勇者パーティーとの衝突
今回は聖焔の剣、通称勇者パーティーとの戦闘です。ついに主人公が本気を出します。
「まずは先手必勝でしょ!気練流剣術、《ワダツミ》」
そういうとふた振りの剣を持つ女性が剣に水流を纏い高速で迫ってくる......ってあれ?気練流?それって俺の道場で教える流派じゃん。まさかこいつ門下生か!まずいな。少し本気で行こう。第一6対1なんだ。少しぐらい本気出してもいいだろう。
「気練流棍術、|《角打》」
これはカウンターの技。特に高速で突っ込んでくる技に対してとても相性のいい技だ。
ドゴッ!
「ガハッ!」
「ルーシィ!」
綺麗にカウンターが決まり、女性が5人の方に飛んでいく。すかさず神官服の女性が回復を試みる。
すぐに重装備の女性が前に出て、魔女みたいな服の女性が魔法の準備をする。
これ連携がとてもうまいな。少し厳しいかもしれない。まぁやるしかないか。
「くらえ!」
のんきに考えていると、好青年が突っ込んでくる。しかし、その掛け声はどうなのかねぇ?人のことは言えないが。
「誰がくらうか!気練流棒術|《気破》」
青年の剣と相棒がぶつかり合う。力は諸々の強化合わせてこちらが上か。このままおし返そう。
「気練流ヌンチャク術|《双気破》」
相棒を伸ばし、鎖を掴み技を使う。この技は本来はヌンチャクで使うものだが、多節棍でも使える。
「ぐっ!」
青年は声を曇らせ後ろに下がった。が、そのタイミングで火の球と水流を纏った短剣が飛んできた。片方は《ワダツミ》だが、もう片方はおそらく火球だろう。ならば。
「魔力撃」
武技の魔力撃を使用し、迎撃する。しかし、迎撃しタイミングで後ろから猫耳の忍者装束の少女が出てきた。
「これで終わり」
そういうと、その少女は短剣を振るってきたが、
「残念。見えてるよ」
相棒で攻撃を防ぎ、その勢いのまま少女の脇腹を相棒で殴りつけ、光魔法を使おうとしている神官に向かって投げ飛ばす。心眼の効果はすごいな。
神官の女性は慌てて発動をキャンセルし、少女を受け止める。結構きついな。まだ対応できているが、ボスを倒したことがあるパーティーの実力はこんなものではないだろう。考えていると、向こうも会話をしているようだ。聞き耳を立ててみよう。
「大丈夫かい?アヤネ。戦えそうかい?」
「大丈夫。けど、不意打ちは効かなさそう。私の隠密より高いレベルの察知系スキルを持ってると思う」
「まじか。それじゃアヤメは遊撃ね。あいつ、気練流を使っていたから、おそらく私が通っている道場の門下生ね。しかも多節棍を使う」
「そうか。なら、ルーシィがメイン、僕がサブ、アヤメが遊撃で動こう。茜はミカンとヒカリの護衛。ヒカリは回復と光魔法で牽制。ミカンは魔法で牽制を。おそらく魔法の無効化系のスキルを持っているから、相手の動きを制限するようにしてくれ」
「「「「「わかった」」」」」
向こうの相談は終わったみたいだな。さて、今度はこちらから行こう。
「気練流棒術|《気突》」
気突は名前の通り、気を棒の先端に集め、突撃をする技だ。狙いはルーシィと呼ばれていた女性。一直線にルーシィ以上の速度でルーシィに接近する。
「ふっ!」
ガギィ!!
隣にいた青年に防がれた。しかし、問題はない。
「よく防いだ。魔法陣展開、闇波」
闇波を前方にうつ。魔法陣の効果で威力と範囲が上がっていて、勇者パーティー全員を巻き込めた。
しかし、残念ながら誰1人落とせなかった。全員のHPを3割削ったぐらいか。とりあえず無理に追撃せずに後ろに下がった。
しかし、獲物が趣味程度で現実で使っているものじゃきついな。確かインベントリに魔骨があったはずだ。それを使って即席の武器を作りたいが...どうやって隙を作ろうか。
「考えこととわ、少し油断しすぎじゃないかな?気練流剣術|《彼岸花》!」
「気練流棍術|《転円》」
ガギィ!
「そうくると思ったわ!気練流剣術|《焼土》!」
「視えてるよ。気練流徒手術|《雷流し》」
ルーシィが放ってきた炎を纏う剣を雷を纏う左手で受け流す。が、両手がふさがっている時に左右から勇者と忍者が迫ってきた。
「これで今度こそ終わり」
「これでとどめだ!」
まずい。両手がふさがっているから、できることが限られている。できることをするしかない。
「加速!鈍足!鈍足!|筋力低下!」
自身に加速を、勇者と忍者に鈍足を、双剣士に筋力低下をかけ、双剣士を力で押し返し、一気に駆け抜けて包囲網を脱出する。
「惜しい」
「クッソ!」
「惜しかったね」
後ろから声が聞こえてくるが、気にする時間はない。正面から光の槍と水の球と火の球が飛んできている体。幸い、魔力撃の効果時間は残っているから、相棒で撃ち落とす。
ふり帰ると、思いっきり武技を使う。
「衝打!気練流棍術、|《爆砕》!」
武技と気練流棍術の爆砕を地面に向かって思いっきり振り下ろす。
ドッゴォオォ!!
