野暮用
今回は少しだけまだ未登場の魔法が登場します。
そろそろ章変えた方がいいのかなぁ。初作品だから勝手がわからない。
「にしても、アースに用事ってなんかあんの?」
「用事があるから行くんだろう」
「そりゃそうか」
シャーディーと雑談しながらシャーディーの領域から出てアースさんの領域の前まで来た。
「そういえば君いつのまにか敬語消えたよね」
「あんたには敬語いらんだろう」
「どういう意味だコラオイ」
「そのまんまの意味だ。誰もお前を崇めたりはしないだろう。お前の本性を見たら」
「本性ってなんだ本性って。俺は常に素で生きているぞ」
「つまり、お前は最初から残念なんだな」
「誰が残念だ。生きるのが上手と行ってくれ給え」
「確かに生きるのは上手ですけれど、それと同じ管理者の前で言うのはどうかと思いますよ?シャーディー」
「ん?あ、アースじゃんいつのまに。いつからそこに?」
「いつからって、ここは私の領域のすぐ前ですよ?会話が聞こえたので自分の領域から出て来ただけです」
「なるほど。で、ダイキくんがアースに用があるらしいぜ」
「知っています。ダンジョン作りが終わったら、グラムさんを紹介する約束ですから」
「な〜んだ。知ってたの。じゃ、あとは当人同士で話してくれや。俺はそろそろお暇しま〜す」
「それは別に構いませんが、仕事はきちんとしてくださいね」
「わ〜ってるよ。心配すんな」
「いえ、してるのは心配ではないのですが...まぁいいでしょう。さっさと行きなさい」
「へいへい。じゃあね、ダイキくん。あと、ついでだしこれも渡しておこうかな」
そう言うとシャーディーは魔力の塊を動く骸骨の胸に入れた。
すると、インフォが届いた。
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《称号:死神のお気に入りを習得しました》
《それに伴い進化先に変化が生じました》
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「何してくれてんだテメー」
「いや?別に?いつでも君を観察できるようにするためとかではなく?ただ純粋に面白そうだなっと思っただけですよ?」
「目が泳いでんだよ。何してくれてんだテメー」
「まぁまぁ。ダイキさん落ち着いて」
「そうそう。落ち着きなよダイキくん」
「誰のせいだと」
「まぁまぁ、シャーディーの処罰は後で他の神々と相談して決めますので、ここはどうかご容赦ください」
「え?俺は処罰される前提なの?」
「当たり前でしょう。そもそも、神の称号を付与するには他の神の合意が最低でも3名必要でしょう。しかも、そのルールを定めたのはあなたでしょう。何自分が最初に破ってくれてんですか」
「いや、だって面白そうだしね。てか、逆に何が悪いんだ!俺は混沌を司る神だぞ!こうした方が混沌としそうだろ!」
「何逆ギレしてんですか!まぁ仮にその主張が通ったとしても、まずは他の神と相談して最低でも3名の合意を得てからにしてください」
「へいへい。しょうがねぇな」
「しょうがないですって?もともとあなたが定めたルールでしょう!本来なら、仕事の量4倍にサボらないように監視者をつけるところをかなり譲歩して神々で相談して決めると言っているんです!少しは反省しなさい!」
「ほいほい。わかりました〜っと」
その時、アースさんの堪忍袋の尾が切れた...気がした。
「そうですか。自然魔法:理不尽なる怒り。空間魔法:小空間。時間魔法:永遠の時」
アースさんが三つの魔法を使用すると、いつのまにか空中に小さな空間ができており、その中はよく見えないようになっている。さっきアースさんは白月も持ってる自然魔法と空間魔法に時間魔法を使っていた。おそらく、と言うかほぼ確実にこの小さな空間が空間魔法でできた空間だ。そして中が見えないのは、空間魔法の応用かな。すごくきになる。
「あの〜?アースさん。何したんですか?」
「あっ...すみませんダイキさん。ちょっと忘れてください」
「え〜っと...はい。わかりました」
「ありがとうございます。では、気を取り直して、グラムさんの領域に行きましょうか、ダイキさん」
「そうですね。行きましょう、アースさん」
そんな少しハプニングがあったが、まぁ気にしないことにしてアースさんの領域を出た。
「そういえば、グラムさんはどんな感じの人なんですか?」
「そうですね...無口でいつも自分の領域で物作りをやってる変人...ですね」
「変人?なぜですか?」
「なぜって、あの人はずっと自分の領域に引きこもって物作りしてて、神々の集会にもたまにしか顔を出さないので、みんなから変人扱いされているんです。まぁシャーディーはいつもどおりだけどね」
