61話 緋里の驚愕の変化
だいぶ体調戻りのんびり投稿していきます。
オークキングを倒したヒサはオークキングの塒に向かっていた。
そして塒に着き、洞窟の中に入ると、怯えているオークの女と子供のようなのがいた。
「この洞窟は家?塒?アジト?何なんだろな?偉そうなモンスターってほんとに洞窟好きだよな〜。オークの子供かぁ。マジかよ!はぁ〜、モンスターだし殺さないといけないよな」
【ヒサ様。仰る通りです。ここで女は逃したら子を産み、そして子供は大きくなりそして人間を襲うでしょう。】
『そう、そうです!!久二郎様!この淫獣に情け無用で御座います!』
理沙と不穏なオーラの緋里の言葉に覚悟を決め殲滅を決意した。
(分かった。せめて苦しまぬよう一瞬だな)
ヒサは言葉を最後に鯉口を切る。
そして刀を抜刀したヒサは、怯えるオークの女子供赤子の首を斬り殺して行く。中々残酷だなとヒサは思いつつも、後々の事を考えて人間に害あるものだと思い、お前達のしてやるからなと思った。
全て倒したヒサはインベントリに入れ、そして何か無いか洞窟奥に確認しに行ったら、またもやモンスターなのに金銀財宝や金属のインゴットを蓄えていた。
そして何か気配を感じた。
「何でモンスターが金目の物を集めるのだ?ん?何かいる?」
【一応オークキングは王様ですからでは無いでしょうか?何かいるのです?え?私は感じませんでしたが……マップ上にも映っていません】
どうやら理沙が使えるマップやスキルでは感じないみたいだが、緋里がふふふっと話しだしたが、
『ふふふっ所詮理沙さんもスキルの力でしか役に立たないのですね』
【貴女こそ!緋里さんも感じられなかったでしょ?】
『そ、それは……』
と、緋里は理沙に嫌味を言うが、が逆に返されてしまったようだ。
ヒサは何をやってんのだ二人は、と思いながら二人を無視したヒサ。
「……さて何がいるのかな〜?」
ヒサはのんびりとお宝をインベントリに入れながら、更に洞窟奥に何者かを探しに行ってしまった。
そして暫く歩いていたのは、火の色で人の形をした幽霊みたいのが弱っていて、幽霊は悪い気配は感じ無かった。
(何だ?モンスター?幽霊?ゴーストって奴か?取り敢えず、鑑定だな。[鑑定]ん?見えないぞ?)
鑑定できないのを不思議に思っていると、
【ん〜と?ヒサ様。恐らくですが精霊では無いでしょうか?神に等しい者は鑑定を弾くらしいです】
(はぁ。何でも鑑定出来るのではないのか。)
【その者は弱っている精霊でも上位の者と思われます。流石に神に近い者や神には鑑定できないでしょう。多分………(でもおかしいですね)】
理沙は殆どの鑑定ができる筈なので微かに疑問に思っていた。
(ふーん。そんなものなのか?)
と、ヒサと理沙が話していると
“貴方私が見えるの?”
精霊は珍しそうに聞いてきた?
「あぁ。見えるぞ。だいぶ弱ってんな」
ヒサは幽霊らしき者がもう時期消えそうな気配を感じた。
“そう。貴方人間よね。私が見えて、話せるなんて・・・何千年ぶりかしら。稀な人間さん。私は敵を欺く為に態とこの洞窟に、邪の者から逃げて隠れていたのよ。少し前に邪の者と戦い、負けそうになって逃げる為にまた力を使って弱くなったの。これでも私炎の精霊で炎帝と呼ばれていたのよ。でも・・・呼ばれていたのは何千年も昔だけどね。”
「そうか。邪の者がねぇ・・で、炎帝。これからどうするのだ?」
“そうね。しかし……もう私には力が余り無いわ。このまま消えるしか……”
「ん?消えるしか?」
“そ、そうだわ!貴方と契約しても良いわ!私を見えるし話せる稀な人間。しかも貴方なら私の炎にも馴染みそうね。それにその腰に携えている武器、依代に出来そうだわ”
「ん?駄目だ。この刀は緋里と言って既に宿っている」
“え?はっ!確かに武器に気配を感じるわ!貴方凄い?貴方と緋里?深く繋がっているわ。でもどうしよう………。私このまま消えるのを待つしかないの………かな”
炎帝の精霊は悲しそうに俯いたが、その悲しみを感じた緋里はヒサに話し掛けてきた。
『久二郎様。私は消える事は有りません。だからその子を………仮?住まいなら住まわしても良いです』
「そうか。なら炎帝良いぞ」
緋里が自信げに了承したので炎帝の精霊に許可を出すと炎帝の精霊は嬉しそうに喜んで、
“本当!嬉しい!”
