春風との出会い
彼女の名前は景頭 季杵、16歳の高校二年生
彼女はモニターに向かいキーボードを叩き続ける
...黙然とエンターキーを打つ
現在、家でパソコンゲームをして遊んでいる...
事の経緯を説明すると 遡ること三年前...
~三年前~
勢いよく廊下を走る
「季杵~!一緒に帰ろ~!!」
「あっ!見春! オッケーちょっと待ってて!」
彼女の名前は風谷 見春、中学二年生
この後...あんな事が起こるとはこの時は未だ知る由もない
「お待たせ!帰ろ!」
「うん!あ、そうそう!知ってる? 三丁目の角にお店が出来たらしいよ!」
「え、知らない...帰りに寄ろうよ!」
「良いね~!それ!!」
.....
「ここだよ!Chocolat」
名前的にケーキ屋だろうか
「んー...と ...これにしよ!」
店頭のガラスを見て商品を選ぶ
選んだのはこの店の人気を誇る『モンブラン イチゴ添え』だった
その事件が起きたのはその帰りだった
「合計で1,960円になります」
「xxxICooでお願いします」
「はい、ありがとうございました」
と店員が挨拶をする
「美味しそうだよね~!」
「うん!つい買っちゃった~」
雨音が鳴り響く中、二人はまるで凛と咲く花のように明るく帰っていく
「...え?」景頭が何かに気付く
その時...車音が鳴る...
そう、車だ
「見春 危ない!!!」
急ブレーキを踏む...
雨の中 タイヤは滑る ブレーキは遅かった…
「見春!!!!!」
景頭は大声で泣き崩れた
即死だった…
~現在~
ピコンッ
「ん?」何かの通知音だ
景頭はそれを開こうとダブルクリックをした
(機械の中)
「ドウモ、私 春風トモウシマス
通常ハ、ヴァーチャルリアリティ 通称 VRヲ掛ケテ会話ヲシマス」
「...VR...?」
「ソレデス」
背後のベッドを見ると眼鏡?機械が置いてある
「...これを掛けるの?」
「ハイ」
恐る恐る掛ける
と今度は目前から
「どうも~、春風で~す!」
「え...見春?!」
外見もルックスも似てる
ただ髪、目色等がピンク一色だ
「違いますよ~
そうだけど...」(ボソッ)
「ん?何か言った?」
「い、いえ...」
周りを見渡す
勿論、VRなので家の中でしか行動出来ない
「VRって何なの?家具があるけど...?」