事態の急変
本日はタイトル通り、事態が急変します。頑張って付いてきてくださいね。
今日は翁たちに稽古をした後、ログインした。すると、運営からとあるメールが来ていた。内容は、今回のイベントでダンジョンボスをやってみないか?という内容だった。即座に承諾した。だっておもしろそうだし。
さて、今日こそは従魔を手に入れよう。前回は全然テイムできなかったからな。今回で欲しいところだが、どうだかな?
まぁ、探せばどこかにはいるか。さて、じゃあさっさと探しに行こうかね。
10分後...
さてさて、少し奇妙な場面に出くわしたぞ?二匹の狼を10は居る猿どもが囲んで居る。しかもなぜか狼の片方は疲労困憊で、もう片方はとてつもなく呼吸が弱々しい。これって多分出産後かな?どんな生物だって出産には大量の体力を持ってかれるし、集中力も結構削られる。おそらくそこを狙われたんだろう。
さて、冷静に分析してないでどにかしないと。普通なら狼を殺して漁夫の利を得るのがいいんだろうが...残念ながら、それはとても面白くない。だったら、圧倒的に不利な方に加勢をしよう。そっちの方が面白そうだ。そうと決まれば。相棒を出して、気配を殺し、足音を消して猿どもに近く。十分に近づいたところで、相棒を横薙ぎで振るう。
「「「キキィィ!!」」」
たった一撃で猿ん3匹を葬った。あとはだいたい...12?だったら結構楽だな。多分もっといたはずだけど、たった1人でこの数になるまで削ったのか。すごいな、あの狼。出産直後じゃなかったらきっと瞬殺だろうな。さて、少しは集中してやるか。
「魔力撃、筋力増強、加速。こいよ、猿ども」
「「「「「「「「「「「キキィ!!!」」」」」」」」」」」」
こっちに一斉に向かって来た。雑魚だな。なんで全員こっちに向くかな?反対側にも手負いの獣が一匹、居るというのに。
「まぁ、どうでもいいけどな」
無駄な思考をしながら次々くる猿を一撃で葬っていく。
「これでラストッ!」
ドガッ!
「ギィ!」
最後の一匹の顔面にヒットした。さて、やっと片付いたか。たった12匹とはいえ、少し時間かかったな。さて、あの狼たちをどうにかしないと。
「大丈夫か?回復は必要か?」
『貴様...なぜ我らに加担した?それに、スケルトンである貴様はなぜ我々の言葉を喋ることができる?』
おや?いつもと違う感じだな。なんか、いつもは自動翻訳されてる感じだが、今回は直接脳内に言葉を並べられてるみたいな感じだ。少し気味が悪いな。まぁ頑張って慣れよう。
「えっと、俺は異邦人だ。そして、異邦人はこの世界に来るときに10個のスキルを得られる。そのうちにあった言語学というスキルのおかげで話すことができる。なぜ加担したかは、面白そうだったからだ。あと、出産直後で少し厳しそうだったから」
『そうか...貴様は異邦人。だからスケルトンなのに会話が可能なのか。それと、我が出産直後だとよくわかったな?』
「だって、結構体力消耗してるだろ?その体力の削られ方は、強敵に出会ったか、もしくは出産直後だけだ」
『ほう、よく知って居るな。だが、なぜ出産直後だとわかった?強敵に出会ったからの可能性もあるだろう?』
「だって、このエリアには、お前に叶いそうな魔物はいないからだ。このエリアに出て来るのは、翔狼、野猿、劣働蟻だけだからだ。あとは疾走狼もかな?」
『ほぅ、確かに、その魔物たちでは我に深手をつけるどころか傷1つつかぬな』
「そうか、それはそうと、お前の体力はいつ頃回復しそうだ?できるだけ守るつもりだが、なるべく早い方がいい」
『そうだな...だいたいあと10分というところか。というか待て、貴様今我を守ると言ったか?貴様ごときに守られるほど弱くわないわ!それに我はお前ではない。フェンリルという名がある。それに、我は狼王であるぞ!』
「そうか。だが面倒だから、お前で。確かに、お前はそうだろう。しかし、そこに居る子供はどうだ?お前1人で守りきれるか?」
『ぬぅ...面倒とは、しかも痛いところをついてきおって。まぁいい。ならばせいぜい子を守がよ...「ドカァ!!」グァァ!』
いきなり、どこからか火の魔法が飛んできた。よく周りを見てみると、1人の異邦者がいた。
