、行きましょうお父様」
『さっさと倒そう』
俺たちはまたボスがいそうな場所を目指して歩き始めた。
「そういえばお前はどこにボスがいるかってわかるのか?」
「そうだねぇ...まぁ言っても問題ないかな。俺は魔力眼を常に起動している。そして魔力眼で視ると結構強い魔力が集まってる場所があるんだ」
「なるほど、つまりそこにボスがいる可能性が高いってことか」
「そういうこと」
「なるほどねぇ。魔力眼って便利なんだな」
「そんな便利じゃないよ。スキルレベルも上げないといけないし」
「まぁそりゃそうだな」
「けどその魔力が集まってる場所が面倒そうなんだよな」
「どこなんだ?」
「地下だ。おそらく洞窟から下に行くんだろうな」
「なるほどね。確かに面倒だな」
「ああ。まぁそれでも行かないといけないんだがな」
「ま、そうだな」
そんな雑談をしながら源さんと白月、ハイドとともに歩いて行く。
みんな大好きなレベルアップ一覧。作者は好きじゃない。書くの面倒だから。まぁ効率的なやり方見つけてからは結構楽になったけどね。
ダイキ: 剣術lv8→10 心眼lv10→11 闇魔法lv10→11 魔力操作lv16→17 無魔法lv11→12 魔法陣lv16→17 罠魔法lv0→3 跳躍lv3→5 火魔法lv0→2
白月:種族lv13→15 職業lv13→15
ハイド:種族lv3→8 職業lv3→8
次回予告!(ネタバレともいう)次回は3回目のボス戦だ!次回予告終了!