「でしょうね。あいつはそんなやつだからな。どうせあいつは混沌が大好き...と言うか面白いものが大好きなんだよな」
「そうですね。あいつは変人ですね。グラムさんと同じです」
「その言い方はあいつと同類みたいに聞こえるからやめてもらおう」
突然何もないところから男性が出てきた。高身長で褐色肌。髪の毛の色は紅だ。綺麗な色だな。
「あら、別にそんなことはないですよ?」
「それならばいいんだが...それで?そいつが例のやつのお気に入りか?」
「ええ、そうですよ。この人があいつのお気に入りのダイキさんです」
「そうか...ん?なぜこいつからあいつの気配を感じるんだ?」
「あぁ...それがですね...かくかくしかじかでして...」
「ほぅ?まぁ問題ないだろう」
「な、なぜ?」
「なぜって、確か神々の称号を付与するのは最低三人の神の合意が必要だったよな」
「そうですけど...」
「ならば俺たちもこいつに称号を付与すればいい。そうすれば3名の神の称号を持つことになるから他の神も文句はないだろう」
「それは...そうですけどね。その場合、シャーディーの処罰はどうします?」
「俺たちでやればいいだろう」
「まぁ...それもそうですね。ではそうしましょうか」
「ああ。と言うことだ、ダイキくん。俺たちは君に称号を付与する。これは別に付与されても特に問題はないから」
「そ、そうですか。わかりました」
「ああ。では」
「私も」
二人がそう言うと、魔力の塊を出した。けどそれはシャーディーのとは全然違う色をしていた。アースさんは翠色。グラムさんは紅色だ。両方とも綺麗だな。
「綺麗ですね。お二人の魔力」
「ん?視えているのか」
「そういえば、ダイキさんは魔力眼をお持ちでしたね」
「ええ。持っていますけど」
「なるほど。それならば視えるのも納得が行くな」
「はぁ、そうですか」
「ああ、では称号を付与する」
「お願いします」
二人は魔力の塊を自分の体である動く骸骨の左胸あたり...ちょうど人間でいうところの心臓に入れた。
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《称号:大地神の興味を取得しました》
《それに伴い進化先に変化が生じました》
《称号鍛治神の興味を取得しました》
《それに伴い進化先に変化が生じました》
《3名の神の称号を取得したことで新たに称号:3神が認めし者を取得しました》
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「たくさんインフォきたなぁ」
「まぁ新しく2人の称号に3名に認められたことでさらに称号を取得したせいだな」
「まさしくその通りなんですが、なぜ知っているんです?」
「我々は管理者だ。インフォなども我らが設定している」
「まぁそう言われればそうですね」
「ですね。では、用事を済ませてしまいましょう」
「用事?誰かに用事あったのか?」
「ええ、ありましたよ。グラムさんに」
「俺に?なぜだ?」
「えぇっと、俺は今度白月のために刀を作りたいんですが、できれば鍛治のコツを教えてもらいたくてですね...」
「ほう。そういえばお前は人化できる仲間がいたんだったな。そいつの刀を作りたいと」
「そうです」
「そうか...では、俺の領域に来るがいい。少しくらいは手ほどきしてやろう」
「お願いします!」
「では、私はここまでですね」
「そうなのですか?」
「ええ。私は自然の神だからなのかわかりませんが炎が近くにあると落ち着かないんですよね」
「いえ、普通は誰も落ち着かないと思います」
「そうか?俺は落ち着くぞ」
「それはあなたが火を司っているからでしょう」
「それもそうか」
「ええ。話が逸れてしまいましたが、そんな理由で私はここでお暇しますね」
「わかりました。ここまで案内していただきありがとうございました」
「ふふ。いえいえ、こちらこそ楽しい時を過ごさせてもらいましたので構いませんよ」
「そ、そうですか」
「ええ。それでは、縁があったらまた会いましょう」
「ええ、そうですね」
「では、こちらも行こう」
「わかりました」
アースさんと別れてグラムさんについていく。
「まぁ俺の領域はすぐそこなんだがな」
「そうなんですか?」
「ああ。さっき俺は突然現れたように感じただろう?」
「そうですね」
「あれは俺の領域から出てきただけ、つまりさっきから話していたこの場所が俺の領域の入り口だ」
「な、なるほど」
「ああ。では入るぞ。おそらく慣れるまでは少々暑いだろうが、我慢してくれ」
「わかりました」
先に謎の空間にグラムさんが入っていった。
それに続いて俺も入る
「うぉっ!?」
謎の空間から出ると急に熱波が全身を覆った。