衝撃で土煙がまき上り、相手からこちらが完全に見えなくなる。俺は小声で魔法を使用する。
「魔力盾」
不可視の魔力の盾を正面に展開し、インベントリから魔骨を三本取り出す。そして骨芸と錬金術で加工を施す。できたのがこちら。
魔骨の簡易刀 製作者:ダイキ 耐久値:100/100 品質:希少 レア度:K
ダイキが自分の知識を元に錬金術で作り上げた魔骨でできた簡易刀。普通の刀より切れて、普通の刀より折れにくい。しかし、骨なので打撃に弱い。
即興で作ったにしてはそこそこの出来だった。俺は相棒をインベントリにしまい、刀を構える。ちょうどそのタイミングで土煙が晴れた。しかし、晴れたタイミングで勇者と双剣士と火球が突っ込んできた。
「お!武器を変えたな!おもしろそうだ!」
「油断するなよ!ルーシィ!初見の相手は危険だ!」
「その通りだぞ、門下生。だから、相手を見誤るんだ。首刈流、一の技|《斬首》」
「え?」
俺は双剣士の後ろに周り、刀の流派の技で首を刈った。このゲームでは首を切られると即死だ。ついでに心臓を貫かれても即死だ。生物の基本だな。
「とりあえずこれで1人。あとは5人だな」
双剣士の首を刈ったあとは、すぐにバックステップで距離をとる。
「お前!よくもルーシィを!」
「落ち着きなさい!ルーク!」
激昂した勇者が突っ込んでくる。正気を失ったらあとはもうただの的だな。
「すぐにリスポーン地点に送ってやるよ。死神流、三の太刀|《心討》」
この心討は、刀をまっすぐ対象に向け、肘で打ち出し、心臓を貫く技だ。
「グフッ!」
綺麗に鎧を貫通し、心臓を貫く。これで2人目。
「貴様ぁ!!」
「殺す」
「許さない」
「死になさい」
うわぁ。女性陣の怒りがすごいなぁ。けど、正気を失っていると、ただの的になってしまう。もう終わらせよう。
「剣聖流、黄竜の型|《神速》。首刈流、六の技|《返し首》。死神流、一の太刀|《大鎌》。剣神流、五の刀|《断界》」
神速で速度を限界まで高め、返し首で2人の首を刈り取り、大鎌でもう1人の首をはね、断界でもう1人を心臓を体ごと切り裂く。
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《戦闘に勝利しました》
《棍術のレベルが上がりました。Lv25→26》
《心眼のレベルが上がりました。Lv4→6》
《鑑定のレベルが上がりました。Lv16→17》
《言語学のレベルが上がりました。Lv21→24》
《錬金術のレベルが上がりました。Lv18→20》
《暗殺術のレベルが上がりました。Lv15→17》
《骨芸のレベルが上がりました。Lv12→13》
《闇魔法のレベルが上がりました。Lv8→9》
《魔法陣のレベルが上がりました。Lv15→16》
《知力強化のレベルが上がりました。Lv11→13》
《付与術のレベルが上がりました。Lv11→12》
《呪術のレベルが上がりました。Lv11→16》
《今までの行動から、スキル:剣術を獲得しました》
《剣術の新しい武技:横一文字切り、縦切りを取得しました》
《剣術のレベルが上がりました。Lv0→5》
《剣術の新しい武技:十文字切り、斜め切りを取得しました》
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こうして、不意打ちから始まった勇者パーティー対スケルトンの戦いは、1匹の魔物の勝利で幕を閉じた。
さて、結果は主人公はダメージらしいダメージを受けずに勝利しました。対人戦ではたまにしか負けません。これは確定です。道場の師範がそんなポンポン負けてたら示しがつきませんからね。
《名前:ダイキ》《スキル:棍術Lv25→26、剣術Lv0→5|(new)、鑑定Lv16→17、言語学Lv21→24、錬金術Lv18→20、暗殺術Lv15→17、心眼Lv4→6、骨芸Lv12→13、闇魔法Lv8→9、知力強化Lv11→13、魔法陣Lv15→16、付与術Lv11→12、呪術Lv11→16》
今回は剣術スキルを獲得しました。あと、今回から、自分の意思でゲットしたものを取得、他人の意思でゲットしたのを獲得にします。アイテムも手に入れた場合は獲得と表記します。ご了承ください。