炎帝の精霊はヒサに飛び付き
“ちゅっ”
炎帝の精霊はヒサの唇にキスをした。
そして、その瞬間炎帝とヒサは赤く光り、直ぐに光は消えた。
「ななな、キ、キスだと?!………ん?これは、契約、か?」
ヒサは狼狽えながらキスに驚くが、炎帝との繋がりが出来、契約と思った。
“契約完了よ。でも貴方の魔力凄いわ!少しづつ私の力が蘇って行くわ!でも少し休みたいわ。緋里さんお邪魔します”
炎帝の精霊はキスの事と契約の事などそっちのけで早く安心できる所で休みたかった。
『良いですよ。吃驚しないでよ』
”え?”
炎帝は既に緋里の中に入り始めた後に緋里に吃驚しないでと言われて疑問に思ったが、入ってみると、
“え───────っ!家?庭?森?川?”
『ふふふっ。ようこそ。我が楽園へ』
“す、凄いわ!緋里さんの力凄いのね!”
『いいえ。私、緋里は。刀で、久二郎様に打たれ作られ銘入れされ、そして意志を持ちこの刀に力を得る事が出来たのよ』
「何を話してんのやら……?」
どうやらヒサには聞こえておらず、炎帝の精霊と緋里だけで話して炎帝の精霊が驚いていた。
“銘入れ?それで……緋里さんの意思ですか?あーっ!名前ーっ!”
緋里の中に入って緋里と話して炎帝の精霊は緋里の力に疑問を持ちつつ、ヒサが緋里の名前を付けたと聞いて思い出し、名前を付けて欲しいみたいだ。
“えっと、久二郎様?あっ!契約者様!!契約!えっと、うーんっと、主様!名前を付けて!”
「え?主様?まじか?うーん。名前ねぇ……いいのかなぁ………炎の精霊だよな〜う〜ん。火に関係してるし炎だし、うーん。そうだなぁ ……火乃華だ」
『“え?”』
ヒサは名前を付けるとまた進化やらの変化に不安に思うが、折角契約したし、少し懐っこい可愛いと思い、炎帝の精霊に名前を付けた瞬間、火乃香のいる緋里が緋色に光り出し、火乃香と緋里が驚き、刀ごと消えた。
そして緋い髪で、赤と黒の着物を着た女性が現れた。
「え?え?わ、私はどうして?え?か、体が……あっ有ります!ひ、久二郎!私体が有ります!こ、これでお嫁さんになれます!えい!」
緋里はヒサに正面から抱き着き、
“ちゅっ”
緋里はヒサの唇にキスをした。
「うふふふ。やっと久二郎様にキスが出来ました!嬉しゅう御座います!」
緋里は念願のヒサにキスが出来とても嬉しそうに抱き着いていた。
そしてヒサはキスをされた事よりも、変化をした緋里に、未だ混乱したまま緋里に質問する。
「は?!ん?!はぁ〜?どうなって?ほ、本当に、ひ、緋里なのか!?」
緋里の変化にヒサは混乱して驚愕し、やはり信じられなかった。
「はい!何故か私人の体になれました!久二郎様!とても嬉しく思います!」
とてもはしゃぐ緋里はヒサにベタベタと抱き付きヒサを堪能していた。
そして火之華の存在が気になり緋里に聞いたが、
「はぁ〜?ん〜?それで、火乃香はどうなってる?」
「えっと、火乃香さんは?ん?私の中の家で眠ってますね」
「は?家?緋里の体はどうなってんだ?」
「久二郎様。女の秘密で御座います。うふふ。久二郎様でも教える訳にはいけません。」
「はぁ、どうなってんだ。ふぅ〜。ん〜。やはり腰に違和感が……」
女の秘密と聞いたヒサは緋里に追求をやめたが、腰に刀が無く寂しく感じた。
「なぁ。緋里。やはり刀に戻ってくれないか?」
「え?戻るなんて!嫌で御座います!折角人化出来たのに…!戻れなんて!久二郎様!私の事など嫌いなのでしょうか?グスン。チラッ、グスン。」
緋里は両手で顔を隠し、嘘泣きなのか、泣いているのか知らないがチラッと見て、泣きながらヒサを見ている。
「はぁ。分かったよ。そのままでいい。が、敵やらモンスターが出たら刀に変われよ」
ヒサは緋里のあざとさをみて、溜息を出しながら了承したが、何かあれば刀に戻る事を言い付け、満面の笑みで
「了解で御座います。」
緋里は了承した途端、
“ちゅっ”
「うふふ♪ではシルフィさん達の所に参りましょうか!うふふふ♪」
ご機嫌な緋里は未だ正面から抱き付いたままヒサの頬にキスをしてから、ヒサの腕に抱き付き直し、シルフィ達の下へ引張って行った。
「どうしたもんかな〜」
ヒサは腰の刀の無さに寂しさを感じつつ、シルフィ達の反応と追求とかどうしようか考えて緋里に引っ張られて行くのだった。
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