「これは...覚悟はしていたが、とてつもない熱波だな」
「そうか?これくらいは普通だろう。むしろアダマンタイトやオリハルコンなどの鉱石を延棒にしたり武器や防具に加工するにはこれ以上の温度が必要だぞ」
「へぇ〜って、それって一プレイヤーに教えても問題ない情報何ですか?」
「ふむ。おそらく問題ないだろう。どうせアダマンタイトやオリハルコンなどのファンタジー鉱石はいつか見つかるのだ。今教えても問題ないだろう」
「そうなんですね。てかそういうファンタジー鉱石は見つかる前提なんですね」
「当たり前だろう。人類側のプレイヤーにはグランドクエスト...このゲームの最終的な終着点に到着するまでにある物語で必ず登場する鉱石だからな」
「そうなんですね。てか魔物側にはグランドクエストはないんですか?」
「まぁ...あるっちゃあるんだが...それにはとある職業を持つプレイヤーが必要なんだ」
「とある職業?なんですかそれは」
「残念ながらそれは教えられない」
「そうですか。まぁ王道的には魔王とかそんな感じですかね」
「残念ながらそれにも答えられない」
「そうですか。まぁ魔王はありふれていますものね。あり得ないでしょう」
「そうだな。では、そろそろ鍛治のコツについて教えてやろう」
「あ、もともとの目的はそうでしたね。ではよろしくお願いします」
「わかった。ではまずこのゲーム内における鍛治のやり方から説明しよう。このゲーム内には一般的なやり方が二つある。一つ目がリズムに合わせて特定の場を指定された強さで叩いていく。それでリズムが終わると鍛治終了でアイテムが出来上がる」
「ほうほう。それは一般向けですね」
「その通りだ。普通は鍛治なんか経験したことないやつらだからな。むしろ経験してるやつはそいつは鍛治士の家系なんだな」
「まぁそれ以外にはないでしょうね。それで、もう一つの方法とは?まぁ大体予想はつきますけど」
「まぁ大方予想通りだろうな。二つ目の方法は現実と同じ方法だ。火の温度管理を気をつけ、さらにちょうどいい感じに鉱石をとかさなければいけない。叩いて鍛える時はきちんと叩く場所を考えて叩く」
「まぁ、でしょうね...で、俺に教えてくれるのはどちらなのですか?」
「どちらでもない」
「...え?」
「俺がとっている方法はこのどちらでもない」
「ど、どういうことですか?さっきは二つの方法しかないと」
「確かに言ったな。一般的には二つしかないと」
「一般的には...?」
「そうだ。この方法は俺が一から考案した方法だ」
「そ、そうなんですか」
「ああ。だから誰も知らない。これから教えるお前以外はな」
「な、なるほど。わかりました」
「教えることはそんなないが、注意しなければいけないことがある」
「注意しなければいけないこと?」
「そうだ。この方法は人間界において誰も知らない方法だ。故にその方法で作られるものは世間一般で作られているものとは少しばかり性能に変化が生じる」
「ほうほう」
「そしてその方法で作られた物は他の製作者より高性能。人間は皆が同じ値段なら高性能の方を選ぶ。そしてお前がそれを作っていると知られればとても厄介なことになる」
「厄介なこと?」
「そうだ。例えば、その方法を教えるまでリスキルしまくるとか」
「あぁ...それはとても面倒ですね」
「だろう?俺もそれは面倒に思える。故に信頼するもの以外が近くにいる場合は使用を控えることだ」
「わかりました」
「うむ。では、早速その方法を教えて行くぞ。準備はいいか?」
「はい。大丈夫です」
「そうか、わかった。では教えていこう。まずは炎魔法...じゃないな。まだ火魔法が一般的か。火魔法のなんでもいいが...できるだけ高温で高火力の魔法がいいだろう。それを使用し、魔力を流し続け魔法を維持する。その魔法が炉になる」
「なるほど。俺は近接型だから魔力が途中で無くなりそうだな」
「まぁそこらへんは頑張ってくれとしか言えないな」
「まぁそうですよね」
「ああ。では続けるぞ。鉱物を冷やすのには水魔法を使うといい。そして金床がわりには土魔法で土台を作るのがいいだろう。そうすればわざわざ炉を持って行く必要なくどこでも物作りができる」
「なるほど。でも、ここからが鍛治のやり方ですよね?俺は炉の時点で魔力が足り無さそうです」
「まぁそこは地道にレベルを上げて行くかもしくは魔法職に転職するかだな」
「それしかないですよねぇ」
「そうだな。で、肝心の鍛治の方法だが...ダイキ。お前は自分の周り、もしくは自分の魔力を思い通りに動かせるか?」
「それくらいはできますけど」
