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夏祭り

作者: むねた

「今夜の夏祭り一緒に行こうぜ」


「はぁー?なんであんたと私が行かないと行けないわけ?」


こいつは、幼稚園から中3の今までずっと同じクラスで良く私につるんでくる。いつも素っ気ない態度を取ってしまうが、なんだかんだいってこいつのことは嫌いにはなれない。


「そんなつれねぇこと言うなって!可愛い浴衣来てこいよぉ~」


「は、はぁー?誰かあんたなんかに!!」


「顔、真っ赤だぞ~」


「う、うしゃい!」


「ま、絶対来いよ!」


あいつはいつもこうやって私のことからかってくる。あいつなんて大嫌い!


あいつは男子のもとに行って楽しいそうに話してる。私をからかう時のニヤニヤしてる顔はウザイけど普通に笑ってる顔はあどけないなくて…


「おー?結衣~なーに見てんの?」


「ふにゃ!?」


後ろから芹那が話しかけてくる。て、あいつを見てたとこ見られた!?いや!なんであいつのことなんか私見てるのよ!


「べ、別にあいつの事見てた訳じゃないからね!」


「私は誰かとは言ってないのになぁ~あれぇ~?もしかしてほんとに見てたぁー?」


「そ、それは…」


「はぁ~もう結衣はほんっと可愛い反応してくれるからからかいがいがあるなぁ!」


芹那私の脇腹をつついてくる。イラッときた私は鞄を取り


「意地悪な子とは帰って上げないもん!私帰るね!」


「ちょぉー待てたんまぁー!ごめん私が悪かったからさ一緒に帰ろね?ね?」


芹那すぐ慌てて謝ってくる。変わり身の早いやつなのだ。


「わかったわよ。さ、早く帰ろ」




自宅に帰ってスマホを見るとあいつからメッセージが届いてた



『小学校前に18:00集合な。遅刻するなよ!』


「仕方ない。行きますか…」


『了解(*`・ω・)ゞ祭りでなにか奢ってよね』


と返信する。直ぐに既読が付き


『わかったよ。お前わたあめ好きだよな?それくらいなら奢ってやる』


と返信がきた。冗談で奢ってて言ったのにわかったと言われ少し申し訳ない…


『ありがとう。私もう準備するから後でね。』


私はお母さんを呼び浴衣の着付けをしてもらい祭りに出かける。


小学校の正門前にあいつはもう待っていた。


「お!浴衣可愛いじゃん!」


あいつは会って直ぐにそんな事を言い出す。いつもそうやって恥ずかしいことを行ってくるのだ。


「べ、別にあんたの為に着てきたわけじゃないからね!」


「へぇ~じゃ誰の為?」


いつものニヤニヤ顔で聞いてくる。



「えーとそれは…そ、そう!わたあめのためよ!わたあめを買ってくれるって言うから来て上げたの!あんたのためじゃなくて…そう!私のためなの!」


恥ずかしいくなった私は


「早く行くわよ!わたあめ買いに!」


「ハイハイわかったよ」



屋台は、すごい混みやっていた。あいつと私わたあめ屋にいった。


「おっちゃん!わたあめ1つ!」


「お!お前さんの彼女可愛いじゃないか大事にしろ?ほれ、サービスだ。」


「わ、私はこいつの彼女とかそういうのじゃないです!」



人混みを避けて2人でベンチに座った。



「ほれ」


あいつは私にわたあめわ投げ渡した。

わたあめは通常サイズより少し大きいかった。理由はどうあれおじさんに感謝だ。そして私はパクリと1口。


「うぅ~あまぁぃぃ」


わたあめは最高だ。何よりこの甘さ祭り以外の時でも食べたい。


「お前、ほんとわたあめ食べると表情崩れるよな。」


あいつは笑う。いつものとは違う優しげでどこか魅力的な…


「うるはぁい!」


「食いながら喋るなって」


するとふとあいつはスマホを見た。



「ちょっとトイレ行ってくるからここで待ってろ」


そう言ってトイレと真逆の方向に走って行った。怪しいと思いついて行くと。

そこには芹那とあいつが居た。芹那はどこか覚悟を決めたような表情だった。


「あのね、私…君のことが…」


嫌だ。嫌だ。私はこれ以上聞きたくなかった。私はその場から駆け出した。慣れない浴衣で走ってせいで直ぐに転んでしまう。胸がとても苦しい…走ったせいじゃない。そう私はきっと…()()のことが好きなんだ。いつも絡んで来てくれてふと気付くと素敵な笑顔をする俊一が。


「でももう遅いよ…」


私の頬に涙が伝う。きっと芹那は俊一に告白しただろう。そして、俊一はそれを断る理由はない。そう。もう遅いのだ。もう、さっさと帰って寝てしまいおう。そうすれば少しはこの思いを忘れられるはずだ。


「なにこんなとこで泣いてんだ?」


急に声をかけられる。そこに立っていたのは俊一だ。


「俊一…?なんでここに?芹那に告白されたんじゃないの?」


「あぁーでも断った」


驚いた。芹那が断られる理由なんてなかったはずだ。


「なんで…?」


「俺は…お前が…結衣が好きだから…」


私から目を逸らし顔を赤くして言う。私の胸にはものすごく暖かいものが広がっていった。


「バカ…そんなら早く言ってよ」


「俺だって恥ずかしいだよ。」


ドーン


そしたら花火が上がった。私たちを祝福しているかのように。



少し離れたところで事の顛末を見てた少女は


「結衣にはちょぉーと荒療治だったかな?」

そう言って2人と同じ花火を見上げていた。

こんにちは、むねたです。今回は初の恋愛もの+短編小説でした。いかがだったでしょうか?楽しんで頂けたのなら幸いです。やはり恋愛書くのは異世界転生からのチート~とかより全然難しい…これからはもっと恋愛ものも書けて行けたらなぁと思います

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