クリスタルの存在
『ほう...この学園にはその四人が残って居るんだな?
.........杏子?』
『はい、確かに。場所は違えど、その四人と教師数名が残っています』
『分かった、その四人を集めなさい。』
『はい...お父さん』
......
「ここは日照りが多いな...」
彼女の名前は 夕楽 菊
日照りを避け、花壇の手入れが趣味の所謂ボクっ娘だ。
「おおお、育ってる育ってる♪」
学園の花壇にて栽培をしていたのは
朝顔、チューリップ、紫陽花、秋桜の四つだ。
毎朝、毎夕水遣りをして必ず確認しにくる
水質、地質、水捌け等。
一通り確認し終わって立ち上がり、ふと窓を覗くと...そこには
「Zzzzz......」
「寝てる...」
カーテンが閉められていて、あまり中が見えないが確かにあいつが居る。
彼女は 夜倉 椿
夕楽と同じく日照りを避け、日差しも好まない。日中殆ど寝ている夜行性だ。
保健室登校で放課後に教室に来て寝ている。
「zzzzz...」
こうなれば起こすのも至難の業だ。
一方、杏子サイドでは
例の話を進めているようだ
「もしもし?」
「はい」
「少し良いかしら?」
「はい、何なりと」
「保健室付近に居ると思われる、朝垣さんと昼馬さんを連れてきてちょうだい。私はこっちの二人を連れていくわ」
「分かりました。」
ピッと音と共に通話は終了した
どうやら四人とも集めて話をしようと言う事だろう。だが、その事をこの四人に知らせて何をしようって言うんだろうか。
クリスタルの本当の意味を......
そしてどう言う効果を齎らすのか
「ごきげんよう、夕楽 菊...さん」
「?...どうしたんですか?」
「少しお話がありましてね」
「......話...?」
「ええ、ただその前に夜倉さんを起こして貰えるかしら?」
「は、はい...椿! 椿!!」
普段日中寝ている夜倉 椿を起こす...
必死な夕楽と起きる気配の無い夜倉
そしてその姿をただ呆然と、そして淡々と眺める周期院 杏子。
「椿!!」
ゆさゆさと身体を揺らしたり、叩いてみたり...そうこうする間にその細い目は開いた
「ん...ん......」
「椿!」
「な、何......」
その細い目の間から何が見えたのか、パチパチッと二度見をするように見開く
「...せ、生徒会長?! 何でここに...」
「漸く起きたんですか…」
「僕たちに話があるんだってさ」
「話...?」