「なら、問題はない。その方法は自分の魔力、または周囲の魔力で鉱物を抑えながら鍛治をする方法だ。これのメリットはまず形が歪にならない。さらには魔力で抑えながら打つとたまに鉱石に魔力が宿る時がある。そうなると魔法陣のスキルと対応する魔法を持っていれば剣の柄などに魔法陣を彫ることで魔法を使えたり付与術を持っていれば自身のステータス強化にも使える。デメリットは魔力をとても使う点だ。まぁ周囲の魔力を使えば消費は少ないが、自分自身の魔力を使うより制御が甘くなるデメリットがある。まぁメリットデメリットはこのぐらいだな」
「へぇ〜案外少ないんですね」
「そうだな。普通にメリットの方がいい。だが、普通の鍛治士などはそんなに多くの魔力を持たないからな。一般の鍛治士には習得不可能なのだ。この技術は」
「まぁそうでしょうね。それに魔法も習得している鍛治士も少なそうですけどね」
「火魔法ぐらいなら持ってるやつはちょこちょこいるが、まぁ確かに少ないな」
「でしょうねぇ。さて、今日はいいことを聞けました。ありがとうございました」
「いやいや、こちらこそ楽しかったよ。まぁこれでも受け取るといい」
そういうとグラムさんはさっきより大きい魔力の塊を出してきた。
「それは?」
「まぁ受けてみばわかるよ」
グラムさんは俺が何かいう前に人間でいうところの心臓に当たる場所に魔力の塊をいれた。
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《称号:鍛治神の興味が称号:鍛治神の仮弟子に変化しました》
《職業の転職先に変化が生じました》
《ダイキは新たにスキル:鍛治を取得しました》
《ダイキは新たにスキル:火魔法を取得しました》
《火魔法:火炎球を習得しました》
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「いやいや、多すぎです。特に火魔法と鍛治はやりすぎです。これはさすがにダメですよ」
「そうか?しかしすでに渡してしまったものは戻せんのだ。諦めろ」
「シャーディーもそうですがあなたもなかなかですね!」
「おいおい、あんなやつと一緒にするな。心外だ」
「俺からすればどっちも迷惑だから大して変わらん」
「迷惑とはなんで迷惑とは」
「そうでしょう。もともとはきちんとSPでとるつもりだったんですから」
「そうなのか?俺はてっきり鍛治神に鍛治を教えてもらいに来るんだからもう持ってるか俺からもらうつもりなのかと思ったぞ」
「な訳ないでしょう。そこまでずうずうしくないです。まぁ過ぎてしまったことはしょうがないので、これ以上は言いませんけど、また同じことになったらさすがにアースさんに言いつけますからね」
「わ、わかった」
「はぁ。では、俺はこの辺で。人間界に帰ります」
「おう。神界...神々の領域は楽しかったか?」
「まぁまぁ楽しかったですよ。また縁があったらきますよ」
「そうか。まぁ気長に待ってるわ。俺たちには寿命がないんでな」
「いいですね。では、この辺で」
「おう。じゃあな」
「シャーディー!いるんだろう!俺を元の場所に戻せ!」
俺がそう叫ぶと何もない空間が揺らいでシャーディーが出てきた。
「なんでわかんだ...?変態すぎるだろう」
「誰が変態だ。お前のことだ、どうせ仕事サボっていたんだろう」
「そ、そんなことないよ?」
「目が泳いでる、減点...ってか、お前どうやってあの小さな空間から出てきたの?」
「まぁ神の不思議パワーってやつだ」
「ふぅ〜ん。まぁどうでもいいけど。さっさと俺を元の場所に戻してくれ」
「へいへい。お前ならそういうと思ったわ。じゃ元気でな。俺はちょくちょくお前たちを見てるからな」
「わかったよ」
「お前たちが負けたらメールで煽ってやる」
「そんなくだらんことにメール使うな」
俺はシャーディーと軽口を叩きながら出現した魔法陣の上に乗る。
「じゃあな。せいぜい煽りメールが来ないように負けないことだな!」
「安心しろ。俺には源さもハイドも白月もいる。負けることなどほとんどないさ」
「そうかい。じゃ、気をつけてな」
「お前もな」
「はっ、俺にかなうやつなどいるわけないだろう」
シャーディーがそういうと魔法陣が光り輝き俺の視界を真っ白の光が覆った。
「さて、と。サボろうかな」
「サボらせるわけがないだろう?」
サボろうとしていたシャーディーの肩を掴む者がいた。もちろんグラムである。
「何するんだ。俺はサボるんだ」
「だから、させないと言っているだろう。たまには真面目に仕事しろ。煉獄魔法:焼死の檻。空間魔法:小暗黒穴」
「アァァァレェェェ〜〜」
煉獄の檻に入れられたシャーディーは小さな穴に吸い込まれて行った。
今回は少しダイキの称号が増えた。
ダイキ:火魔法lv0new 鍛治lv0new
称号:死神のお気に入りnewダイキ 大地神の興味new 鍛治神の興味newダイキ→鍛治神の仮弟子newダイキ 3神が認めし者newダイキ