「おっしゃー!当たったぜ!いやー俺もついてるなぁー!こんなところでレアそうな魔物に出会うなんてよ!しかもなんか手負いだし。ラッキー!」
そいつは思いっきり喜んでいた。よし、殺そう。人が話して居る時に割り込んで来るやつはちょっと好きじゃない。しかも、手負いのやつを狙うなんて、まぁ、狩りの基本だが、さすがにちょっとムカつく。
それより、子供と親の安全確認だ。
「大丈夫か?今あいつを殺して来るからな。ちょっと待ってろ」
『いや...どうやら我はもうだめみたいだ。やつは、魔法の攻撃の他にも、生物の細胞を破壊する毒が塗ってある武器を投擲してきた。その毒は我でもどうにもできん』
「な...に...?」
バカな。この序盤で、そんな毒を実装していいるだと!?運営は何を考えて居るんだ!いや、冷静になれ。順番に処理していくんだ。まずはあのクズの排除。次は...後回しだ。さっさと殺そう。俺は未だに喜んで居る様子の異邦人に気配を殺し近づいた。
「死に晒せ。気練流棍術奥義...崩墜」
崩墜は、自身の全ての気を武器に集中し、衝突と同時に相手の中に送り込み、相手を内側から破壊する、相手を殺すことに特化して居る奥義だ。これ以外にも色々な奥義があるが、棍術の中で、ダントツで崩墜が一番殺傷能力が高い。
ドッ
「ガッ!ギッ!」
その異邦人は内臓や骨、筋肉などを内側から破壊され、生き絶えた。
俺はすぐに狼に走りよった。
「犯人は殺した。どうすればその毒を解毒できる?」
『解毒方法は...ない。この毒はどんな方法を用いようとも解毒できない』
「そんな...何か絶対に方法があるはずだ。それを見つけて...」
『無理だ。我はもうじき死ぬ。だから...できればでいい。我の願いを聞いてくれ』
「ああ、なんでもやってやる。俺にできることならば...なんでもだ」
『では...我が子を...娘を...頼む...』
「ああ、わかった。お前の娘は俺が命に変えても絶対に守る」
『頼んだぞ...我が...盟友...久々に...楽しかった...ぞ....では.....さら......ば.......だ........』
そういうと、狼...狼王《フェンリル》は、息を引き取った。
「お前の子供は、絶対に守る。たとえ、世界が敵に回っても。俺はお前との約束を違えない。...違うな。確かにこれは盟友との約束だ。しかし、これはあくまでも|『約束』だ。|『誓い』ではない。...だから」
『狼王フェンリルの盟友にて、スケルトンの異邦者、ダイキが誓う。狼王の娘は、自身の命に変えても、絶対に守り抜く。たとえ、世界が相手だろうと、必ず守りきる』
俺がそう誓うと、アナウンスが届いた。
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《誓いを受理します。これより、守護の契りを開始します。守護者:ダイキ。対象者:——。これにより守護者には特殊スキル『血名の誓い』を付与。対象者には『守護者召喚』を付与...完了しました。これにて、守護の契りを終了します》
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《白銀狼族・王族をテイムしました。従魔に登録されます》
《従魔に名前をつけてください》
《特殊スキル:血名の誓いを取得しました》
《従魔が特殊スキル:守護者召喚を取得しました》
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と、いうことで、ついに狼の従魔を入手!おめでとう、ダイキくん!当初ダイキくんが予定していたやつとはだいぶ違うけどね!今回は、特殊スキルが出てきました。ついでだから特殊スキルに付いて一応書いておこう。
特殊スキル
なんらかの条件を達成すると入手することができるスキル。その条件は様々で、今回登場したのは|『守護の契り』は特殊スキルの中でも入手しやすいスキルだ。発生条件は、心から相手を守ることを誓う、もしくは宣言する。その誓いや宣言を違えない限り、効果は持続する。効果はまた次回にでも。